中学生・高校生・高専生のためのチャレンジプロジェクト「第4回 パワー・オブ・イノベーション2019 in 東北」(POI)が開催されました
2019年8月18日(日)~20日(火)の3日間、宮城県東松島市にて「第4回 パワー・オブ・イノベーション2019 in 東北」が開催されました。
「パワー・オブ・イノベーション」は、企業のリソースを活用し、未来を切り拓くイノベーション企画を創出するプロジェクト。全国から集まった中高生・高専生が3日間の合宿の中で、チームを組みアイデアを磨いて競い合います。
第4回となる今回は、「河北みらいプロジェクト」の一環として初の東北開催。8月18日(日)、開催地となる宮城県東松島市の元小学校KIBOTCHA(キボッチャ)には、全国12都道府県から中高生47名が集まりました。
「グランプリに選ばれなくて、悔しくてまた来ました」
「前回何もしないで帰っちゃったなというのがあって、今回は自分から発案して発言したいと思ってきました!」
初めてパワーオブイノベーション(POI)に参加する方もいれば、2回目、3回目の参加者もいます。
DAY1 現実社会を知る
1日目は、株式会社ウィズグループ代表取締役 奥田浩美氏によるキーノートスピーチからスタートです。
「正解は時代によって変わる。だからこそ、創造的破壊が重要」
「Be the Change!みなさん自身が変化になってください」
今回の参画企業は「イオンリテール」「JM」「山一地所」の3社。
参加者は3社から3日間のパートナーを1社選び、参加者同士でチームを組んでイノベーションとなる企画を制作、最終日にプレゼンをしてグランプリを決定します。
その会社で働く理由や、企業理念をどのように実現してきたか。これからどのようなイノベーションを起こしていきたいか。それぞれの企業や企業人に様々なストーリーがあり、それらが熱く語られました。
参加者はこの段階でパートナーになる企業を1社選び、企業ごとに3~5名のチームが作られます。1社につき4チーム、計12チームが結成されました。
この3日間、チームで取り組むミッションは、「企業のリソースを活用し、未来に光をもたらせ!」
①まだ世の中にないものであること
②実現するための方法や仕組みを具体的に描くこと
③イノベーションによって世界を豊かにすること
3つのポイントに沿って、イノベーション企画を考えます。
企業のリソースとは何なのか?どのようにそれを使ってイノベーションを起こすのか?
企業資料を読み込んだり、ネットを用いた調査をしてみたり。ブレインストーミングを行ってアイデアをぽんぽん出していきます。ワークシートに書き込んだり、アイデア同士を組み合わせるゲーム形式のワークをしながら、それぞれのチームが思い思いの企画をつくりあげていきました。企業ファシリテーターやスタッフも伴走しながら、ともにイノベーション創出を目指します。
DAY2 イノベーションの力で未来に光を!
2日目は法政大学大学院 教授・一橋大学イノベーション研究センター 特任教授 米倉誠一郎氏の講義から始まりです。
「きみたちと同じ世代の人たちが世の中を変えてきた」
「イノベーションは爆発だ」
米倉教授も同じ目線で混ざって話をしたり、企業人と参加者とが輪になってミーティングをしたり。これまで練り上げたアイデアや企画を、勇気を持って白紙に戻すチームも。どんどん企画を深めていきました。
これをやることで、一体誰が喜ぶのか。
関わる人たちはどのような思いで、どうやって実現していくのか。
「このままではいけない!」とこれまでのものをすべて白紙にして、いちから考えなおしたチームもありました。
最終日の発表に向けて、自分たちが企画したアプリを実際につくってみたり、発表のしかたを工夫して構成を練ったり。遅くまで作業を続けるチームや、夜中2時に泣きながら企画を白紙に戻したチーム。様々なドラマがありました。
DAY3 最終プレゼンテーション!
3日目、とうとうむかえた最終日。
まずは1st ステージで、全12チームが3社それぞれ企業人に向けて発表します。企業ごとに選ばれた2チーム、計6チームが2nd ステージに進出。2ndステージでは審査員による審査で「グランプリ」が、全員の投票によって「オーディエンス賞」が、それぞれ1チームずつ選ばれます。
「企画作成が昨日の夜12時にやっと終わったような感じで、本当にさっきまで作っていた」
「始めはアイデアが全然出てこなくてどうしようと思っていたのに、前日に急にぽんぽん浮かんできて、ようやくまとめることができた!」
これまで参加者とともに考え、悩んできた企業人たちの審査も真剣そのものです。
どのチームの発表も魅力的。審査も話し合いに話し合いを重ね、ついに2ndステージへ進出する6チームが決まりました。
2ndステージ進出チーム
・(JM)イマちゃんs
・(JM)チーム名を書こう!
・(イオンリテール)KYDY
・(イオンリテール)トップバリュー!
・(山一地所)ゴー
・(山一地所)チームG
「チームのメンバーと意見がぶつかりあって、つくって白紙に戻してを繰り返しながらここまできた」
「みんなの価値観に触れて、自分の価値観が広がった」
「自分がわかればいいやではなく、周りのメンバーと話してよくしていくことができた」
午後はいよいよこの中からグランプリを決定する、2ndステージに突入です。
2ndステージでも審査は話し合いを重ね、とうとうグランプリが決まりました。
◆グランプリ
グランプリを受賞したのは、チーム「KYDY」。イオンリテールをパートナー企業とし、海外のAEONにいる自習室の利用者とテレビ電話を通して会話ができるシステム「AEON ACTIVE LEARNING SPACE」を提案しました。中国、マレーシア、ケニア、ラオス、オーストラリア、タイなどすでにイオンが海外に進出しているため、その中に自習室を作って会話ができるようにする企画です。
審査で評価されたのは、すぐにも実現できそうと思わせるくらい作り込まれていて、説得力があった点。本質的で求められていることであり、今あるものに手を加えたら実現できそうだというところがイノベーションの光として審査で評価されました。
◆オーディエンス賞
オーディエンス賞を受賞したのは、「チームG」。山一地所をパートナー企業とし、限界集落の閉村サポートと、地域コミュニティづくりの2つの案を提案しました。
ネガティブに思われる閉村を前向きにとらえるという視点や、1つの発表におさめきれなかった溢れ出る地域愛が多くの人の心を動かしました。
「ブレストでも数が出なくて、アイデアがでないことが何回もあって。どうしようって思っていたのですが、昨日の夜にはっと思いついて、思いついたらどんどんアイデアがでてきました。他のチームより濃くなくて不安もあったけれど、今日やってみたらグランプリまでこれて、自分たち天才なのかなと思いました(笑)。またこういう機会があったら参加したいです。」(女性 高校2年生 宮城県)
「前回参加したときは中3の終わりだったんですけれど、そこで人生が本当に変わって。今中学校のときとはまったく180°違う道を歩いています。みなさんもこの機会をきっかけに新しい自分を見つけてみてください。前回準グランプリいただいて、今回オーディエンス賞いただいたんで、次回はグランプリとるので、みんな見に来てください!お願いします。」(男性 高校1年生 千葉県)
「全然つめあと残せなかったのが本当に悔しい。次も参加しようと思います!」(女性 高校1年生 宮城県)
「こういう場に来る人って本当に遠くから来る人もいて、発想もすごくて面白いやつが何人もいてすごい楽しかった。こういう人とだったらもっとなんか面白いことができるんだろうなと思える人が何人もいたので、行動を起こすときがあったら手伝ってください!」(男性 高校1年生 北海道)
参加者に触発されて、企業人やスタッフも多くの刺激を受けました。
「こうしたいという想いが、私もあふれていたのに、と思い出しました。社会人になって4、5か月しかたっていないのに、初心を忘れていたことに気づかされました」
「すごい感動をたくさんいただきました。自分も触発されて、なんか自分もできるんじゃないかな、会社に帰ってイノベーションを起こせるんじゃないかなという気になっています」
ご参加いただいた皆さん、企業や関係者の方々、スタッフの皆さん、熱い3日間を本当にありがとうございました。
これからも、未来を創造するイノベーションを、一緒に起こしていきましょう。
▼これまでのPOI開催レポート
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