2022年06月14日

「教育と探求」Vol.131 2022/6/14 保護者に開かれる宝仙学園の試み

おはようございます。
教育と探求社の宮地勘司です。

 

先日、都内の私立校、宝仙学園の新たな試みに
お招きいただきました。

 

同校には「理数インター」という独自の授業があります。
教科の枠を超えた「答えのない学び」を通じ、
「理数的思考力」と「人とつながる力」を育む
ことが主眼に置かれています。

 

同校では、この学びの理念を
保護者も体験できる場を企画しました。
いわば「大人版・理数インター」です。
参加者を募ったところ、数時間で定員が
埋まったそうです。

 

土曜日の昼下がりに開かれた
初回の「大人版・理数インター」には
約30名の保護者のみなさんが集まりました。

 

まず、ドキュメンタリー映画
『Most Likely To Succeed』を鑑賞しました。

 

この作品は、米カリフォルニア州の高校
High Tech High が舞台。

 

AIやロボットが生活に浸透していく21世紀の
子どもたちに本当に必要な教育とはなにか、というテーマで、
同校での探究的な教育実践や
生徒たちの探求と成長の軌跡が描かれています。

 

シャイな女子生徒が勇気を出してオリジナル演劇の
ディレクターを務めることで自信をつけていく様子。
メカ好きな男子生徒が発表会までに
作品制作が間に合わず、それでも失敗体験を糧に
その先に挑んでいく姿。

 

私も、すでに何度かこの映画を見てきましたが、
子どもたちの意識が変わり、振る舞いが変わり、
顔つきまで変わっていくさまを目の当たりにするたびに
熱いものが込み上げてきます。

 

映画終了後、保護者はグループに分かれて
映画の感想や今の時代に必要な教育とは何か、
それぞれの思いを語り合いました。

 

「知らない事が次々と襲ってきた。
腹落ちできるまでに少し時間がかかりそう」
「今はない職業に就く子どもたちに
どんな学びや何を伝えていけばいいのか」
という戸惑いの声が上がる一方で、

 

「失敗しながらも模索する姿勢を年配者が
見せることが教育なのかと漠然と思いました」
という言葉も聞かれました。

 

High Tech Highの生徒の保護者たちも
受験偏重型教育と、生きる力を身につける実践的な
教育との間で、葛藤を抱えています。

 

答えのない時代の答えのない学びは、
内省し、仮説を立て、実証しながら
進んでいくしか道はありません。

 

学校で、こうした場が大人たちにも開かれる
ことの豊かさ、教育の未来への
うごめきを感じました。

 

教育と探求社
宮地 勘司

 

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教育と探求社からのお知らせ

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1)
【大阪営業所の開所式のご報告】

5月22日、弊社大阪営業所の開所式が開かれ、教育や企業、行政に関わる多くの方々にご参加いただきました。冒頭、宮地勘司・弊社代表のほか、宮北純宏所長を始め大阪営業所メンバー全員がご挨拶を差し上げました。
「生きててよかったと思える人を1人でも増やすのが弊社の事業の目的です。大阪営業所が、教育についても人生についても意見交換できる場になってほしいと願っています」(宮地代表)
「27年の教員人生で教育と探求社に出会い、価値観が大きく変わりました。皆さんと未来を作るため、大阪営業所をコミュニケーションのハブ的存在にしていきます」(宮北所長)
詳細はこちら https://eduq.jp/osaka/

<大阪営業所 概要>
所在地:〒530-0012 大阪府大阪市北区芝田2丁目8-11 共栄ビル3F
営業時間:平日・土曜 9:00-18:00
所長:宮北純宏
スタッフ:荒川由規、香取美海、中西 將之、原田怜子、平岡和樹、本田友美、松岡貞行(五十音順)
益々のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

2)
【先生も学ぼう。先生もつながろう。】

7/10締め切り
「21世紀ティーチャーズ プログラム」6期生を募集中!
教育と探求社代表・宮地勘司が理事を務めるティーチャーズ・イニシアティブでは、先生方が学校種や教科を超えて学び合うための研修を2015年より開発・提供してきました。
どうして教師になったのか? 原点を振り返り、学びをデザインする半年間のプログラムは、8月のキックオフ合宿でスタートです。是非、お申し込みください。
★プログラム詳細はこちらから
https://teachers-i.org/2022/04/22/2022-6/
★お申し込みはこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeKL7siuBIZq54LrBOEfrnSm14aEjLCtlTIGDJ4OZKNJewCow/viewform
★エントリー相談およびプログラム説明会はこちら→(6/19,23実施)https://forms.gle/kUUw1LMnagm66ra99

 

3)
【先生対象:6/16(木) 無料の探究学習プログラム「ソーシャルチェンジ・ファースト!」体験セミナー開催】

2022年度から高校で「総合的な探究の時間」が始まりました。
生徒が「自己の在り方生き方を考えながら,主体的・協働的によりよく課題を発見し解決していく」ことが求められる一方で、与えられた課題を生徒が黙々とこなすような授業になってしまっているのではーーとお悩みの先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
このたび、生徒が自律的に動き出す無料の探究学習プログラム「ソーシャルチェンジ・ファースト!」を体験いただくオンラインセミナーを開催いたします。
先生自身がプログラムを体験いただくことで、生徒が自律的に学ぶ探究のやり方・始め方を実践的に学べます。

日時:6月16日(木) 20:00~21:30
定員:40名
申し込みはこちら→ https://quest.eduq.jp/seminar2206/

 

4)
【中学校の先生向け:6/21(火)開催です。千葉県船橋市立坪井中学校の実践共有会】

職場体験、どうしよう…。
教育と探求社が開発した「インターン」は、教室でできる職場体験プログラム。コロナ禍の学校現場に、新たな職業体験のかたちをご提供してまいりました。
昨年度「インターン」を導入していただいた千葉県船橋市立坪井中学校の先生2人に、授業での「インターン」をどう活用したのか、その取り組みを報告していただく実践共有会を開きます。コロナ禍での職場体験やキャリア教育の実践事例を詳しく聞ける機会です。ぜひご参加ください。

日時:6月21日(火) 20:00~21:00
定員:40名
申し込みはこちら→ https://quest.eduq.jp/intern202206/

 

5)
【New! note記事】
★校長先生インタビュー企画:常翔学園中学校・高等学校(大阪市旭区)
「クエストをきっかけに、生徒も人生が変わった子が多いですし、先生も人生変わったと言う人が多いですし、その結果、学校も変わったし。そういう意味では『人生を変えるプログラム』だとずっと思っています」
キャリア教育や探究学習などを軸にした、先進的な教育で注目される常翔学園。その流れを進めてきた一人で、この春校長に就任した田代浩和先生にこの20年の生徒との思い出を振り返っていただきました。
(前編)https://note.com/questeduca/n/n66eabae2e3e8
(後編)https://note.com/questeduca/n/nec104c224148

職場体験にお悩みの先生必読!
昨年、コロナ禍で2年生の職場体験の受け入れ先が急減したさいたま市立大成中学校。
代わりに探究型の就業体験プログラム「インターン」を導入しました。生徒たちの様子はどうだったのか、能登亜希子先生に伺いました。今年度、職場体験を担当される先生方の参考になる記事です!
https://note.com/questeduca/n/ncbc6174dab51

★2月に開催したクエストカップ全国大会 2022出場チームの発表事例をまとめた記事を、どんどんアップしています! 生徒たちの発表をそのまま伝えるシリーズを、どうぞ。
https://note.com/questeduca/m/m2d350aff89d3

 



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