2020年12月10日

「教育と探求」Vol.113 2020/12/8 誰ひとり取り残さないICTの舟

おはようございます。

教育と探求社の宮地です。

 

一昨日の日曜日、オンラインセミナーを開催しました。

タイトルは「公立校を丸ごとICT化~変化の時代とリーダーの役割」。

ティーチャーズ・イニシアティブと

GIGAスクール構想を推進するICT CONNECT 21という団体との共催です。

 

今春、コロナ禍による休校宣言が出された直後、

ほんの数日の内にオンラインで始業式や授業を開始し、

たった2ヶ月の間に49人ものAppleティーチャーを輩出した

福岡市立西陵高校。

なぜそんなことが可能になったのか、

同校で校長を務める和田美千代先生と

現場で推進する吉本悟先生にお話をうかがいました。

 

▼福岡市立西陵高校でオンライン授業がはじまったころのニュース映像

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000181667.html?fbclid=IwAR1wwqkmhnEQtmdcIcVIKfSku8D25TcbIRwkT8qOTi2lqwv1H-uPSt8u2mg

 

まずは、吉本先生。講義タイトルは「船を編む」。

なにか新しいことをはじめるとき、

我先にとどんどん進めていくAタイプの人と

情報を集めて分析し戦略を立てるBタイプ、

新しいことは必要ないと現状にとどまることを

主張するCタイプの人の3つがいる。

 

AタイプはBやCのことが理解できず、

もどかしく、ときに対立することもあるかもしれない。

しかし、いくらAが新しいことをはじめても、

Bが大局的な戦略を立てたり、

Cがきちんとした仕組みをつくったりしないと

どんな取り組みも持続性を持たず、一過性に終わる。

だとしたらAもBもCも全員が乗れる船を

つくって、みなで向こう岸にわたるしかない。

 

コロナは、すでに誰一人としてこちら側に

とどまることはできないことを明らかにした。

 

ICT化に否定的な先生たちを反対派とは呼ばずに

慎重派と見立て、決して敵対することなく

仲間として彼らの不安を取り除き、

ICTを活用することの意義と面白さ、楽しさを

理解してもらう。

 

人を大切にし、活かし、組織の力を高めていく

吉本先生のやり方には知恵と愛が滲んでいます。

 

続く和田校長の講義タイトルが「船を出す」。

吉本先生ら現場が編んだ船に皆乗り込んでもらい、

どーんと安心して海に漕ぎ出してもらうことが

校長の使命だと考えておられるようです。

 

和田校長は、この春、星陵高校に着任したばかりですが、

実は6年前からZOOMを学び、

積極的に活用していたといいます。

コロナでの休校宣言と吉本先生の現場での取り組みを知り、

これはチャンス!と思ったとのこと。

 

「西陵の子どもたちが、福岡に住んでいるからといって

全国の子どもたちに比して学びが遅れるということは

絶対にあってはならない。

休学期間中の学力保証と生徒のメンタルヘルスは必須だ」

とオンライン授業に取り組む目的を明確に示した上で

「やり方は現場の先生たちに全権委任する。

失敗しても構わない。

皆で話し合って最もよい方法を考えてほしい」

と伝えたそうです。

 

大目的を共有し、やり方は現場を信頼して任せること。

しかし丸投げではなく、見守ること、

そして何より自分が一番努力し、勉強し、実践すること。

 

和田先生の言葉は力強く、ZOOM越しではありますが、

このセミナーに参加した先生方から共感のエネルギーが

ビンビンと伝わってきます。

 

実は、和田先生は、遡ること25年前の1995年に

福岡県立の城南高校で教壇に立っておられました。

そのときにはじめたのが「ドリカムプラン」という

キャリア教育プログラムです。

生徒が自分で見つけた社会人をインタビューし、

自らの進路意識を高めていく取り組みです。

生徒の学習意欲を飛躍的に向上することに成功しました。

 

私がクエストエデュケーションの構想を練っていた

2000年ころ、先行事例を調べたとき、

唯一ヒットしたのが和田先生のドリカムプランでした。

私は、感慨深くこの日のお話をお聞きしました。

 

和田先生はセミナーの最後をこのように締めくくりました。

「自分が30代の頃、当時の校長が私の未だ成果もわからない

ドリカムプランという取り組みを後押ししてくれました。

今、自分が校長として、現場の取り組みを後押しする立場です。

あのときの校長から、私はこんなふうに見えていたのかと

思うと感慨深く思えてきます」

 

この日のセミナーは、学校のICT化だけではない

学びの本質、組織の本質、そしてリーダーシップとはなにか

という大きな気づきが得られた日でした。

 

教育と探求社

宮地勘司

 

 

□■■□■■□■■□

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

教育と探求社からのお知らせ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(1)【無料セミナー/30名限定】

生徒に火がつく探究学習のやり方を学ぼう!

 

「探究学習」「主体的・対話的で深い学び」とは何か?

SDGsや社会課題、職業などを生徒が意欲的に探究するには?

 

クエストエデュケーションがなぜ生徒に火をつけるのか、

そのメカニズムの解説や実施例の紹介、

同じ悩みをお持ちの先生方との交流を通して

本格的な「探究学習」のやり方・始め方を学べるセミナーを開催します。

ぜひご参加ください!

 

12月10日(木)・12日(土)、

オンラインでの開催です。

 

▼詳細はこちら

https://quest.eduq.jp/quest-first1210-12/

 

 

(2)最先端の起業メソッドを用いて新商品開発に取り組む

アントレプレナーシップ教育プログラム「スモールスタート」!

 

「スモールスタート」のプログラムでは、

生徒自らが日常生活のなかにビジネスの種を発見し、

生徒同士で協力しながら、実現性にこだわって新商品を開発していきます。

 

これからの時代を生きていく生徒たちの力となる、

新しい一歩を踏み出す主体性、

他者と協働しゼロから価値を創造する力を育みます。

 

▼詳細はこちら

https://quest.eduq.jp/smallstart/

 

 

(3)自治体議員の勉強会に代表取締役社長・宮地勘司が登壇

 

大阪堺市議会議員 西 哲史(にし てつし)氏の主宰する

自治体の議員による勉強会「自治体政策青年ネットワーク(JISSEN)」に、

教育と探求社 代表取締役社長・宮地勘司が登壇いたしました。

 

出席されていた北海道から四国まで

全国の府県議や市議、区議など19名の方々と意見交換を行いました。

 

https://eduq.jp/jissen/

 

 

(4)社会学大学院生からみた「クエストミーティング」!

 

2020年10月1日、2日に実施されたオンラインイベント

「クエストミーティング」について、

大学院生のあやさんに記事を書いていただきました。

 

ーーーーーー

私は、現在は大学院で社会学を専攻し、

「魔法少女アニメ」の

『おジャ魔女どれみ』や『プリキュア』の研究しています。

 

5年前のクエストカップ全国大会の時に

たまたま知人の紹介で参加してから、

クエストに取り組む生徒や取り巻く大人たちの

エネルギッシュな魅力に魅了され、それから毎年スタッフをやっています。

この度、クエストファンライターとして、クエストの裏側に迫ります!

ーーーーーー

 

https://quest.eduq.jp/questmeeting2020/

 

 

(5)生徒との信頼関係のつくりかた

~教師がひとりの人間として関わること

 

生徒とどのように信頼関係を作ればいいのか。

 

学校コーディネーター佐藤瞬は、

過去に小学校教員として働いていました。

そのときに、どんなことを念頭に置きながら

子どもたちとの関係づくりを実践をしていったのか、

お話します。

 

ーーーーーー

担任していた子からも、

「先生の授業は普通だったし、人の良さも普通だったけど、

この放課後の時間は小学校生活で一番楽しかった」という、

優しいのか厳しいのかわからない手紙をもらいました。

 

私だけではなく、子どもたちにとっても

その時間は豊かなものとして受け取られていたのだなと、

自分のことは棚上げして嬉しく読んだことを覚えています。

ーーーーーー

 

https://quest.eduq.jp/shinraikankei/

 

 

(6)クエストカップ2021のWebサイト、更新中!

 

1年間クエストの授業に取り組んだ生徒が

全国から集まり発表する「クエストカップ」。

 

当日生徒たちの企画を審査する審査委員からの

メッセージを新たに掲載しました!

 

https://questcup.jp/

 

(7)年末年始休業のお知らせ

教育と探求社では年末年始休暇のため、下記の通り休業いたします。

 

【年末年始休業期間:令和2年12月26日(土)~令和3年1月4日 (月)】

 

尚、令和3年1月5日(火)から通常通り営業いたします。

期間中のお問い合わせは1月5日(火)より順次ご連絡いたします。

 

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■配信元: 株式会社 教育と探求社  http://www.eduq.jp/

■資料請求:http://eduq.jp/contact_us/

■お問い合わせ: TEL 03-6674-1234

E-mailにてお問合せの際は、このメールにそのままご返信ください。

————————————————————-

■本メールマガジンは、ご自由に転送頂いて構いません。

ただし、改変などはご遠慮ください。

 

◎本メールマガジンの登録解除は以下のアドレスよりお願いします。

{DELURL}

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Copyright(c)  EDUCA&QUEST Inc.



© Educa & Quest. All rights reserved.