【中高生が「株の力」について考え、プレゼンテーション】三菱UFJモルガン・スタンレー証券小林社長「投資することは目的ではない。投資することによって、何を生み出して、何を実現したいかをぜひ考えてほしい」

三菱UFJモルガン・スタンレー証券と教育と探求社が共同で開発した金融経済教育プログラム「株の力」。2014年度に開始して今年でちょうど10年目になります。今年度も、プログラムに取り組んできた中高生たちの成果をプレゼンテーションする発表会が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林社長を始めとする同社役職員の方々、そして教育と探求社のメンバーが参加して、リアルとオンラインをつなぎ7月に開かれました。

6校(全7チーム)が発表した広告とそのコンセプトを、プレゼンテーションの一部とともに紹介します。

教室で体験する金融経済教育プログラム「株の力」とは

中高生が三菱UFJモルガン・スタンレー証券の「インターン」として、株式と新聞を「教材」に、世の中を大きく動かす「株」とはどんなものか学びます。最前線で働く“先輩”社員からのレクチャーやチームでの対話などをもとに、証券市場や証券会社の機能・役割を「新聞広告」のスタイルにまとめます。同社と教育と探求社が共同で開発し、2014年度から提供を開始。学校には無償提供しています。 

*お問い合わせ:教育と探求社「株の力」担当( bi@eduq.jp)

開会に先立ち、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 山本常務よりご挨拶

「株の力は世界を動かす大きな力だと思います。そこに皆さんに触れていただくことで、証券会社としてお役に立てればいいなと思っています。『株の力』を表現するプレゼンテーションを楽しみにしています!」

各チームの発表

1.「夢への切符、つかみませんか?」 豊島岡女子学園中学校(中2) チーム「We are green glass」

チームのプレゼンから

「起業家は自分のやりたいことや社会に必要だと思っていることを叶えらえれます。投資家は将来性があると思う企業に投資し、自分たちの利益も増やすことができます。そして起業家と投資家の株によるコミュニケーションにより社会がより豊かに、より便利になります。株とは、そんなそれぞれの夢へと進む切符のようなものです」

「社会の夢も皆さんの力で叶えることができる。なので『夢への切符、つかみませんか?』というキャッチコピーにしました」

2.聖学院高等学校「柳沼 友樹(個人)」(高2)

本人のプレゼンから

「株そのものに興味がある人が少ないと感じています。だから株について知って欲しいという思いをこめて、このポスターを作りました」

「木を見た時に枝や葉には目がいくが、根っこにある株にまだ気づいていない。根っこにある株とインターネットをかけ合わせ『根ットの中にある、まだない可能性を発掘せよ。』というキャッチフレーズにしました。自分を進化させる素晴らしい株の可能性を、ぜひ皆さんに発掘してほしいという願いを込めました」

3.広島市立船越中学校(中2) チーム「ふなっきーず」

チームのプレゼンから

「広告には巨大なスプーンのデザインを採用し、新しく起業したい、もしくは事業を拡大したいけれど資金的に難しい企業を助ける(救う)という意味を、巨大なスプーンで表現しています。この巨大なスプーンこそ株の力をあらわしています」

「株式は今の社会をより良くしたいという人々の願いが込められたものです。企業として製品開発をしながら、社会を良くしたいと思っている人、それを株式投資という形でエールを送る人など立場は様々です。最初はほんのひとすくいかもですが、そのひとすくいが社会全体につながっていると考えたら、夢は大きいと思います」

4.東京電機大学高等学校 (高2) チーム「東京でん子」

チームのプレゼンから

「誰もが株の力で、何にでもなれるということを伝えています」

「起業とは男性がするものという印象があり、株主とはお金持ちの優れた人がなるというイメージがあるかもしれません。しかし株の力があれば、年齢や性別、国籍など関係なく、誰もがやりたいことが実現できます。そして株があれば、誰かが誰かのやりたいことに共感し、支援することもできます。私は皆さんの『始める』を応援したい、そんな思いを込めて作りました」

5.愛西市立佐織中学校 (中3 ※授業実施時は中2) チーム「焼きおにぎり」

チームのプレゼンから

「株と聞いて食べ物の蕪(かぶ)を想像する人がいると思います。最初は自分たちもそうでした。でも今はお金のことだと伝えています。株というお金のすごさがわかるような言葉にして、未来の投資家の皆さんにとって印象に残る言葉で表現しました」

「株には世界を変える力があり、それは自分の未来を変えられることも伝えています。新しく成長しそうな分野や社会的に必要とされている分野に大きな資金を集めることで、経済を活性化させ、社会を変えていくことができます」

「自分が未来を変えるってかっこいい、ということを伝えていきたいです」

6.中村高等学校(高2) チーム「ダンブルドワーズ」

チームのプレゼンから

「皆さんはプレゼントは何が欲しいですか?コスメですか?ゲームですか?」「私たちがおすすめするのは、株です」

「私たちが企業のサービスや商品を投資で支援することにより、その投資で成功した商品は、日本中、世界中の人々が知るようになり、より良い生活ができるようになります。

つまりそれは私たちがプレゼントを受け取るだけでなく、プレゼントする立場にもなるということを伝えています」

「株は日本中、世界中にプレゼントできる最高の手段です。将来性を感じたら、ちょっとずつでも社会を変えることができます。社会&世界に向けてプレゼントを贈りませんか?」

7.東京電機大学高等学校 (高2) チーム「アンコモンズ」

チームのプレゼンから

「株は身近なものであり、難しそうというイメージを払拭したい。そんな思いから、この広告を見た人が株をやってみようと思えるように、株を『推し活』と表現しました」

「『推し活』とは、自分の好きなモノやコトを全力で応援すること。『推し活』というワードを使うことで若者をはじめ、多くの人に関心を持ってもらい、投資を避けている人にも投資を身近に感じてもらえたらと思っています」

「メインビジュアルは投資の株を野菜の蕪で表していて、女子高生が水を与え、根をつたって、蕪(株)を育てます。企業に投資することで、大きく成長して、様々な産業や社会がよりよく発展していくということを表しています」

最後に主催者からの講評

・教育と探求社 宮地社長

「とっても素晴らしい提案ばかりでした!皆さん、プレゼンがとても上手!パッションがあって、本当に伝わってきました」

「プレゼンの良い所を3点でまとめると、1.株の本質を構造的に理解をしている。2.言葉&ビジュアルのセンスがいい。3.独創性がある」

「『クリエイティブは危険な行為である』と言うように、新しいことやクリエイティブなことをしたり言ったりすると、何をやっても反対意見が出てくるもの。それでも今の時代は、それを乗り越えて自分の意見を伝えることが大切です。それが出来ている皆さんは本当に素晴らしいです」

・三菱UFJモルガン・スタンレー証券 小林社長

「皆さん、それぞれのチームの健闘に拍手しましょう。全てのチームが一番と思うくらい、株について真剣に考えてくれたことが心から嬉しいです」

「世界の皆さんと同じ年代の人を見ると実はもっと進んでいて、特にアメリカやヨーロッパでは、同世代が株式投資をはじめとした資産形成について真剣に勉強をしています。日本や世界の動向を知り、経済の仕組みを理解するためにも今回勉強したことをさらに推し進めていって欲しい」

「株に投資することは目的・目標ではない。株に投資することによって、何を生み出して、何を実現したいかをぜひ考えていってください。お金と株と上手に向き合って欲しい。そうなれば証券会社の社長としてとても嬉しいです」

プレゼン後には社員交流会

緊張のプレゼンテーションを終えた後、生徒たちは三菱UFJモルガン・スタンレー証券の社員の方々との交流会に参加しました。株や証券会社についてのお話だけでなく、社会人の先輩として進路やキャリアについてもお話できたようで、参加生徒たちからは「普段社会人の方に質問することがないのでいい経験でした」「社会人の方に話を聞けて、夏休みに活かせそうなことがたくさんありました」との感想が聞かれました。

参加教員からの声

・他都県の学校と一緒に発表させていただき、本社の方からご講評をいただいたのは本当にいい経験になりました。また社員の方から直接「働く」ということについて、お話いただけたのも大きな体験となったと感じています。

・生徒は「お金に余裕がある=銀行に貯金」としか思っていない狭い価値観の中で、今回の「株の力」の取り組みは生徒にとって目から鱗状態だったのではないかと思います。そして、その株を実際に取り扱うプロフェッショナル(証券会社)の方々に授業をしていただくというのはものすごく刺激になりました。また、プレゼンを身内だけでなく、本社の方々に行うことができるというのは、他では出来ない経験だと思います。貴重な経験をいただきありがとうございました。

・金融経済教育は学校のみで完結させると実体を伴わない語句の記憶作業のみに終始してしまうが、実際に他者に対して成果物を作ることにより、相手に理解してもらうには・・・伝わるように表現するには・・・という視点が入り、自分ごととして捉えることができるのが素晴らしい点だと認識しています。

・中学生チームもございましたが、金融の深い部分まで理解をしていて、すごいなと感じました。日本では「金融経済教育=子どもには難しい、子どもには早い」という認識がまだあるように思いますが、それは大人たちがそう思っているだけなのだと感じました。 今後もこのようなプログラムを通じ、生徒とともに生の経済の動きを感じながら、学びたいと思います。