2018年02月15日

「教育と探求」Vol.72 2017/7/11 メディアのあり方と教育

おはようございます。
教育と探求社の宮地です。

注目の東京都議選が終わりました。
結果は、小池百合子都知事率いる
「都民ファースト会」の圧勝。
守る自民党は、強引な議会運営や
度重なる閣僚たちの問題発言、不祥事による
オウンゴールの感もありますが、
しばらく続いた一強支配の体制が
ひとつの節目を迎えたことは
間違いないでしょう。

結果もさることながら私が注目するのは、
この間のメディアのあり方です。
官邸からの圧力が実際にどれほどのものか
知るよしもありませんが、強い政権に臆して
本来書くべきことを書かずに、事なかれと
やり過ごしているのではないか、
という強い危惧を持っていました。

しかし、都議選後は一変し、各メディアは、
現政権への批判的視点も盛り込みながら
言うべきことは言う、という報道姿勢を
取り戻そうとしているように見えます。

メディアとはそもそもそんなもんだという
人も多いでしょうし、実際に歴史に於いても、
メディアが権力を監視する役割を全うできずに
第4の権力の限界が露わになった例が
多くあると思われます。

英文学者でメディア研究の第一人者でもある
マーシャル・マクルーハンは、
「メディアとは人間の機能を拡張してくれる
道具である」と定義しました。

たとえば、眼鏡は目の拡張メディアであり、
自動車は足の拡張メディアであり、
コンピューターは脳や中枢神経の
拡張メディアであり、衣服や住宅は
皮膚の拡張メディアであるという考え方です。

何かと何かの中間に位置し、
両者を媒介するという一般的なメディアの
解釈ではなくて、人間が本来持っていた機能を
増幅し、補強し、拡張していくのがメディアである
と考えたのです。

その考え方に立つなら、
現代のマスメディアとは、即ち、私たちの
読む、話す、書く、聞く、見るといった
コミュニケーション能力そのものを拡張した
ものだといえるでしょう。
故に、メディアがこれほどまでに軸がなく、
付和雷同してしまうとしたら、
それは、まさに私たちのあり方そのものを
映したものではないかと思えるのです。

メディアのあり方を問うことは、
即ち自分自身のあり方を問うことと同義です。
常に批判的精神を持ちながら、
深く大地に根を下ろした世界観を育むことも
大切です。

私は、教育の目的とは、洗練された主観を
育むことだと思っています。
科学の時代を生きる私たちは、それ故に
客観ばかりを重んじて、主観を隅に
追いやりすぎたのではないでしょうか。
置き去りにされた主観をもう一度自らの手に
取り戻し、磨き続けていくことが、
現代の教育に課された大きな使命だと
思わずにはいられません。

教育と探求社
宮地勘司

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