2022年10月11日
おはようございます。
教育と探求社の宮地勘司です。
ある都内の私立学校の校長が、塾向けの説明会で
「探究で学力が伸びて進学もできる」
と語ったところ、参加していた塾の方から、
「そんな話は初めて聞いた」と言われたそうです。
私はそのコメントに、まさか、今の時代に
探究活動と進学実績にはなんの相関もないと
考えておられる人がいるのか、と驚きました。
探究で、生徒の主体性が立ち上がり、
学ぶことの意味や意義を自らみつけ、
内なる意欲に火がつけば、教科の学習も、大学受験も、
楽々とこなしていくと私は考えています。
実際にそんな事例に、これまで何度となく
出会ってきました。
私たちが生きるこの世界は、
本当は教科には区切られていません。
あまりにも複雑すぎるこの世界を、
ある一定の視点や考え方で切り分けると
世界は突如、秩序を持ったもの、意味あるものとして
私たちの前に立ち現れます。
この切り分けるナイフが教科です。
こどもたちが効率的かつ効果的に世界を認知するには
教科というナイフはとても有効なものです。
しかし、切り分けられた断片の一つひとつを
さらに細かく分析、吟味、理解しようとしていくうちに、
そもそも、それは何のためにやっているのか、
全体性を見失い(あるいは最初からわかっておらず)
テストでいい点を取ること以外の目的が見いだせなく
なってしまいます。
教科のナイフを一旦脇に置いて、そもそもそこにある
まるごとの世界にダイレクトに向き合い、
自分なりの視点と考え方で切り分け、再編集してみよう
というのが、いわゆる「総合」の学びであり、
さらにそこに、生徒自身の意思や意欲のエンジンを
駆動するものが「探究」なのだと私は考えています。
実際に、クエストでは様々なことが起こっています。
「金魚は自分が飼われていることを知らない」という
発見から、もしかしたら自分たちもそうかもしれない
という考えに思い至り、自らの思考の枠の外に出る
体験ができる「考えるテーマパーク」をテレビ東京に
提案する生徒。
ぽて島(とう)という洋上で農業ができる船を設え、
世界中を回ることで貧困国の飢餓を救い、農業の
技術移転も行うというプランをカルビーに提案する生徒。
まさに教科の枠を軽々と飛び越えた総合的な探究の学びです。
アクティブラーニングではなく
アクティブラーナーを育てること
野性味あふれる骨太の知性を育むことが
今こそ必要なのではないでしょうか?
混沌とした社会に光をあて、未来を切り開くために。
そして、一人ひとりが幸せに生きるために。
教育と探求社
宮地 勘司
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弊社からのお知らせ
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1)
【先生向けワークショップを開催します】
10月22日(土)広島市にて、広島県公立大学法人 叡啓大学 とのコラボレーションワークショップを開催し、福岡営業所の菅澤想が、ファシリテーターとして参加いたします。叡啓大学は2021年開学の県立大学で、課題解決型演習など、社会課題の解決力を育む学びの場を提供しています。近隣の皆さまのご参加をお待ちしています。
■テーマ:大学での学びを起点に“探究学習”を考える
■日時:10月22日(土)13:30 〜 16:00
■会場:叡啓大学内
■お申し込み:https://forms.gle/rsKQyjpCzrnz59sR8
■詳細:https://www.facebook.com/educaquest/posts/567418328516747
■お問合せ:sugasawa@eduq.jp(教育と探求社 菅澤)
2)
【メディア掲載】
未来×エネルギープロジェクト、NHK北海道のニュースで紹介されました。
再生可能エネルギー発電企業「SBエナジー」と弊社が共同で開発したプログラム「未来×エネルギープロジェクト」で学ぶ、北海道白老町立竹浦小学校の5,6年生の皆さんの授業の様子です。https://eduq.jp/media/
NHK北海道 NEWS WEB記事はこちら
3)
【メディア掲載】
9月14日付埼玉新聞と、22日付東京新聞に、さいたま市立中の生徒が地元企業と取り組んでいる「さいたまエンジン」の記事が掲載されました。7月に浦和中学で、レンズメーカー「タムロン」の社員の方々と生徒の皆さんが、さいたま市の魅力や課題を話し合ったときの様子などが紹介されています。
https://eduq.jp/media-2/
4)
【New! note記事】
★クエスト経験者の大学生インタビュー「ぶっちゃけ、どうでした?」
https://note.com/questeduca/n/n52662c92cdfb
★先生が語り合うナレッジカフェ。初回は「そもそも探究は万能なのか?」と核心を突く議論が。https://note.com/questeduca/n/n3fe210df7c1e
★「対話」を学校づくりのベースにしている公立中学があります。石川県金沢市立西南部中学校。桶田恵里先生インタビュー。
https://note.com/questeduca/n/n5b9459e03250
★【株の力】中高生がプレゼンしました。三菱UFJモルガン・スタンレー証券社長「一言で言うと、ぜんぶいいね!」
https://note.com/questeduca/n/ndeb690877189
★千葉明徳高等学校(千葉県千葉市)で探究学習を担当する黒木和久先生にインタビュー。難産の末に出てくるものほど、尊いものはありません!
https://note.com/questeduca/n/n4f78759c6130
★クエストエデュケーションのnote記事一覧はこちらから