【開催レポート】大阪の先生向けイベント:ナレッジカフェ vol.15「『自己探求』を活かした組織づくり」を開催しました

2025年5月10日(土)、教育と探求社が主催する「ナレッジカフェvol.15」が、大阪・金蘭会高等学校・中学校のウィステリアホールにて開催されました。
「ナレッジカフェ」とは、教育に関わる方々にさまざまな出会いを提供する場として教育と探求社 大阪営業所が定期的に開催しているイベントです。答えのないテーマに対してゲストや参加者が共に語り合うことで生まれる学びを大切にしています。
本イベントは、これまではグランフロント大阪にて開催していましたが、今回は中高生の参加も促す目的で、会場を学校に移しました。100名を超える大人と生徒が一堂に会してディスカッションするという、素敵な空間が生まれました。
生徒が“もてなす”迎えの空間
当日は、会場設営や運営を金蘭会高等学校・中学校の生徒たちが担い、来場者を温かく迎え入れる“おもてなし”の空間として整えてくれました。
開始前には茶道部が本格的なお茶をふるまい、来場者の心をほぐす時間をつくってくれました。その後、演劇部の生徒たちによる丁寧な校内案内があり、普段から培われているお茶や華道を通じて身につけた、静けさ・気配り・間の感覚といった「所作に宿る学び」を、私たちにも届けてくれたのです。
このおもてなしの時間は、イベントが始まる前の私たちの心を自然と整え、落ち着かせるきっかけとなりました。特別な演出ではあるものの、それが“普段から当たり前にある姿”であることに、心動かされた参加者も多かったのではないでしょうか。

パネルディスカッション:自己開示が組織を動かす
前半は、金蘭会学園副理事長の平川理恵さんと教育と探求社 代表取締役社長 宮地勘司との対話を通して「組織づくりにおける自己探求の重要性」について参加者と共に考えました。
平川さんは、広島県教育長時代から現在に至るまで「なぜ先生になったのか?」という問いを入り口に、先生との面談や対話をされており、そのエピソードを通して「自己開示」することの重要性を熱く語っていただきました。
会社や学校、職員室など組織はいろいろありますが、互いを知らぬまま、進み出していませんか?
自分のことを知り、組織にいる仲間のことも理解した上で、目的に向かって皆で進んでいくとなると、どんな難しいことも可能になるような気がします。
宮地は、そうした組織(関係性)づくりのために開発した、弊社のプログラム「MY STORY(マイストーリー」の意図について説明。日経新聞の人気連載「私の履歴書」を書く前段階として、自分自身について知ることの意味に焦点を当てお伝えしました。
お二人の対話のあと、参加者からの質問を募ると次々に手が挙がりました。それぞれの質問に対して、平川さんと宮地は、飾らない言葉で率直かつ丁寧に回答。
真摯に向き合うその姿勢に、会場では共感のうなずきが広がり、ときに鋭い視点も飛び交うなど、組織づくりをめぐる対話はさらに深まっていきました。
中でも、生徒が自ら学校への想いや疑問を語った場面は、多くの大人の心を揺さぶり、まさに“共に学び合う”というナレッジカフェの本質が体現された瞬間でした。

プログラム体験ワーク:涙と感動の「マイストーリー」
後半は、参加者全員で「MY STORY(マイストーリー」の体験版に取り組みました。
MY STORYとは
「自分との出会い直しの旅」をテーマに、過去の自分と対話しながら“自分自身の物語”を紡いでいく探究プログラムです。記憶をたどり、軸を探し、物語として自分史を編集し、朗読する。このプロセスを通じて、自らを変え続ける力を育みます。
初参加の生徒・先生・企業の方々が、それぞれの自分の物語を語り合う時間となりました。生徒たちのまっすぐな自己開示に、思わず涙を流す大人の姿も。生徒と先生が共に語り、互いを知ろうとするその姿勢は、これからの教育現場や組織づくりに新しい光を投げかけてくれました。
生徒の感想発表がとても素晴らしく、飾らない純度の高い言葉は参加者の心を大きく揺さぶりました。

アンケート結果からも、体験の深さと学びの広がりが伺えます。
【ー参加者の声ー】
魂を揺さぶられました。モチベーションの源泉を深掘るワーク、お互いの自己開示、最高でした。高校生の変容も間近で感じることができてすばらしかったです!(高校教員の方)
やはり、生徒たちの積極的な参加。大人とか子どもとかではない、教育トークを赤裸々にぶつける場は貴重すぎました。(高校教員の方)
魂、と仰っていましたが、まさに魂を見せ合える、だから心動かされる、そういった体験をこの短時間でできたからです。(企業の方)
皆さん、それぞれの人生があって色んな経験をしているんだと思ったり、その話を聞けて人生「自分が主人公なんだ!」と思い、これからの人生がより楽しみになりました!いい体験ができて良かったです!(高校生)
今回は教育に思いを持つたくさんの方にご参加いただき、会場はかつてないほどに熱量の高いイベントとなりました。
「自己探求を活かした組織づくり」をテーマに掲げ、先生方、自治体や企業の皆様、そして生徒たち——つまり、“私たち”一人ひとりが、目の前の「組織」に対して当事者意識を持って関わることで、教育の未来はきっと変わっていく、そんな想いを込めてイベントを企画しました。
ご参加いただいた皆様、そしてこの記事を読んでくださった皆様にとって、この時間が少しでも明日からの組織づくりのヒントになっていれば幸いです。

今回の会場である、金蘭会高等学校 ・中学校のHP
https://www.kinran.ed.jp/
今回行った弊社の進路探究コースのプログラム「MY STORY」
自分の人生を「物語(マイストーリー)」として執筆し新たな視点で過去をとらえ、自らの人生を探求していくプログラム「マイストーリー」
https://quest.eduq.jp/mystory/
次回予告
次回のナレッジカフェでは、ゲストに 香里ヌヴェール学院中学校・高校 校長の池田靖章さん、そして今回登壇いただいた、金蘭会学園副理事長 平川理恵さんをお招きして、「問い」×「教育」をテーマにしたワークショップを開催します。

【ナレッジカフェ vol.16「問い」からはじまる、未来の教育づくり イベント概要】
<日程>
2025年7月19日(土) 15時30分〜18時00分(受付開始15時00分)
<会場>
千里金蘭大学 (大阪府吹田市藤白台5-25-1)
阪急千里線「北千里駅」下車、徒歩約10分
<申込方法>※参加費は無料です
https://info.eduq.jp/form/KC16_20250719
詳細はこちら
https://eduq.jp/news/knowledgecafe16/
【お問い合わせ先】
教育と探求社 大阪営業所(osaka@eduq.jp)
次回も生徒の参加が可能です。今回の繋がりをさらに広げ・深める場となることを参加者と共に目指します。