2021年11月09日

「教育と探求」Vol.124 2021/11/9 映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』から思う、言葉の力。

おはようございます。

教育と探求社の宮地勘司です。

 

先日、「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」

という映画を動画配信で観ました。

2020年の劇場公開をコロナ禍で見逃したので

とても楽しみにしていました。

 

舞台は、1969年5月、東大駒場キャンパスの

900番教室。1000人を超える全共闘の学生が待つ

大教室へ三島由紀夫が単身乗り込み討論に挑む。

その時の記録映像を所有していたTBSが復元し、

当時の全共闘のメンバーや三島由紀夫率いる

楯の会のメンバー、ジャーナリストや学者への

インタビューを新たに交えて作り込まれた作品です。

 

学生たちが自分たちの手で国をつくり変えようとする

若い熱情が画面にほとばしります。

いま香港や台湾の学生たちの民主化デモの映像をみて、

対岸の火事と思うなかれ。

我が国にもかつて学生たちが国の未来を本気で憂う

時代があり、そんな“政治の季節”を経て、

今があるということを思い出させてくれます。

 

「三島を論破して立ち往生させ、舞上で切腹させる」

血気盛んな全共闘の学生に対峙し、警察の警護も断り、

ひとり壇上で論を張る三島由紀夫のあり方が圧巻です。

 

暴力とはなにか、知識とは、思想とはなにか、

国家とはなにか、生きるとはどういうことか。

知とウイットに満ちた迫力ある語りが展開されます。

 

真剣に議論に興じながらも、意見の異なる相手に対して

決して礼節を失わず、説得さえしようとしない

三島のあり方には感動を覚えます。

極右と極左という立場の違いを超えて、

どんな未来を描けるのか、忖度なく、

ユーモアを絶やすことなく、討論は続きます。

 

私はここで起こっていることは討論ではなく

実は、対話なのだと思いました。

思想については過剰なほど対立的に議論しながらも

深い部分で実は通じ合っている。

 

よりよい日本とはなにか、そこに本気で向き合おうと

していること。

そのために、三島と全共闘は連帯することも辞さないと

踏み込んだやり取りも交わされ、

人間という存在の奥の深さがなんとも言えず胸に迫ります。

 

三島が自分自身の人生を真摯に生き切りながらも、

同時に、大いなるメタ認知をもって社会と相手と自分を

俯瞰しているのだと思いました。

 

自身の考えや行動が国のあり方に直結している時代、

言葉が力を持っていた時代を、私たちは取り戻すことは

できないのでしょうか?

 

インターネットが世界中に張り巡らされ、

言葉と存在が切り離される時代を生きる私たちが、

もう一度考えるべき大切なメッセージが

この映画のなかにあると思うのです。

 

教育と探求社

宮地勘司

 

 

 

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