【中高生が「株の力」について考え、プレゼンテーション】三菱UFJモルガン・スタンレー証券社長「お金を増やすこと、株に投資することは目的ではない。それによって、何を叶え、実現していきたいかを考えて欲しい」
三菱UFJモルガン・スタンレー証券と教育と探求社が共同で開発した金融経済教育プログラム「株の力」。2014年度に開始して今年(2024年)で11年目を迎えます。 今年度の下期(2023年8月~12月)において、プログラムに取り組んできた中高生たちの成果をプレゼンテーションするお披露目の会が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長をはじめとする同社役員の方々、そして教育と探求社のメンバーが参加して、同社の本社会議室(東京都千代田区)にて、2023年12月28日(木)に開かれました。
教室で体験するインターンシップ 金融経済教育プログラム「株の力」とは
中高生が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の「インターン」になったつもりで、最前線で働く“先輩”社員からのレクチャーやチームでの対話をもとに、「株の力」について学んでいくプログラムです。株と新聞を「教材」にし、世の中を大きく動かす「株」とはどういうものか、証券市場や証券会社の機能・役割などについて新聞広告のスタイルにまとめます。
同社と教育と探求社が共同で開発し、2014年度から提供を開始。学校には無償提供しています。
*お問い合わせ:教育と探求社「株の力」担当( bi@eduq.jp )
開会に先立ち、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 南里広報部長よりご挨拶
「『株の力』は10年目になりますが、皆さんに株を知っていただくこと、ディスカッションを通してチームワークを学んでいただくこと、そして三菱UFJモルガン・スタンレー証券の社員と出会って働くことの楽しさを感じていただくこと、それらを目的にこちらも準備してきました。先ほどから練習されている様子を見ると、とても緊張されていることが伝わってきますが、ぜひ楽しんでください。頑張ってください!」
各チームの発表
4校(全5チーム)が発表した広告とそのコンセプトを、プレゼンの一部とともにご紹介します。
1.帝京高等学校(高2) チーム「ルネット」
チームのプレゼンから
多くの人は人は株に対して難しいイメージを持っています。「損をする」「大金が必要」「難しい」というイメージで株を遠ざけています。私たちもそうでした。しかし、株への投資は時に夢やアイデアを現実にする手段になります。無数にあるアイデアを実現したり、株を通して誰かを応援したりすることができます。
このポスターで表現された手が形どる豆電球の中に、ポスターを見た人に伝えたい想いを込めました。株は夢を見る力をくれたり、夢を諦めないという選択肢をくれます。「すべての夢(アイデア)にチャンスを」。
2.山脇学園中学校(中3) チーム「松子部(まつこぶ)(A組)」
チームのプレゼンから
株によって利益をあげれば、たくさんの人を幸せにすることができます。さらに利益が増えれば、さまざまな人の夢を応援することが可能です。株は小さな希望を大きな夢へと育てることができますが、リスクと考える人も多いです。
そこで伝えたいのは、株は500円から始まる「まるでコインランドリー」ということです。私たちの生活の中で500円でできることで思いついたのが、コインランドリーの利用でした。洗濯をするように日常生活の中で気軽に株を取り入れて欲しいと思いました。500円、つまり1コインで世界を支えて、大きな夢を持つことができます。
3.山脇学園中学校(中3) チーム「9太郎(きゅうたろう)(C組)」
チームのプレゼンから
株は身近にあり、そして社会を発展させることにつながる、ということを伝えるためにこのポスターで表現しました。キャッチコピーは「手軽に株活 スマホ一つで発展に」です。
株式投資をすることで、将来社会を支える会社を作り、世界を変えるかもしれません。スマホ1つで投資ができる時代の今、ぜひ投資を始めて欲しいという願いを込めました。ポスターの中の絵は、スマホで会社を発展させることができるというイメージを表現しています。
4.江戸川学園取手高等学校(高1) チーム「株で助け隊」
チームのプレゼンから
インターネットで調べると、「株は誰にでも手を出せるものではない」という印象を多くの人が持っていることが分かりました。だから、出来ないを現実に、株でチャンスを、ということを表現するため、キャッチコピーは「不可能を、現実に。」としました。そしてポスターのビジュアルイメージは、一見難しいことでも、誰でも実現できるということを表しました。
起業家、投資家、社会の3つの力を合わせることで、不可能を現実にすることができます。それにより、社会では新たな分野が発展し、経済を活性化していくことができると思います。
5.吉祥女子中学・高等学校(中2・高1) チーム「Dianthus(ディアントゥース)」
チームのプレゼンから
「大きな甘いカブを食べたい」という夢を叶えるために、頑張ってカブを育てたおじいさん。でも、大きすぎて抜くことができません。それが、夢はあるけれどお金が足りない起業家をイメージしています。困っているおじいさんを助けるために、おばあさんからネズミまでがおじいさんをサポートします。それが投資家を表しています。このイラストは夢を形にする手助けとしての株式投資を表現し伝えています。おじいさんの夢を叶えるためにたくさんの人が協力する姿は、社会を変える誰かの夢やアイディアを実現するために、多くの人が投資をすることと根本的には一緒だと思います。
カブは1人では抜けません。社会を変える大きな夢も1人では叶えられません。だから「株の力」でうんとこしょどっこいしょと後押しをします。
最後に主催者からの講評
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券 浜田副社長
「皆さん、それぞれ印象に残る素晴らしいプレゼンテーションでした。5分という時間の中で、ストーリーがありメッセージが伝わる素晴らしい楽曲を聞いたようで、心より感動しました。
ビッグデータ的に分析すると、「難しい」「身近」「夢」「社会」の4つの言葉が最も多く出てきたと思います。これはまさに、株式投資の難しく近寄りがたいイメージと、自分の夢を叶えながら社会に貢献するという株式投資の意義を分かりやすく表しています。
皆さんはとても頼もしく、将来の証券業界は明るい(ぜひ証券会社に入っていただきたい)と感じました。」
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券 小林社長
「株やお金というのは、たくさんあった方が良いですよね。株は危ないもの、難しいもの、というイメージもあるけれど、やっぱり投資して株価が上がった方が良いでしょう。でも、そればかりを望んでいるのではなく、それを目的としてもだめですね。」
「『お金をたくさん持ちたい』『株式に投資して上がって欲しい』というのは、自分の夢として持ってもらいたいです。でも、それ自体は目的ではなくて手段です。お金が増えることで何を実現できるか、というのが大事です。プレゼンの中に出てきた『株活』というのは良い表現だと思いますが、どうしてその株を推すのか、それによって何が実現できるのか、実現したいのか、これから将来歩んで行くときに考えて欲しいと思います。今日の皆さんのプレゼンを聴いて、十分分かってくださっていることも感じることができて、とても嬉しい思いでした。」
プレゼン後には社員交流会とディーリングルーム見学を実施
緊張のプレゼンを終えた後、生徒たちは三菱UFJモルガン・スタンレー証券の社員の方々との交流会に参加し、ディーリングルームの見学もさせていただきました。
事後のアンケートでは、生徒のほぼ全員が交流会や見学について「大変満足だった」と回答し、「どのようにして投資の世界に入ったのか、また入っていくためにはどのようなことが必要なのかを知ることができ、とても有意義だった。また、見学では英語表記のテレビや外国時間の時計など外国のもので溢れていて、実際の雰囲気を見られてとても良かった。」「一緒に話すことのできた社員さんがとても話しやすくて、質問にも分かりやすく答えていただいて嬉しかった。株や将来についての雑談もできて楽しかった。」などの感想が聞かれました。
参加生徒からのお声
・株は自分にとって難しいものだと思っていて避けようとしていた道でしたが、実際株について学んでみてこんなにも気軽にできるものなんだと感動しました。証券会社を見学させていただいた時、時計の時刻が日本の時間ではないことに気づいてそこからもう既にかっこいい!と思ってしまいました(笑)証券会社に興味が出てきたので、英語も頑張りつつ経済関連を学びたいなと思いました!
・株に対して怪しいイメージがあった私が、今回の取り組みを通してむしろ投資をしてみたいと思えるなんて想像もしていませんでした。勉強しても、まだやはり難しいというイメージがあったけれど、最後の社員さんとの会話でこんなにもフレンドリーな人がここで働いているんだと親近感が湧いて、今はあまり株を難しいとは感じません。無意識に遠ざけているものを知ることの大切さを感じました。
・今回、株についての知識を増やすという大きな目的の他に、自分の学んだことをどうやって人に伝えるか、伝えたいことをいかに分かりやすく説明できるかなど、自分のプレゼン力を上げることもできたと思います。他の人の発表を聞いて、根本的な伝えたい事は同じなのに、こんなにも感じ方や伝え方が異なるものかと思うと、とても面白かったです。
参加教員からのお声
・毎年、このような貴重な機会を与えていただき、ありがとうございます。今回、本校としては久しぶりのリアル参加となりました。やはり、社長を始めとする社員の皆さまの前で実際にプレゼンする経験は、かえがたいものと感じました。他校さんの発表から得られる刺激も多かったと思います。
・生徒は校外の方々との交流や、発表の機会を得る事で成長していきます。ぜひこのようなプログラムを継続していただけると幸いです。