クエストエデュケーション「コーポレートアクセス」参画企業12社によるキックオフを行いました。
今年度も探究学習プログラム「クエストエデュケーション」が開始し、４月から授業が続々と始まる中、企業探究コース「コーポレートアクセス」に関わる企業の方々も様々な準備を行っています。
そんな中、2021年5月21日(金)、「コーポレートアクセス」の参画企業12社がオンラインにて集まり、初の顔合わせとなる「コーポレートアクセスミーティング（CAミーティング）」にてキックオフを行いました。
企業探究コース「コーポレートアクセス」とは？
「コーポレートアクセス」は、探究学習プログラム「クエストエデュケーション（通称クエスト）」にある、10種のプログラムのうちのひとつです。
クエストは「答えのない問いに「私」として向き合うこと」を特徴としており、誰かに言われたことや決まったことではなく、その人が本心からどう思っているのか、何を大切にしているのかを探求する、主体的な学びを大事にしています。2021年度は、全国37都道府県265校約45,000名※（昨年４月比132％増）に提供していきます（※2021年4月見込み）。
企業探究コース「コーポレートアクセス」では、「企業とともに未来をつくる」をコンセプトに、教室で生徒たちが企業へのインターンシップを体験します。働くことの意義や経済活動について学びながら、自らの大切にするものを探求し、自分と世界の見方が変わるような学びを目指しています。
▶探究学習プログラム「クエストエデュケーション」
▶「コーポレートアクセス」授業の様子（動画）
参画企業の方々は、生徒たちがインターンとして取り組む「ミッション（課題）」を作成したり、学校訪問や中間発表会に参加したり、最終発表の場である「クエストカップ全国大会」での審査を行ったりと、インターン先の先輩として生徒たちと関わりながら、１年間をとおして生徒たちの学びに寄り添っていきます。
また、企業の方々で集まる「コーポレートアクセスミーティング（CAミーティング）」や、学校を超えて生徒や先生が集まる発表の場「クエストミーティング」にも参加していきます。
「コーポレートアクセス」参画企業各社からのご挨拶
今年度企業同士の初の顔合わせとなる今回は、コーポレートアクセスのキックオフとして、各社からそれぞれご挨拶やクエストへの意気込みをお話いただきました。
「昨年、中高生が考えたアイデアは我々が2025年に掲げた未来に近く、非常に学びがありました。今年も引き続き中高生と一緒に探究をし続けたいとともに、ここで得た学びや経験を社内にも届けていきたいと思っています。」アデコグループ 中村さん
「学校の先生が『こうしなさいというのではなく、一個人として、生徒が悩んでいることを聞いたり、自分なりの考えを伝えたりしていた』というお話(津南インタビュー記事リンク)があり、本当にその通りだなと感じました。『カルビーの看板を背負って、ちゃんといいコメントしなきゃ』ではなく、今年は一個人として、自分はこう思うよということを伝えていけたらいいなと思います。」カルビー経営戦略室 石渡さん
「昨年は生徒のみなさんの熱量を感じながら、密度の濃い時間を一緒に過ごさせていただきました。普段の仕事とは違う空気に触れ、私たちにとっても新しい刺激や発見になりました。」博報堂 山田さん
「クエストカップに出場した学校の多くが、中間発表で厳しい意見をもらい企画を一から作り直した経緯があったそうなんです。昨年私は甘いというか、生徒の意見を大事にしたいと思って厳しい意見が言えなかったので、今年は生徒の意見を大事にしながらも、厳しい意見を出していこうと思います。」富士通 徳茂さん
「中高生のみなさんが我々のミッションに対してどんな可能性を秘めた提案をしてくれるのかなということをすごく楽しみにしております。」三菱地所 高橋さん
「オンラインが中心となったことにより、昨年は多く学校に訪問することができました。このクエストが、今期は社員が自発的に参加できるプログラムになるよう、仕組みを作っていきたいと思っています。」メニコン 犬山さん
「学校を訪問するたびに、生徒のみなさんが真剣にとりくんでいる姿を見て、私も刺激をいただいています。今年も生徒のみなさんとふれあいながら、自分自身も成長できる時間をいただけることを本当にありがたく思っています。」大正製薬 メディア推進室 小山さん
「全国にいる１万６千人の社員が自分自身の意思でクエストにいつでも参加できるという状況を作るのが私自身の今の夢です。クエストでの生徒との関わりはもちろん、この１２社の仲間のみなさん、そして探求社の方々とご一緒できる機会というのは、仕事への意気込みややり方など本当に勉強させていく機会が多いなと思っています。」大和ハウス工業 サステナビリティ企画部 松村さん
「今回初めてでワクワクしています。前任者から、とにかくエネルギーやガッツを沢山もらえるし、探求心が芽生えて本当に勉強になると聞いていました。ぜひ中高生のみなさん、１２社のみなさん、そして教育と探求社のみなさんと関わりを持っていきたいと思っています。」テレビ東京 総合編成局アナウンス部 狩野さん
「先日、社内のメンバーで集まり、早い段階で学生のみなさんに会って一緒に考えていきたいと語っていました。いま感じていることを未来に向けたエネルギーに変換していこうということをみなさんと取り組んでいきたいと思っています。」パナソニック 経営企画部 河邊さん
「今年初参加です。子ども達から教わることも多いと思いますし、また１２社のみなさんと交流できることも楽しみにしています。」フォレストアドベンチャー 吉富さん
「我々は生徒が接する先生や親御さん以外の大人として、責任ある言動を心がけて参りたいと思っています。そして参加する社員もリーダーシップの発揮やコミュニケーションにおいて新しい選択肢を得る、このようなことを期待しています。生徒たちに対しては、覚える学びだけではなく、考えて表出する学習に貢献できればと思っております。」吉野家ホールディングス 山崎さん
生徒・先生からみた、企業の方の関わりの重要性
また、生徒や先生がクエストにおいて企業の方々と関わることについてどのように感じているのか、共有してもらいました。
クエストOG 額賀さん（現教育と探求社 社員）
私は高校生のときに２年間、クエストにとりくみました。本当に、やっている期間はすごく楽しかったです。私は当時参画していたソフトバンクのミッションに取り組んでいたのですが、バスの中で見知らぬおじいちゃんに携帯電話の使い方を聞かれたとき、内向的なのにも関わらず「ソフトバンクの携帯なんですか、使いやすいですか」と本当に社員の一員になったように気になって聞いてしまうくらい、夢中になってミッションに取り組んでいました。
特に心に残っているのは、企業の方が学校にきてくださったときです。調査の結果を発表したら、「いやもう、すごいよかったよ。僕たちのことをこんなに調べてくれて、僕は嬉しい」と社員の方が言ってくださったんです。先生でも親でもない、他の大人に認めてもらえたんだということがすごく嬉しかったのを覚えています。
クエストにとりくんでから、社会・世界で起きていることや、どんな会社が何をしているんだろうということに興味を持つようになりました。
エスコラピオス学園 海星高等学校 海星中学校 瀬川先生
企業の方にはたくさん教員からは言えない貴重なことを言っていただきました。特に「ここからの変化をすごい楽しみにしているよ」と子ども達に伝えてくださったことは、とても大きかったです。
私たちも「これは一年間続くプログラムだからしっかりその会社にいるつもりでやるんだよ」と伝えはするのですが、やはり「これからうちの会社の社員としてがんばってね、成果をずっとみてるからね」というメッセージを企業の方に直接いただけることは、子ども達にとって、私たちが思っている以上に大きかったなと思います。
子ども達と話していて思うんですけれでも、『箱だったものが箱じゃなくなる瞬間』というのがあるんですね。たとえば、「アデコっていう会社があるんだ」というところからスタートして、調べてみて「こういう仕事をしているんだ」という中身を知って。その時点ではまだ『箱』なんですけれども、ミッションをもらったり、話してくださる企業の方を見たりして、「あ、会社はあの人がいるところなんだな」「あの人たち、なにしてるんだろう」というようになるんです。
『会社』じゃなくて、『あの人たちなにしてるんだろう』になる瞬間、それは彼らの世界がぐっと変わる瞬間だなと感じますね。
最後に「何を大切にしたいか」
最後にこれから一年、「生徒たちと関わる際に、自分は何を大切にしていきたいか」ということについて、それぞれ想いを言葉にしていきました。
2021年度のコーポレートアクセスはこの１２社で、生徒たち、先生方、企業の方々同士で、学び合い探求していけたらと思います。
ご参加いただいた１２社の皆さん、ありがとうございました！