開催報告:コーポレートアクセス2025キックオフミーティング
教育と探求社が開発・提供する探究学習プログラム「クエストエデュケーション」の主要プログラムの一つである企業探究コース「コーポレートアクセス」について、2025年度のキックオフミーティングが、5月21日(木)に実践女子学園中学校・高等学校(東京都渋谷区)で開催され、参画企業の担当者とクエストエデュケーションのコーディネーターが一堂に会しました。

このキックオフミーティングは、「探究」という学びを通じて、次世代とともに企業が未来を創造する「コーポレートアクセス」の社会的意義を共有し、それぞれが自社、そして仕事そのものについて、探求を深めていくことが目的です 。
プログラムの内容理解を深めるとともに、企業の皆さんがこれから始まる学校訪問の準備を整えるため、以下のような取り組みを行いました。
第1部:オープニング:チェックイン 〜プログラム紹介と共通ゴールの共有
第1部のオープニングでは、参加者全員が「中学・高校時代に本気になったこと」を共有するチェックインセッションからスタート 。和やかな雰囲気の中で、自己紹介を通じてお互いのことをより深く知る時間となりました 。

続いて、代表の宮地勘司が、本プログラムのビジョンについて語りました 。企業ごとにコーポレートアクセスに参加する目的は異なっていますが、関わるすべての人の「創造性を耕す」ことが大きな共通のゴールです。今の日本に必要な「創造性」を賦活することがとても重要。生徒は探究学習を通じて、関わる企業人は生徒の学びを支援することを通じて、それぞれの創造性を育んでいこうと呼びかけました。


第2部:模擬授業 :グループワークを通じた企業理解と生徒体験の共有
「コーポレートアクセス」は、生徒が企業へのインターン体験を通じて企業活動や働くことについて学ぶプログラムです 。カリキュラム前半は、フィールドワークやアンケート調査などの実務に取り組み、後半では、企業から与えられたミッションに対して自分たちなりの答えを出していきます。第2部では、参画企業の皆さんに「コーポレートアクセス」のカリキュラムの一部を、生徒の立場になって体験していただきました 。これは、生徒の学びのプロセスやリアルな気持ちを体験することで、単なる知識の授受を超えた”生成的な学び”について理解を深めてもらうことを目的としています 。

グループワークではまず、自社以外の企業を選び、インターン生としてその企業について調査をします。選んだ企業の商品やサービスについて良い点や気になる点、社会的影響などをまとめて、他のチームに発表しました。3分の発表に対して、それを聴いたチームは質問し、活発なやり取りが行われました。「自分の会社でもないのに、ちょっと調べて発表しただけでその企業に興味が湧いてきたり、質問されると嬉しくなったり、誇らしくなったりしました」と感想をくださる企業人もいました。

第3部:リフレクション :振り返りと今後の学校訪問に向けた連携強化
第3部では、グループワーク後のリフレクションの時間として、参加者一人ひとりが、今日の体験を通じて何を感じたのか、なぜそう感じたのかを深く掘り下げました 。最後に「生徒に関わるときに大切にしたいこと」について自身の考えを整理し、共有しました 。この最後の問いに思いを巡らせることで、「コーポレートアクセス」を通じて生徒たちとどう関わっていくのが良いのか、自分自身のあり方について、イメージがもてたという感想を聞くことができました。
参加された企業担当者の皆さまからの感想
参加者からは、これからの一年に期待する感想をお寄せいただきましたので、いくつかご紹介します。
実際に体験することで、生徒の心情がどのように変化するのかが分かるとともに、企業側はそれに対してどう対応すれば良いのか考えるヒントが得られました。貴重な経験をありがとうございます。
純粋にワークが楽しかったです。社会人になってから、他社のことをこんなに熱心に調べることがなかったので、ワクワクしました。普段出会わない他業種の会社さんと一緒にこの活動に取り組むことで、未来の人材育成にかかわっていきたいと思います。
やっと導入が実現して嬉しい気持ちでいっぱいですが、同時に、子どもたちの人生にも影響を与えるかもしれない、社会的にも大きな意義のあるプロジェクトに関わっていくんだ…という緊張感もあります。1年間、皆さんとご一緒できること、本当に心強く思っています。どうぞよろしくお願いします。
参画する目的は会社にとって様々かと思いますし、コーポレートアクセスに対する経験値もそれぞれの中でしたが、1つの目的に向かって協働して集中するなかで、各社担当者の皆さんの熱意や前向きな姿勢を感じることで、当社のメンバーも刺激を受けたのではないかと思いました。また、実際の学校というロケーションで実施した点も非常に良かったと思います。このような機会を設けていただき、ありがとうございました。
まとめ:未来を創る仲間たちとの新たなスタート
今回のキックオフでは、企業人が、”生成的な学び”を体験しました。自身の経験や考えを話し、それに真摯に耳を傾けることで、新鮮な刺激を受ける貴重な時間となりました。「コーポレートアクセス」への理解を深め、「創造性を耕す」ことの価値や意義を感じ、次世代の人材育成という共通の目標に向けて共に歩き出します。
教育と探求社は、今後も学校と企業、企業同士の垣根を越えていく越境的な学びの体験を提供していきます。ものの見方、考え方が揺らぐ体験を通して、関わるすべての人が新たな可能性を開くことを支援していきます。
【企業探究コース「コーポレートアクセス」とは?】
「コーポレートアクセス」は、弊社が開発・提供する探究学習プログラム「クエストエデュケーション(通称クエスト)」の、創業時からのメインプログラムの一つです。「企業と共に未来をつくる」をコンセプトに、中高生たちが実在する企業のインターンシップをそれぞれの学校の“教室”で体験します。働くことの意義や経済活動について学習しながら、自分たちの手で未来をつくり、そして自分と世界の見方が変わるような学びを目指します。参画企業は、インターンシップ先企業として実際の授業に参加し、生徒の学びに約1年間かけて伴走します。
【2025年度コーポレートアクセスに参画する企業(五十音順)】
イオンリテール/いちご/オカムラ/キモノハーツ/鴻池組/サントリーホールディングス/大和ハウス工業/テクマトリックス/日清製粉グループ/パナソニック エナジー/富士製薬工業/レゾナック・ホールディングス