2022年05月10日

「教育と探求」Vol.129 2022/5/10 痛みを想像する “itami lab”

おはようございます。
教育と探求社の宮地勘司です。

 

教育と探求社は、日本財団と協力して
itami lab(イタミラボ)という活動を行っています。
「ダイバーシティ&インクルージョン」をテーマに、
中学生が授業で取り組む5時間のプログラムです。
生徒は、itami labの「研究員」となり、
日常にある「痛み」をできるだけたくさん見つけてきます。

 

「ゲームをやり過ぎて時間を無駄にしたとき」
「忘れたくないことを忘れたとき」
「友達が悪口を言われたとき」
「人を助けられなかったとき」

 

見つけた痛みについて話し合ったり、さらに
見えない痛みを探しに行ったりするうちに、
生徒たちは気がついていきます。

 

自分が感じることだけが
「普通」や「当たり前」ではないこと

 

誰もがその人なりの痛みを持つものだけど、
でもそれは他の人には
到底わかることができないかもしれないこと

 

わかり合えないからこそ、他人の感覚や痛みを
少しでも感じようとすること、
想像してみること、
考え続けることの意味を知って、
社会の中で生きていってほしい。
そんな願いを込めたプログラムです。

 

itami labの所長をつとめるのは、作家の乙武洋匡さんです。

 

プログラムを終えた生徒との交流会が
3月に開かれたのですが、
その冒頭、乙武さんはロシアのウクライナ侵攻から
感じたことを語りました。

 

「世界中にこれだけ頭のいい人、権力のある人たちがいて、
それでも戦争を止められない。
itami labにだって、今回の戦争を止められるかと言われれば、
それは難しい。けれども、僕らは
これから起こる戦争を防ぐことはできる。

 

戦争は、それぞれの国の立場の違い、利益の違い、
そこから見えている景色の違い、
そういうことから争いが起こり、その争いの
解決の手段として戦争を選んでしまっているんですよね。

 

私たちの国はこう思っているかもしれないけれど
向こうの国から見たら違う景色が見えているのかもしれない
――そんな想像力を持った人々に
多くの希望が宿っていると、僕は思います」

 

その後の生徒との対話で、乙武さんは自分が感じてきた痛みを
率直に語っていました。

 

見えない痛みを研究することで、
それぞれの人が感じている制限から解放され、
多様な選択肢を持って生きていける社会をつくりたい。

 

乙武さんのそんな願いが伝わってくると同時に、
認知と想像力の限界が、差別やいじめ、生きづらさ
といったものから、国家間の争いにまで
影響を及ぼすことも見えてきました。

 

他者への想像力を広げるために、教育という手段で
何ができるのだろうか。
その問いへの一つの試みが、itami labだったと思います。

 

すぐに効果が出るものではありません。
でも、時間をかけるうちに、なんらかの変化を
起こすことはできるかもしれません。
先生方と共に、考えていきたいと思います。

 

教育と探求社
宮地勘司

 

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乙武さんと中学生の交流の様子は、こちらの記事をぜひお読みください。
【itami lab前編】
乙武洋匡さんと中学生が考えた。「いたみ」って何?
【itami lab前編】
乙武洋匡さんと中学生が考えた。「心をひとつに」ってありえるの?

 

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教育と探求社からのお知らせ
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1)
【大阪営業所を開設しました】
5月2日、弊社大阪営業所が開設いたしました。営業所長には、西大和学園・大和大学の教職員を経て2022年3月より教育と探求社に入社した奈良出身の宮北純宏が就任いたします。
関西四国各府県において、生徒が主体的で本質的な学びを行えるよう、学校や教育現場における探究学習の展開やサポートをより一層強化してまいります。
代表 宮地勘司と所長 宮北純宏のご挨拶はこちら

2)
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高校生の社会実装支援プロジェクト「MIRAIB.」は、「やりたい」をカタチにしたい全国の高校生と、ビジネス経験豊富なプロフェッショナルが集まる「部活動」です。
教育と探求社のメンバーは、ステキな「やりたい」を持つ生徒たちにたくさん出会ってきました。
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「こういう道具を作って困っている人を助けたい」
「こういう仕組みがあれば便利になるのに」
でも、せっかく良いアイデアが生まれても、その多くは実現しないまま埋もれていきます……なんてもったいない!「やりたい」の、その先を作らなければ。そこで三菱みらい育成財団の助成を受け、2021年から始めたのが「MIRAIB.」(ミライブ)です。
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※学校単位でのお申し込みになります。
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★トキワ松学園高校の取り組みはこちらの記事を!

3)
【先生も学ぼう。つながろう。】
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教育と探求社代表・宮地勘司が理事を務めるティーチャーズ・イニシアティブでは、先生方が学校種や教科を超えて学び合うための研修を2015年より開発・提供してきました。
今年度も「21世紀ティーチャーズプログラム」の受講者を募集しています。
自らの意識を変え、教室を変え、
学校に変革を起こす プログラムです。

現在、第6期生の参加者を募集しています。
是非、お申し込みください。
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【先着10名様限定・早期割引あり: 早期割引は5月23日(月) 締切】

4)
【先生方に読んでほしい記事!】
探究学習の実践は、100人の先生がいれば100通り。皆さん、どうやっているの?と聞いてみたくなりませんか? 先生方が、ご自分の体験談をリアルに語るシリーズです。

★千葉県立東葛飾中学校 山元洋先生
「我々の仕事は生徒の内なる可能性に光を当てることかもしれない」
【前編】https://note.com/questeduca/n/n92d2aaf38305
【後編】https://note.com/questeduca/n/n6dda19f8d185
★聖心学園中等教育学校(奈良県) 谷浦弘員先生
「先生自身が楽しまないと、生徒たちにも伝わってこない」
https://note.com/questeduca/n/n055cbf8452ef

5)
【職業体験を工夫したい先生向け:5/16(月)開催(無料)】コロナ禍でもできる!教室やオンラインでの職業体験が可能な「インターン」体験会

「新型コロナウィルスの影響で職業体験をするのが難しい」
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今回は「インターン」の紹介と、実際に職業体験を教室内で行った事例を共有します。また、「インターン」を実際に体験していただきます。
<日程>
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※お申し込みされた方で当日ご欠席された方には、後日動画を一部共有いたします。ご出席が難しい方も、お気軽にこちらからお申し込みください。
<定員>
各20名



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