2019年09月09日

「教育と探求」Vol.98 2019/9/6 対話から始まる未来

おはようございます。
教育と探求社の宮地です。

8月15日、終戦記念日の日経に
以下のような記事が掲載されました。

「8.15の落とし穴 悲しみの前には熱狂があった」

毎年この時期になると、戦争の悲惨さ、
過酷さがメディアにあふれかえる。
いわゆる「8月ジャーナリズム」。
しかし、そこには落とし穴もあると綴られる。

「この日付だけで戦争を振り返ると、
軍部や政治家が暴走して続けた戦争に、
多くの日本人が『巻き込まれた』という
被害者イメージが強まるのである。
しかし、前史を忘れてはいけない。
別ののぞき窓から戦争を眺めるとき、
相貌は大きく異なるのだ。」

例えば終戦の8年前、37年の同じ8月15日、
政府は「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」という
声明を出す。暴虐な中国を懲らしめるという意味だ。
世論は快哉を叫び、あらゆるメディアが
戦争を肯定的に報じていた。

「庶民も文化人も、熱に浮かされていたといえば
それまでだが、なんと熱狂しやすい国民性だろう。
もちろん、それをあおったメディアの責任もきわめて大きい。
前線と銃後それぞれの、おびただしい数の
『美談』が紹介され、人々は物語に酔ったのである。」

また、そのころも庶民の日常の生活は変わらず、
むしろ戦果を賛える熱気に浮かされ、
盛り場の灯は消えることなく、洋酒や旅の広告も
活発に消費を煽っていたといいます。

そして、記事は以下のように続きます。

「こんな日常のなかで、戦争は泥沼化していった。
戦争とはある日突然始まるのではなく、
日常と重なりつつ進んでいくものだ
ということがわかる。行きづまりを
打開しようと日本は対米英戦に突入し、
またも世間は大いに留飲を下げるのである。」

「この日世界の歴史あらたまる。
/アングロサクソンの主権、/
この日東亜の陸と海とに否定さる」

高村光太郎がこのような詩を書き、
国民の多くは大本営発表に浮き立ち、
興奮していたそうです。。

私達が知る、戦争の悲惨さや後悔とは
全く異なる有りようです。

今、近隣諸国に対して、なめられては困る。
彼国の間違いを正さなければ、という思いが
私達の中にあるような気がします。
報復的行動や大臣の勇ましい発言に溜飲を下げる、
という心持ちを自らの内側に見ることもあります。
戦争は、だれか一人が独断ではじめるのではなく、
国民の集合的意識がはじめるのだと思いました。

クエストカップ2016に出場した高校生チームは、
日中韓など、アジアの若者たちが協働し、話し合い、
検証しながら、歴史教科書をつくり、そのプロセスを
テレビ東京で番組化するという企画を提案しました。

残念ながら受賞には至りませんでしたが、
とても中身の濃い、本質的な作品だったと思います。

対話の中から「未来」は生まれます。
そのことを知る若者たちを、
私達は本気で育てていかなければならない。
あらためて胸に誓う今日このごろです。

教育と探求社
宮地勘司

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教育と探求社からのお知らせ
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(1)教育と探求社 Webサイトリニューアルしました。

「クエストエデュケーション」のページをリニューアルしました!
導入いただいている学校の方や受講した生徒の声、
「コーポレートアクセス」協賛企業の声を取り上げています。

また、様々なニーズに応じて組み合わせられる9つのプログラムや
「クエストエデュケーション」のユニークな特徴を紹介しています
ぜひ、ご覧ください!!

http://eduq.jp/quest_education/

(2)クエストカップ2020、サイトオープンしました。

2020年2月23日、24日に開催される
「クエストカップ2020」、
公式サイトがついにオープンしました。

事前参観申込受付もスタート。

これから情報をどんどん更新していきますので
ぜひブックマークしてご覧ください。

http://questcup.jp

(3)一橋ビジネスレビュー・スタディセッションに登壇しました

宮地が8月29日に開催された
「一橋ビジネスレビュー・スタディセッション」に登壇しました。

平日夜にも関わらず、「教育」というテーマで
多くのビジネスパーソンが集まり、
改めて関心の高さを感じる機会でした。

セッションの内容も組織論やリーダーシップ論など、
ビジネスならではの視点での議論があり、
とても有意義な機会でした!

▼詳細はこちらからご覧ください
http://eduq.jp/hitotsubashi_businessreview_session/

(4)第4回パワーオブイノベーション in TOHOKU

8月18日~20日の3日間、宮城県東松島市にて開催された
パワーオブイノベーション in TOHOKU!

全国12都道府県から中高生47名が集まり、
イノベーション企画を創出。
熱い戦いが繰り広げられました。

▼開催報告レポート
http://eduq.jp/powerofinnovation4_report/

河北新報にも、特集記事が9月中旬に掲載予定です。

(5)Social Change English 、世界へ

世界12か国の約130名の先生が集まる
Teach for all Asia Pacific Alumni Gathering 2019
@クアラルンプール(マレーシア)にて、
弊社コーディネーター岡本多永がプレゼン。

世界中の子どもたちにLove & Peaceマインドを届けるべく
誰かに思いをはせて何かを変える、社会を変えるプログラム
「Social Change Engilish」を紹介して参りました。

▼Teach for all Asia Pacific Alumni Gathering 2019の様子
https://m.youtube.com/watch?t=49s&v=KgPb4Pq5Ejo

▼Social Change Englishの詳細はこちら
http://eduq.jp/quest_education/#course

(6)Quest Career in HaNoi 2019のHPがオープンしました!

教育と探求社の海外事業として
2015年からベトナムで実施しているQuest Career in HaNoi。

5回目となる今年は11月3日(日)に
ハノイ貿易大学で実施することが決まりました。

日本語を学ぶベトナム人学生300人が、
日本企業4社の授業を受けて新規ビジネスを提案し、
優勝チームは来年2月に行う日本のクエストカップ@立教大学に出場します!

INOAC・ACECOOK・ANA・三菱鉛筆の日本人社員による特別講義、
ベトナム人学生たちによる日本語での企画プレゼンテーション、
今年はどんなドラマが生まれるのか楽しみです!

<関連URL>
○Quest Career in HaNoi 2019 ホームページ:
https://questcareer.net/

○Quest Career in HaNoi 2019 Facebookページ:
https://www.facebook.com/questcareer1/

○文部科学省 日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン):
https://www.eduport.mext.go.jp/summary/pilot.html
https://www.eduport.mext.go.jp/update/2017/02/vietnam-eduq.html

○QCH2018優勝チームによるクエストカップでのプレゼンテーション動画(訪日研修):
http://questcup.jp/result_mov/ca_vietnam.php



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