2016年02月09日
おはようございます。
教育と探求社の宮地です。
先日、行動観察の研究者にお話を伺う機会がありました。
行動観察とは、徹底した現場の観察から新たな知見を導く
定性分析の手法です。
その行動観察という手法で、大学生の会話を数時間に渡り
観察したところ、興味深い結果が出たそうです。
それは、その間、大学生らは主観に基づいた会話をすることが
ほとんどなく、彼らのすべての会話が客観情報のやりとりで
あったといいます。
「○○の新製品が出た」とか「ネットでこんな情報を見つけた」
など、誰から見ても事実だと思われることを延々と話し続け、
「おれはこう思うんだ」とか「○○より□□の方がいいと思う」
というような反対意見が出る可能性のある会話を極端に避ける
傾向があったそうです。客観的で安全な世界に籠もり
自らの主観を表明することを恐れているようです。
「客観」は科学の基盤です。普遍的で、再現性があります。
私たちは、「客観」の視点を発達させることで科学を手に入れ、
自動車も、ロケットも、インターネットも使えるようになりました。
まさに20世紀は、客観主義の時代だと言っても良いと思います。
その一方で、今の社会は正解で埋め尽くされて隙間がなく、
人々は息苦しくなっています。こう感じた、これが好きだと、
主観を主張することは、とても勇気を必要とする時代です。
現代社会は「主観」が「客観」に迫害されていると
私は感じています。
たとえば、「彼の意見は客観的だ」と言えば
褒め言葉に聞こえ、「君の意見は主観的だ」と言えば、
たしなめられているように感じるのではないでしょうか。
「客観」は知的で立派なもので、「主観」は曖昧で取るに
足らないものであるという前提が私たちの意識の中にも
組み込まれているようです。
「もっと速く、もっと遠くへ」という強烈な主観がなければ、
私たちは自動車を手に入れられなかったはずです。
そして、その願いを実現させるために、
たくさんの客観的検証により得られた技術が費やされたのです。
世の中は主観と客観の両方で出来ています。
そして、そのまず最初にあるべきは、強い主観だと思うのです。
まずは、主観を持つこと。
そして、その主観を検証し、磨き、主観の願いを
実現させるることが客観の役割です。
そして、そのプロセスの中で、その人の主観は
「洗練された主観」へと高まっていくのです。
今月20日(土)、21日(日)は、クエストカップ2016全国大会です。
今年の大会テーマは「勇気あり。」
76チーム318人(2月10日現在)の中高生の磨き上げられた主観が、
色とりどりに咲き誇ることをを、心から楽しみにしています。
教育と探求社
宮地勘司
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教育と探求社からのお知らせ
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(1)「クエストカップ2016 全国大会」出場校決定!
今月2月20日(土)と21日(日)に開催する、
「クエストカップ2016 全国大会」の出場校が決定しました。
http://questcup.jp/2016/resultreport/index.html
なお、一般参観の申し込みも受けつけております。
無料ですので、ぜひ、奮ってご参加ください。
[一般参観の申込み]
・企業プレゼンテーション部門(2/20開催)
http://eventregist.com/e/questcup2016CA
・人物ドキュメンタリー部門・自分史部門(2/21開催)
https://eventregist.com/e/questcup2016RM
(2)「QUEST COLLEGE」受講申し込み受付中!
現在、2月17日(水)に開講予定の大学生向け探求プログラム
「QUEST COLLEGE」の受講申し込みを受けつけております。
第1回は一橋大学の米倉誠一郎先生による
イノベーションに関する講義です。
多くの大学生の皆さんに、
「QUEST COLLEGE」の魅力を知ってもらいたく、
特別に第1回の講義は無料で公開します。
春休みに新しい世界との出会いを求める大学生の方、
是非、ご参加ください!
QUEST COLLEGE第1回講義
2月17日(水)18:30-20:30(JR四谷駅より徒歩6分の会場)
※詳細はこちら
http://peatix.com/event/126283
※聴講申込はこちらのアドレスまでお名前と連絡先を
書いてお申し込みください。詳しい地図をお送りします。
e-intern@eduq.jp