2020年10月20日
おはようございます。
教育と探求社の宮地です。
コロナ禍の在宅ライフの中、
「約束のネバーランド」というアニメを
アマゾンビデオでみました。
話題の「鬼滅の刃」を見ようとしていた私に、
娘が強くこの作品を勧めてきたからです。
最初少し見て、先が見える作品だと決め込んだり
鬼が人を喰らうシーンがグロテスクだと感じたりで
見るのをやめようかとためらいましたが、
途中から俄然面白くなってしまい、
気がついたら全12話を一気に徹夜で見てしまいました。
見たあとで、ネットでいろいろと調べてみて
少年ジャンプで連載していたこと、
多くの賞を受賞していることなどを知りました。
「ジャンプらしい努力と友情で逆境を跳ね返す物語」
「子どもが背伸びをしたい心理をついている」
などの評価がありましたが、私はそうは思いませんでした。
(ここからネタバレ注意です)
ハウスと呼ばれる孤児院で、子どもたちは、ママと呼ばれる
院のシスターに優しく育てられて楽しく暮らしています。
しっかりと教育されて、ある年齢になったら
里親の元へ送られるのだと子どもたちは教えられています。
しかし、実はハウスとは「人間飼育場」で、
子どもたちはある年齢に達したら、
鬼に食われるために出荷されるのです。
ママは鬼のために、子どもたちを育成しながら管理する
飼育係だったのです。
そのことに気づいた何人かの子どもたちが
ハウスの脱走を企てます。
ママと子どもたちの神経戦が繰り広げられ、
遂に子どもたちは知恵と勇気と団結で
脱出を成功させます。
私はこの物語は、「背伸びしたい子供の心理」なんかを
表しているのではなく、まさに私たち大人のあり方を
象徴しているのだと思いました。
ハウスがある森と外の世界を分かつのは高い壁と
その先の断崖絶壁です。どうしたって出られない。
そんな囲いの中でママは子どもたちに言い聞かせます。
「どうせいつかは死ぬのだから、その瞬間までは
ハウスの中で幸せに生きられるわ」と。
ママの若かりし頃の回想シーンがあります。
自分もこの孤児院で育ち、あるとき脱出を試みる。
森の果てにある高い壁をよじ登ったらその先は
断崖絶壁。絶望して連れ返された幼いママは
その後、生き延びるために、鬼に魂を売り、
自分自身がこの孤児院の管理者となることを目指します。
これはまさに私たち自身のストーリーではないでしょうか?
一度はがんばった。けど超えられない壁があった。
だから、いっそこの守られた囲いの中で生きようと決める。
外の怖い世界には目を向けない。
そう決めてしまえばなんの心配もなくぬくぬくと暮らせる。
どうせいつかは死ぬのだから、
無理して崖に挑む必要なんかないじゃないか。
そして、そう次の世代にも語り継ぐ。
自分の限界がこの世の限界だと思い込み、
子どもたちをその小さな世界に閉じ込めようとする。
直接言葉にすることもあれば、しなくてもモードで伝わる。
言葉にしない強いメッセージこそが一番伝わるのです。
ハウスを見事に脱出した子どもたちは、外の世界を
全力で疾走します。呆然と見送るママは
「いってらっしゃい、気をつけてね」と、
この時はほんとうに聖母のような優しい顔で
振り返ることのない子どもたちの後ろ背に語りかけます。
この場面で私は涙が溢れてきました。
人間の覚醒の場面だと思いました。
「子どもたちの可能性」言葉にするのは簡単です。
本当に信じることの難しさを示唆してくれた作品でした。
教育と探求社
宮地勘司
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教育と探求社からのお知らせ
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(1)地域の新しい可能性を発見しイノベーションを起こす
探究学習プログラム「エンジン」を提供開始!
自分たちが暮らす地域の新しい可能性を発見し、
その地域をより良くするためにイノベーションを起こしていく探究
地域探究コース「エンジン」を、2021年より全国の学校に提供
またそれに先立ち、2020年7月より、
静岡県の中学校・高校7校と静岡県の企業8社で
「エンジン」の先行提供を開始いたしました。
▼詳細はこちら
https://eduq.jp/engine/
(2)クエストエデュケーション導入校、先生インタビュー!
学校でクエストエデュケーションを活用している先生方に、
クエストと出会ったきっかけから、導入の経緯、
そして実施の様子について、お話をうかがいました。
ぜひご覧ください!
▼半信半疑で始めて、体感した生徒の変化
ー新潟県立津南中等教育学校のクエストエデュケーション導入事例
https://quest.eduq.jp/tsunan/
▼制限をかけていたのは教員自身かもしれない
ー浦和麗明高等学校のクエストエデュケーション導入事例
https://quest.eduq.jp/urawarei
(3)「第2回先生交流会」を開催しました!
学校行事が中止になる中、
「思い出」と「学び」を生む体験とは何か。
クエストエデュケーション導入校の先生が集まり
共に考える「第2回オンライン交流会」を開催しました。
▼その様子をお伝えします。
https://quest.eduq.jp/2020kory
(4)夏休みの中学生・高校生向け
完全オンラインのインターンシッププログラム
「and ボッシュ~ボッシュと試す、キミたちの力。」を開催しました!
ボッシュ株式会社のリソースを活用し、
未来を切り拓くイノベーション企画を創出する
バーチャルインターンシッププログラム。
オンライン上で全国11都府県から集まった
中高生33名がチームを組み、
ボッシュのリソースを活用した企画を考え、発表しあいました。
▼開催レポート
https://eduq.jp/andbosch/
(5)探究学習における「よりよい振り返り」とは?
学校コーディネータの佐藤瞬による探究学習記事、
今回は「振り返り」についてお話しました。
生徒たちの学びにつながる
振り返りをするためにどうしたらよいのか、
お伝えします。
▼よい「振り返り」とは?
探究学習で学びにつながる振り返りを行う4つのポイント
https://quest.eduq.jp/furikaer
(5)コロナ禍における探究学習のとりくみ支援に関して
現在教育と探求社では、コロナ禍の影響で様々な状況にある、
学校向けに、探究学習の取り組みを支援する方法を提供しています
お困りの学校の方は、ぜひご活用ください。
▼コロナ禍における探究学習のとりくみ支援に関して
https://eduq.jp/tankyushien/
▼3密を避けるグループワークのアイディア
https://quest.eduq.jp/groupwor