クエストエデュケーション（※）・企業探究コース「コーポレートアクセス」は、中学生や高校生が教室にいながら企業のインターンシップを体験し、企業理念をもとにした課題（ミッション）に取り組むプログラムです。企業もその活動に伴走し、生徒のアイデアの深化と成長を見守ります。

（※）クエストエデュケーション……教育と探求社が提供するさまざまな探究学習プログラムの総称。各プログラム参加者が、1年間の活動の成果を社会に発信する全国大会もあります。

参画企業が中学生や高校生と共に考えたいミッションを創出。生徒たちは教室にいながら企業にインターンする形で、チームで自分たちなりのこたえを考え、企画にまとめプレゼンテーション。企業もその活動に伴走し、生徒のアイデアの深化と成長を見守ります。

そうした活動で企業の社員のみなさんが得るものとは。参加者の声をご紹介します。

CHECK１　参加者の横顔
まだ販売店しか知らない自分の幅を広げたかった

ー会社ではどんなお仕事をされていますか？

弊社の直営販売店である「Menicon Miru」で、お客さまへのコンタクトレンズの販売や、定額制プランのご案内をしています。また、店舗での役割として、お店をよりよくするには現場をどうすればいいかを率先して考える「接遇リーダー」も務めています。

コンタクトレンズは高度管理医療機器であり、はじめて購入するときや、なじんだものから新しいものに変えるときに、不安を感じる方が多くいらっしゃいます。そうしたお客さまに、度数からブランドまで適切なご提案をすることができて、「快適になった」「世界の見え方が変わった」などと喜んでもらえたときに、やりがいを感じます。

ー参加した動機や、参加前の心境を教えてください。

社内で募集があったときに、直属の上司が店舗のスタッフみんなに「やってみませんか」と声をかけてくださったので、自分から立候補しました。

まだ暦は浅いですが、今後のキャリアを考えたとき、販売店のことしか知らないまま、漫然と過ごしていていいのかな、と思ったのです。中高生とふれあうという普段とはまったく違う仕事に挑むことで、何かしら自分の幅が広がるといいな、と考えました。

CHECK２　生徒とのふれあい
10代と向き合うプロからもかかわり方を学んで

ー活動してみて印象的だったことを教えていただけますか。

共に考えたのは「となり合う生命（いのち）を「深く想う」 そんな時代がうまれるプロジェクトを提案せよ！」というミッション。

その課題に挑むために、生徒さんとふれあうのがまず純粋に楽しかったです。

コンタクトレンズを使ったことがない生徒さんにとっては、弊社はまったく知らない会社でもあることも多く、そうした層に「会社を知ってもらうこと」や、一緒にものごとに取り組んで「会社に愛着をもってもらうこと」を経験できたのも新鮮でした。

ー中高生と接するにあたり、意識したことはありますか？

私は人見知りで、はじめて学校訪問したときは、生徒さんにあまり声をかけられなかったんですね。そこから、フランクになりすぎず、でも固くもなりすぎずに生徒さんと対話するにはどうすればいいかを、一つずつ試行錯誤していきました。

お手本にさせてもらったのが学校の先生です。声のかけ方が非常にうまい先生がいらしたので、見よう見まねでそれに倣ってみることで、少しずつ、無理なく生徒さんに声をかけられるようになりました。

学校での活動の様子（左側が安田さん）

CHECK３　自分が得たもの
先輩からも、生徒からも教わることがあった

ー活動のなかでご自身が得たものはありますか？

会社のことをより知ることができ、視野が広がりました。
例えば、販売店やオフィスに生徒を招待するイベントを行った時には、本社の社員の方を含めて参加メンバー全員で一堂に会したのですが、販売店にいる私がまだよく知らなかった社内の仕事内容もお聞きすることができたのです。

他の社員の方とペアで学校訪問することもあり、新規事業の構想を担当されている先輩から、この先の未来の話を伺える機会もありました。

経験豊富な先輩方と比べると、キャリアの浅い私は、生徒さんにとって頼りなかったかもしれません。けれど、生徒さんと年齢が近くて「できないことがわかる」から寄り添えた部分もあったんですよ。若手の場合、かかわる人すべてから刺激をもらえる活動だと思います。

ー活動を経て自分のなかで変化したことはありますか？

前よりも積極的に人に話しかけられるようになりました。勤務しているお店では、足を運んでくださったお客さまをお迎えするのが基本で、普段の私の意識のままだったら、自分から対話を求めていくことを、そこまではできなかったと思うのです。

生徒さんたちとも、活動中に出会えた先輩方とも、自分から踏み出していろいろなお話ができたのは、こうしたチャンスをもらえたからだと感じています。