2019年12月04日

「教育と探求」Vol.100 2019/11/12 ラグビーワールドカップに寄せて

おはようございます。
教育と探求社の宮地です。

ラグビーワールドカップ2019日本大会が
熱狂のうちに幕を閉じました。

多くの名プレー、名場面、選手個々のエピソードや
海外選手のボランティアなどの番外ストーリー。

実にたくさんの豊かな物語と、精神的なインパクトを
私達に残してくれました。

大学ラグビーを中心に日本ラグビーに
熱が満ちていたのは80年代のこと、
あれから30年以上の年月を経ての今の隆盛には
格別の思いがあります。

私も高校時代はラグビー部に所属していました。

脚が速いわけでも、体に恵まれたわけでもなく、
大した選手ではありませんでしたが、
それでもこの格闘技的な要素の入った競技には、
それなりの覚悟を持って臨んでいました。

今回のワールドカップに向けて、代表選手の中には、
家族に遺書を残してきた人もいると聞きました。
確かに試合の前には、そんな気持ちになります。

もちろん代表選手と高校生ラガーでは、
プレーのスピードも激しさも比べるよすがもありませんが、
試合前日の夜は、明日死ぬかもしれないという思いで
過ごしたことをはっきりと覚えています。

そうでもして覚悟を決めないと
怖くてグランドに立てないのです。

高校生とはいえ、90キロ級の選手もいます。

すさまじい形相をしながら
全速力で走ってくる敵の足元に飛び込み、倒すタックルは、
タイミングや入り方を間違えると
大怪我に繋がりかねない危険性をはらんでいます。

だからといって、気持ちで負けると、
その危険はさらに増します。

相手を見据えて、勇気を振り絞り、
ままよとばかりに相手の太ももをめがけて
飛び込み羽交い締めにします。

まさに、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれとは
このことです。

今回のワールドカップでも、
タックルの名場面を何度も見ることができました。

ルールについては今回テレビの解説などで
学んだ人も多いことと思いますが、
タックルされた人はすぐにボールから
手を離さなければなりません。

私は、タックルされた人は、
一旦その場で死んだということだと解釈しています。

だから、味方にボールを手渡す、地面に置く、
あるいは自らの体を反転させ盾にするなど、
最小のワンプレーのみが許されて、
あとはもう一度自分で立ち上がるまで
(つまり生き返るまで)は、プレーができません。

自らの身体を投げ打ち、
死に体となりながらも、
ボールという“イノチ”を懸命につなぐ。

桜の戦士たちのそんなひたむきなプレーに、
多くの人々が胸打たれたのだと思います。

思えば、人間の一生も、組織の歴史というものも、
本当はそのような営みなのではないかと思うのです。

朽ちゆくものを乗り越えて
朽ちることのない大切な何かを後世につなぐ。

今回のワールドカップラグビーが
日本で開催されることとなったのは、
外務官僚の奥克彦氏の思いが起点となっています。

オックスフォード大学に留学中、
日本人としてはじめてレギュラーとなった彼は、
「日本でワールドカップラグビーを開催したい」
と思うようになりました。

2000年に国連政策課長に就任し、活動を始めた3年後、
本当に残念なことに、イラクで銃弾に倒れ、
帰らぬ人となってしまいました。

その後、多くのラグビー関係者が彼の遺志をつぎ、
何度もの挫折を繰り返しながら、
今回のワールドカップ日本大会の開催に漕ぎ着けました。

自分の人生を超えて実現した仕事。
「生きる」ということの意味を考えさせてくれます。

教育と探求社
宮地 勘司

□■■□■■□■■□

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教育と探求社からのお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(1)Quest Career in Hanoi2019開催しました!
11月3日(日)、ベトナム人学生317名が集まり
Quest Career in Hanoi2019を開催しました。

INOAC・ACECOOK・ANA・三菱鉛筆の
日本人社員による特別講義、

ベトナム人学生たちによる日本語での
企画プレゼンテーションは多いに盛り上がりました。

優勝チームは来年2月に行う
日本のクエストカップ@立教大学に出場します!

開催報告
https://eduq.jp/questcareerinhanoi2019/

(2)クエストカップ学生スタッフ大募集!

全国31都道府県197校約3万5000人(2019年10月時点) の
小中高生が集まり、答えのない課題に取り組む中で生み出した成果を、
社会に向けて発信する場、クエストカップ。
一緒に作り、支えてくれる大学生スタッフを募集します!

イベント未経験者歓迎!
かつてクエストのプログラムに取り組んだことがある学生も大歓迎
あなたらしいやり方で、
クエストカップ2020という最高の場を創りませんか?

https://questcup.jp/2020/recruit-staff/



© Educa & Quest. All rights reserved.