2011年07月12日

「教育と探求」Vol.1 2011/07/12

教育と探求社は、この度メールマガジン
「教育と探求」を発刊することにしました。

このメールマガジンは、「クエストエデュケーション」や探求型の学び、PBL等に関心をお持ちの先生方・教育関係者に向けて、クエストについての新鮮かつ有効な情報を提供していくものです。

お読みになっていただき、ご意見・ご感想などあれば、そのままこのメールにご返信ください。

なお、購読を希望されない方は、大変お手数ですが、
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—-【目 次】 ————————————————–

1.教育と探求社からのお知らせ
2.クエスト実践事例紹介 [鴎友学園女子高等学校]
3・QUEST DAYS~ある学校の授業風景~

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1.教育と探求社からのお知らせ
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(1)日経エデュケーションチャレンジ2011

ビジネスの第一線で働く企業人が教師となり、全国の高校生に向けてリアルな企業活動を題材に授業を行います。11回目となる今回は、
スーパーコンピューターの開発ストーリーなど、普段高校生がなかなか触れることのできない内容をテーマに、熱のこもった授業が展開されます。参加費無料。

日時: 2011年8月5日(金) 12:30~17:30
場所: 法政大学 市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区)
参加資格: 高校生

◆詳細・申し込みはこちらから⇒ http://adnet.nikkei.co.jp/a/edu/

(2)「クエストエデュケーションフォーラム2011」

「生徒が輝くキャリア教育」をテーマに、産学連携によるキャリア教育の
可能性を探る教育フォーラムを開催します。

日時: 平成23年8月23日(火)13:30~17:30
会場: 法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナードタワー26階スカイホール
対象者: 教師・学校関係者・教育に関心の高い企業人

◆詳細・申し込みはこちらから⇒ http://www.wazoo.jp/open/qef2011/

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2.クエスト実践事例紹介 [鴎友学園女子高等学校]
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このコーナーでは、「クエストエデュケーションプログラム」を導入している
学校の実際の授業の様子やご担当の先生のインタビューを紹介します。

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【鴎友学園女子高等学校】

記念すべき第一回目は、今年度より、新たにクエストをはじめることになった鴎友学園女子高等学校。

鴎友学園女子高等学校は東京・経堂駅の閑静な住宅街の中にあり、「慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造」を校訓に掲げる中高一貫の女子高で毎年、難関大学へ多くの入学者を輩出している進学校です。

プログラムの実施は、高校1年生のLHRの時間。
初回授業に向けて、6クラスの担任の先生方が綿密な打ち合わせを重ね、準備を進めてきました。
初回の授業は「STEP1.オリエンテーションを受ける」。
まずは、生徒が円になって、ドキドキの教科書配布です。

クエストエデュケーションの教科書は表紙が40種類あります。
40人のクリエイターが一人一点、自らの作品を提供してくれたものですが、教室の中でも、生徒ひとり一人が違う表紙の教科書を使います。
それぞれの生徒が自分だけの答えを見つけて欲しいというメッセージが込められています。

担当の先生は、この40種類の教科書の配布を運命の恋人との出会いになぞらえ、
生徒一人ひとりに裏を向けたまま手渡していきます。配り終えると、「せーの!」のかけ声でまずは自分の表紙を見て、
その後お互いに見せ合う。生徒は破顔一笑。一気に教室は盛り上がります。

その後は動画によるプログラムのオリエンテーション。
これから一年、この授業でどんな取り組みをしていくのか、アニメと実写が混じった動画で、楽しく丁寧に解説され、生徒達のやる気も次第に高まってきます。

授業の後半、あるクラスでは、先生が自分自身の若い頃の職業選択のヒストリーを笑いを交えながらも真剣に生徒に語っていました。
教員よりもっと給料が高い会社からの内定ももらっていたけれど、教育実習での生徒との交流の体験が忘れられず、人の成長に立ち会える教員という仕事を選んだこと、そして、そのことを今日に至るまで一秒たりとも後悔したことがないこと。
世の中にはお金を超える価値があるんだというメッセージは気負いもなく、穏やかに語られ、でも確実に生徒に伝わっていました。

こんな風に先生個人のエピソードが語られるのも、先生を「ファシリテイター(支援者)」として設定しているクエストの授業の魅力のひとつです。

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先生インタビュー 【鴎友学園女子高等学校 木戸英輝先生】

Q.クエストをやろうと思ったきっかけは?

A.以前から、生徒が机上だけでは学べないようなテーマ、
例えば、社会とダイレクトにつながってアクションを起こすような
テーマを、本当の意味で主体的に取り組め、かつ、
彼女たちの将来の糧となるような効果的なプログラムがないか、
ずっと模索していました。

そんな中で運命的に出会ったのがこのプログラムで、
私たちの期待に応えてくれるのではと直感し、
その詳細を検討すればするほど是非本校でも導入したいと
判断するに至りました。

Q.これまでやってきたキャリア教育の取り組みと、クエストとの違いは?

A.20年前から、中学3年間みっちり使って「自分を知り、そこから他者へ、
社会へ、徐々に外の世界へ目を向けていく」という方針のもと、自然環境や
福祉、平和や進路について様々な授業を行ってきました。

例えば、中学1年生の夏休みに作成する「自分レポート」では、
原稿用紙10枚にも及ぶ文章を書き、自分自身について
とことん考えるきっかけを与えます。
また、高校では、自分たちが社会とどう関わっていきたいか、
卒業生や企業の方々による講演会を通じて、自分自身の
5~10年後をデザインしていく、という取り組みを行ってきました。

クエストは、これまでのような取り組みとはまた違って、
自らが社会に飛び込むことになるので、本当の意味で
当事者意識を持って取り組むことができるものだと感じています。

例えば、これまで行ってきた職場体験などでは、1日だけの体験が多く、
時には、企業からの説明を受ける「お客様」扱いでしかなかった
こともありました。しかし、このクエストでは生徒自らが企業の一員となって、
その企業の理念や業務を理解し、企業が出すミッションに応えていきます。
こういった点こそが、自らが主体的に社会に飛び込むことになると感じています。
つまり、否が応でも当事者意識を持たなければ、
このクエストのプログラムを成し遂げることができないのです。

私たちは当事者意識を持てる人を「社会人」と位置づけています。
それは「社会人=実社会で働いている人」という意味だけではなく、
「社会人=社会を構成している一員であるという当事者意識を持った個人」
と考えるならば、高校生であっても立派な「社会人」
としての意識を持てるはずです。
それを可能にする手段の1つがクエストのプログラムだと思います。

Q.プログラムをやってみて、生徒や先生たちの反応はどうか?

A.生徒はとにかく楽しんでいます。志望する企業へのエントリーの回では、
意気込みが強過ぎて、こちらがびっくりするぐらいの真剣さでした。

先生たちの反応は色々ありますが、期待感と楽しみで一杯というのが
大半の反応でした。また、生徒たちが楽しんで取り組むためには、
先ずは先生自身が楽しまなければ!という思いが強くあります。
担当する教員は、みんな手探りで工夫しながら授業を進めているようです。

また、教師はどうしても教えたがりになってしまうので、つい生徒たちを
見ると1から10まで口出ししてしまう。このプログラムは、我々教員が
「教師」ではなく「ファシリテイター(支援者)」としての立場で関わって
いくので、教師として新たな能力が試されているのではないか、
と強く感じています。

授業を担当する先生の中には、他の先生方にも授業の素晴らしさを
知って欲しくて、毎週クエストの授業報告を書き、教員が集う
コミュニティースペースに張り出す先生がいるぐらい活気づいています。

Q.導入にあたって、障害になるものはあったか?
また、それをどのようにクリアしたか?

A.先生の中には、外部のプログラムを使うことに対して悔しさを抱く人もいた。
やはり、教師であるからには自分たちの力で目指すべき教育の形を
創造していきたいという思いがあったのだと思います。

しかし、そんな先生方にもクエストの目的や内容を知ってもらう中で、
既存のプログラムをそのまま使うということではないことに気づいてもらい、
徐々に理解をしてもらえたように思います。

また、授業をするための日程調整も正直厳しいものがありましたが、
教育と探求社から提案された年間スケジュールを参考にして、
LHRと情報の授業とで上手く連携しながら、授業日程を組むことが出来ました。
特に、情報科の先生の協力を得て、情報の授業の中でクエストの企画会議や
プレゼンテーション作成を実践できることになりました。

Q.最後に、先生が今後期待していることは?

A.1つは「生徒がどのように変化していくか」。これまでの学校内での授業とは
違う形式なので、色々な体験をする中で生徒たちの表情がどう変わっていくか
非常に楽しみです。

もう1つは、「どんな場面で失敗し、それをどうやって乗り越えていくのか」。
ミッションに対して質の高いプレゼンテーションが出来ることも
期待したいことですが、それだけがクエストの目的ではないと思います。
ミッションに向き合う過程の中で、生徒たちが受験勉強や日頃のテストと違う、
点数ではない失敗や挫折を体験したとき、どんな学びを得られるのか。
それとどう向き合い、乗り越えていく力を付けていくのか、
これも今から本当に楽しみです。

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3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~
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このコーナーでは、ある高校でクエストに取り組む現場の教師が、
生徒と共に日々奮闘する姿をエッセイ風に書き綴っていきます。

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今日は、インターン先の企業から出された初仕事
「アンケート調査」の結果を校内で発表する日だ。

今回の授業の目的は、インターン先企業が提供する商品やサービスについて
世間の人がどのように感じ、どんなニーズがあるのかを
アンケート結果から正確に捉え、分析し、発表することである。

でも、その裏にあるもう一つの目的は、自分たちの足で
街の人々の声を集めることによって感じる「社会との繋がり」を意識させること。
アンケートを断られたり、逆に励まされたりする中で
こんな自分たちも社会と繋がっていることを、肌で感じられる貴重な体験だ。

この経験を経て、生徒はようやく企業の一員として
真剣に問題に取り組むモチベーションをつかむのだと思う。

果たして生徒たちはどんな気づきを得られたのか
私も五感を開いて、心を開いて、生徒の発表を受け止めたい。

【続きはこちら】⇒ http://goo.gl/BZI8A

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◎「クエストエデュケーション」教育効果の調査結果
http://eduq-news.com/archives/535

◎クエストカップ2011のダイジェスト写真公開中
http://www.questcup.jp/2011/photo/index.html

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■配信元: 株式会社 教育と探求社 http://www.eduq.jp/
■お問い合わせ: TEL 03-6672-3411 / sc@eduq.jp (E-mail)
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