Quest
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2013年12月4日

「クエストエデュケーションプログラム」~都立高校での取り組み

今、「企業探究コース」は、全国の学校でプラン作りの真っ最中です。先日訪問した、東京都立清瀬高校では大変ユニークな取り組みがされていたので紹介したいと思います。

それは、枠にとらわれないアイディアを生徒たち自身の中から引き出すための“ワードジャングル”(※注)という手法です。実際にどのようなものかというと、まず、生徒に各自1冊の本を持ってこさせて、その本を真ん中に積み上げます。そして、その中から気になる本をひとり1冊選び、適当なページを開きます。そのページの中から無作為に選んだ単語を“強引に”ミッションにつなげてアイディアをひねり出す、というものです。この「無作為に選んだ単語をつなげて、“強引に”解決法を考える」というのがどうやら発想を広げるカギとなるようです。
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今回のグループワークでは、各チームにひとり配置されたファシリテイター役の生徒たちがキーマンとなります。彼らは、先生から事前に数回のレクチャーを受け、ワードジャングルの目的や当日すべきことを把握していて、そのお陰で、全42チームが体育館で一斉に作業することができるのです。(上の写真が、実際にファシリテイター役の生徒たちに先生から配布されたプリントです)
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授業開始のチャイムが鳴ると、今日の進行係を務める高橋恵子先生から開口一番、思いもよらぬ言葉が生徒たちに投げかけられます。「今日の授業でファシリテイターを務める生徒は立って下さい。(立ち上がるのを確認すると)このファシリテイター達に協力すると承認した人は、拍手してください」。すると、一斉に盛大な拍手が起こります。本日のグループワークで重要なカギを握る生徒たちに対して、先生だけでなく生徒たち全員が承認の形を示す。これは先生が大切にしているスタンスのようで、この後のグループワークでも「承認し合う場作り」は続きます。

授業の進め方で特徴的だったのが、10秒、2分というように短いスパンで区切って、テンポよく作業していくところ。「持ってきた本を30秒で中央に積み重ねて!」「その中から、ひとり一冊気になる本を5秒で。はい、始めてください!」次にすべきことをできるだけシンプルに、かつ、感覚的に作業できるよう工夫されていました。時折、少し複雑な作業が入る時は、必ず先生から“魔法のことば”が発せられます。「今、みんなが選んだ本の中に必ず“アイディアをもたらすページ”があります。そして、自分の目に最初に飛び込んできた4つの言葉を模造紙に書き込んでください。読んじゃだめよ。自分を信じて!そうしたら、必ず言葉が向こうからみんなのところに飛び込んでくるから。はい、それでは本を開いて!」この先生のことばが生徒たちのやる気を掻き立て、時間を追う毎に作業に没頭していきます。

本から抜き出した4つの言葉をそれぞれが模造紙に書き終わると、ここからがいよいよ本番。「今みんなが書いてくれたことばを強引に組み合わせて、ミッションの解決方法をひとりずつ発表してください。制限時間はひとり1分、まずはファシリテイターの人がお手本になって、時計回りで進めます。はい、始めてください」。1分経過する毎に、先生が終了の合図を出し、「それでは全員で拍手!」と、参加している生徒たち全員を承認し合う場を作ることも忘れません。
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こうして出来上がったアイディアの軌跡が、どのチームも模造紙いっぱいに書き込まれていました。クエストの授業と通常の教科授業との大きく異なる点は、生徒たちに対する先生の立ち位置の違いにあります。普段、先生は教科を通じて生徒たちに知識を教えていきますが、クエストでは生徒たちが自ら取り組む探求(クエスト)をナビゲートしなければなりません。今回見せていただいた同校での取り組みは、新しい手法を取り入れた素晴らしい授業アレンジの一例ということだけにとどまらず、高橋先生の素晴らしい指導力が光っていました。「子どもたちの力を信じ、すべてを委ねる」、そのファシリテイションの力が見事に生徒たちの発想を広げるスパイスになっていたのだと感じました。生徒たちから出てきたこのアイディアの種たちが、このあとどのように花開くのか、とても楽しみです。

(※注)”ワードジャングル”を紹介している「KNOWS教育研究会」

www.facebook.com/KnowsExPress


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