クエストエデュケーションは、実在の企業や先人を題材に「生きる力」を育む学習プログラムです。
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『教育と探求』Vol.32 2014/3/11”『クエストカップ2014全国大会』開催”

おはようございます。
教育と探求社の宮地です。

今年も、生徒たちの一年間の学びの集大成の場、
「クエストカップ全国大会」が盛況の内に終了しました。
全国から集まった中学生、高校生が懸命に取り組んだ
探求の成果を、思い思いの形で表現してくれました。

見事、賞に輝いたチーム、
残念ながら賞を逃したチーム、
すべての生徒たちの頑張りに
心からの賞賛を贈りたい、そう思います。

もちろんやるからには、ほとんどのチームが
グランプリを目指してきたことでしょう。
納得のいかない審査結果を受け取り、
悔しい思いをしたチームも少なからずあると思います。
しかし、人生に於いて大事なことは、
「そして何を学んだか?」それ以外にはないのです。

友と本音で語り合えたか?
互いに理解し合えた瞬間があったか?
正解のない問いに果敢にトライしたか?
新たな自分を発見したか?
仕事のおもしろさを感じることはあったか?
人生について考える切っ掛けを得たか?
仲間の力を信じることが出来たか?
そして、自分の力を信じることが出来たか?

そのプロセスのすべてが、彼らの作品なのです。
「クエストエデュケーション」は、
子どもと大人が共に未来をつくる取り組みです。

中高生と企業や社会が力を合わせて、
未だ見ぬ未来をそこに描き出す取り組みです。

大人の経験や知識だけでもなく、
子どもたちの感性や自由さだけでもなく、
互いの強みをもちよって、両者が未来で
待ち合わせをするための取り組みです。

だから、ただ企業の課題に答えられたことが
すばらしいのではなく、賞をもらえたことが
すばらしいのでなく、このプロセスで探求した
夢や、希望や、愛の力を、この現実の社会で
実現していくことこそがすばらしいのです。

そして、そのことが、この地球に生きるすべての人の
使命だと私は思うのです。

新しい一年がはじまります。
クエストは今年で10年目の取り組みになります。

もう一度、原点に立ち戻り、歩み始めたいと思います。
すばらしい一年となりますように!

教育と探求社
宮地勘司

—-【目 次】————————————————–

1.教育と探求社からのお知らせ
2.クエスト実践事例紹介[都立芦花高等学校(東京)]
3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~

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1.教育と探求社からのお知らせ
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(1)「クエストカップ2014全国大会」開催

去る2月22日(土)、「クエストカップ2014全国大会」
が行われ、大盛況のうちに終了しました。

毎年約一万人の中高生が取り組む
「クエストエデュケーションプログラム」。
今年も本プログラムに取り組んだ全国の生徒から
1254作品が寄せられ、事前の書類選考を勝ち抜いた
全64チームが力漲るプレゼンテーションを
繰り広げました。
なお、大会の様子は17日(月)、
下記サイトに更新します。

◆各部門の審査結果はこちらから
www.questcup.jp/2014/award/

◆大会の様子はこちらから
www.questcup.jp/2014/ (3月17日予定)

(2)「朝日新聞」と「オルタナS」にて
クエストカップ2014全国大会の様子を掲載

2月27日(木)付け、「朝日新聞朝刊(全国版)」
の教育面(34面)と3月10日(月)付け、「オルタナS」
(若者による社会変革を応援する
ソーシャルメディア「オルタナ」が運営するサイト)にて
先日のクエストカップの記事が掲載されました。
alternas.jp/study/news/50213(オルタナS)

なお、朝日新聞の記事については
下記デジタル版でご覧いただけます。
www.asahi.com/articles/DA3S11001052

(3)“教育”をテーマに新たな価値を創造する
新プロジェクト「未来教育会議」を発足

教育と探求社は、博報堂ブランディングチームらとともに
「未来教育会議」を立ち上げました。
複雑化し、制度疲労を起こしつつある
今日の教育の課題をマルチステークホルダーで
解決しようという試みです。
3月16日(日)にはキックオフシンポジウムを
開催します。
関心のある方は、是非ご参加ください。

◆詳細はこちらから
http://goo.gl/bCr6z4

◆キックオフシンポジウムへのご参加はこちらから
www.wazoo.jp/open/mirai/

(4)社員募集

教育と探求社では現在、社員を募集しています。
ご興味のある方は、下記サイトにて
エントリーをお願いいたします。

◆詳細はこちらから
eduq.jp/recruit/

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2.クエスト実践事例紹介
 [都立芦花高等学校(東京)]
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このコーナーでは、
「クエストエデュケーションプログラム」
を導入している学校の授業での様子や、
ご担当の先生のインタビューを紹介します。

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先生インタビュー
【都立芦花高等学校 高柳恵津子先生、山田和利先生】
導入学年 (企業探究コース)高校2年生
授業科目 総合学習の時間
授業時間数 16時間
導入年数 2年目(2012年~)

Q.6クラス239名の生徒たちを一斉に授業を行うために
どのような工夫をされているのでしょうか?

A. (高柳) 関わる教員が、多くの生徒たちを見渡せる
環境を整えるために考え出したことがふたつあります。
ひとつは、クラス毎ではなく、企業毎に教室を分けて
教員を配置すること、もうひとつは
各教室にグループリーダー役の生徒を配置し、
その生徒が授業進行することです。

本校では総合学習の時間を使って実施しているため、
2年生の担任と総合担当の教員の12名体制で
授業を行います。
毎年担当が変わるので、だれがやってもスムーズに
授業進行できるような仕組みを作る必要がありました。

クエストは授業進行だけでなく、各グループの
話し合いの進捗状況の把握、それに合わせた
適切なアドバイスもしなければなりませんから
6企業分のミッションをひとりの担任が
すべて把握するとなると負担が当然大きくなるので、
それを何とかしたかった。

(山田)それに加えて、生徒たちの中だるみも
気になっていました。
いつも一緒に過ごすクラスメイトしかいない場合は
話し合いが停滞すると集中力が切れて、
ついダラダラしてしまう。
同じミッションに取り組むチームが側にいない状況では
“競い合う”意識が薄れ、結果、中だるみにも
つながったのではないかなと思います。

そんな彼らの様子を見ていて、
「時間を削ったほうがよいのでは?」
と考えたこともありましたが、
それって後ろ向きな考えだなと。
一年目はわからないことだらけで、
とにかくやるので精一杯でしたが
やればやるほど、生徒たちに
「この授業面白いな」って思ってもらいたい
という気持ちが高まって。
だから今年は、去年の反省点を徹底的に洗い出し、
高柳先生と、とことん話し合って
このような体制を作りました。

(高柳)クラス毎ではなく、企業毎に教室を分けた結果
教員たちは、ただ「頑張れ!」と応援しかできなかった
ところから、担当する企業の研究をして
的確なアドバイスができるまで
心の余裕を持てるようになりました。
一方、生徒たちの方も、同じミッションに取り組む
チームがつねに同じ教室にいるので、
適度な緊張感の中でグループワークに取り組むことが
できるようになりました。
ほかのチームが自分たちより進んでいると、
やっぱり焦るみたいで(笑)
“中だるみ問題”を解消することができました。

また、本来教員が担当する授業進行役を
“グループリーダー”と呼ばれる生徒たちに任せることで、
教員が全体の様子を見渡せるゆとりが生まれました。
グループリーダーとチームリーダーには
毎週木曜に集まってもらい、
授業進行の台本とともに、授業内容のガイダンスを
行います。

彼らには、この台本に沿って全員がスムーズに
グループワークを行えるような環境を作ってもらいます。
そのため、自分が担当する教室の生徒たちに
しっかり説明できるよう当日の段取りや、
やるべきことを徹底的に頭に叩き込まなければならず、
自然と責任感が生まれるわけです。
グループリーダーとチームリーダーがほかの生徒たちに
説明してくれるおかげで、われわれ教員は
今日の授業でどのチームを重点的に見ればよいか
作戦が立てられ、生徒たちへのサポート体制が
より強化できるようになりました。

(山田)それから、授業の工夫としてもうひとつ
取り組んでいることがあります。
短時間で生徒たちのアウトプットを出せるように
するために理解度に合わせた学校独自のワークシートや
配布資料を作ることです。

本校では16時間しか授業時間を確保できないため、
6クラスすべて同じ足並みに揃える必要がありました。
そこで考えたのが、生徒たちに合わせたワークシートや
配布資料を作ることでした。

ワークシートに関しては、クエストのワークブック(教材)
の中にあるものを加工して、チームで書きやすいよう
A3用紙に拡大し、2枚で収まるように整理したものを
使いました。
それから、生徒たちと先生方が全チームの進行状況を
把握できるようにするために企画内容とその理由を
一覧化したものを配布しました。

2枚にまとめられた大きなワークシートを使うことで
全員がひとつの作業に参加しやすくなり、
何を埋めなければならないか目に見えてわかるので、
締め切りに合わせてひとつの形にまとめるということが
去年よりもスムーズにできるようになりました。
配布資料に関しては、自分と同じミッションに取り組む
ほかのチームがどのようなことを考えているのか
一覧で見ることができるので、
これもまた適度な緊張感と“ひとつの形に仕上げる”
意識づけができたと思います。
一方、教員たちにとっては
自分の担当する企業だけでなく、
全企業分の進捗状況がつねに把握できたので、
どの企業のどのチームをフォローする必要があるか
教員同士の協力体制を高めることができたのが
よかったところですね。

Q. 生徒たちには何度か発表の機会が
与えられているようですが、どのようなことを意識して
行っているのでしょうか?

A. (高柳)“全員が主役になれる舞台を作ること”と
“全員でクラス代表を応援できる雰囲気を作ること”
を意識して、発表会の場を作りました。

今年は1月にクラス内プレゼンテーション、
3月の終業式前日に
「クラス代表プレゼンテーション大会」を行います。
「クラス代表プレゼンテーション大会」で全員投票による
「最優秀賞」と教員投票による「企画賞」を決定します。
そして、選ばれたチームは翌日の終業式で
賞状とトロフィーが贈られることになっています。

“全員が主役になれる舞台”というのが
一月に行われるクラス内プレゼンテーションの
位置づけですが、生徒全員で公平に
代表チームを決めるのがポイントです。
つまり、“個人審査⇒チーム審査⇒クラス代表決定”
というように段階的に選出していくわけです。

なぜ、そのような段階を踏ませるかというと、
選ばれたチームの生徒にもそうでなかった生徒にも
「クラスのみんなから選ばれた代表」
「自分たちで選んだ代表」
という意識を芽生えさせるためです。
クラス代表に選ばれたチームは“みんなから選ばれた”
ということが大きなモチベーションとなって
3月の大会に向けて真剣に取り組むし、
選ばれなかったチームも
「クラスのみんなからどのような評価を受けたのか」
目に見えてはっきりとわかるので、真剣に発表します。

クラス代表に選ばれなかった生徒たちが
「あー、あと一点でクラス代表に選ばれたんだろうな。
惜しかった~」と、達成感に満ち溢れた表情をしながら
チームメイトと話していて。
どんな結果であっても、クラス全員が一様に
達成感を味わえるって、素晴らしいなと感じました。

(山田)どの発表を見ても
「決して安易な気持ちで考えられた企画じゃないな」
ということを感じましたよね。

(高柳)ちょっと話が逸れますが、
今回の全国大会に出場したチームは
クラス代表に選ばれなかったチームなんです。
本当は作品審査にもエントリーしない予定だったのに、
たまたま私がこの作品を見ていて
「この作品、すごくいいな」と感じるものがあって、
急遽エントリーすることにしました。
それが思わぬ形で全国大会に出場できて、
彼女たちの努力が報われて。
直前で作品を出すことを判断して
本当によかったなと思っています。

(山田)彼女たちには最後まであきらめない
粘り強さがあったからだと感じています。
それは全チームの中でもずば抜けて優れていました。

ミッションが与えられてから作品提出まで
彼らだけはずーっと同じペースで話し合いをしていて、
全国大会出場が決まってからも、
その粘り強さは更に発揮しましたね。
本番まで3週間だというのに
校内でアンケートを改めて取り始めたり、
修学旅行先の沖縄でも、プレゼン用の素材を集めたり。
毎朝7:30~8:30まで自主練習をしたい
と申し出てきたときは驚きました。
平日のみならず土日も練習しに来ていましたから。
僕はただ、そばで見守っているだけしか
できませんでしたが、彼らが真っ直ぐに
ひとつの目標に向かって取り組む姿を見ていて
「ひとつのことに夢中になれるって、素晴らしいな。
この時間を大事にしてあげたい」
と、心の底から思いました。
だから、休日返上して彼らの練習に付き合うことは
全く苦ではありませんでしたね。

クエストカップ(全国大会)では残念ながら
企業賞を受賞することはできませんでしたが、
校内での「代表プレゼンテーション大会」で
さらになにかできるのではないかと考えています。
代表チームももちろんですが、クエストカップに出場した
チームも含め、最高の舞台を作ってあげたいですね。
今年をどのような形で締めくくることができるのか、
今からとても楽しみです。

◆過去の記事はこちらから
eduq.jp/interview/?p=763

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3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~
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このコーナーでは、ある高校でクエストに取り組む
現場の教師が、生徒と共に日々奮闘する姿を
エッセイ風に書き綴っていきます。

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3月7日 「生きることを探求する」

今年もクエストカップ全国大会が終わった。
毎年、このプログラムに取り組む生徒たちは
「あの大きな舞台に立ちたい!」
という淡い気持ちを胸に抱きながら
“答えのない問い”を一年かけて探求し、
“自分たちだけの答え”を見つける。

一方、それを評価する側も当然ながら
あらかじめ答えは持っていない。
そこに関わる大人たちが、全国大会という
限られた時間の中で、最善の答えを出し、評価する。

勝利に喜ぶチームの陰には、
負けて涙を流すチームが大勢いる。
頑張った人間が報われるなんて世界はどこにもない。
“悔しさが人を育てる”
“社会は不条理なことだらけ。
それを若いうちに学ぶのは大事”
安易な慰めを大人が口にしたとき、子どもたちは
そのことばの裏に大人の都合や嘘が隠れているか
瞬時に見分ける。
最善を尽くし、それでも報われなかった子どもたちに
かけるたったひとことのことばが、その子の人生を
どれだけ左右するか考えると、気安くことばをかける
ことなんてできない。
そのことばの重さを知っているからこそ、
とことん考え、考え抜いてから伝えたいと思う。
自分の心に本当に嘘偽りがないだろうか?
社会の常識を理由にして、正当化していないだろうか?

全国大会後、彼女たちと幾度もことばを交わしたが、
やはり核心をつくことは伝えきれずにいた。
それは自分自身に迷いがあり、
はっきりとした答えを持っていなかったからだ。

しかし、ようやく彼女たちに伝えるべき
納得のいく答えが見つけられた。
そのヒントをくれたのは、二年前、全国大会に出場した
ある卒業生のことばだった。
彼女は忙しい仕事の合間を縫って、
後輩たちの応援に駆けつけてくれた。
彼女は大会終了後、以下のメールをくれた。

「本日はお疲れ様でした。
クエストを観に行って、正解でした。
後輩たちのプレゼン、今の時代の流れに乗ることのない
熱い想いに胸を打たれました。
(中略)
自分たちが経験したことを貫き、
問題提起して何がおかしいのでしょうか。
本日のクエストは、教育という枠にとらわれ過ぎて
企画の本質を評価してくれていないように感じました。
やはり企業としては、学びの概念をぶち壊すことは
できないのでしょうか。
私個人の感想としては、彼女たちのプレゼンは
今思い出してもこみあげてくるものがあり、
本当に良いものを観させていただきました。
後輩たちがどれ程の苦労や葛藤をしてきたのか
実際には見てきた訳ではないので
大それたことは言えませんが、あの流れ、あの場所、
あの時まで、よくぞこの命題を、この企画を
貫いてくれた!と感じました。
彼女たちは自分たちの経験から
敢えて既存の概念にとらわれず、
その壁を壊そうとしました。
本当に企業に、社会に伝えたい強い想いを持って
あの場で自信を持ってぶつけてくれました。
それは彼女たちが人間味を持って生きているから
だと思います。
東大出ようが、京大出ようが、そんなものよりも
ずっと価値のあるもの。
それは人間味溢れる生き方ができるかどうか
だと思います。
彼女たちのような心を持った人たちが
これからも増え続ければいいな、と思うばかりです」

彼女のメールを読みながら、
これまでの一年間を振り返った。
最初は思いつきの表面的なことばしか
出てこなかったこと。
丹念に話を聞いていく中で、少しずつ
“胸の奥にしまっていたことば”を口にし始めたこと。
何度も逃げ出し、目を逸らしながらも
自分自身と向き合い、
ジグソーパズルを組み合わせるようにして
一つひとつのピースを彼女たちが集めた。
そうやって紡ぎ出されたことばは
彼女たちが無意識に抱いていた「世の中の理不尽さ」や
「納得のいかないこと」への怒りを昇華させ、
「よりよい世界を心から願う純粋な気持ち」へと
変化させていった。
その境地に行き着いた彼女たちのまっすぐな思いにこそ
本当の価値があったのではないだろうか。
モヤモヤとしていたものがゆっくりと消えていくのを
感じながら、卒業生の彼女が伝えてくれたことばを
じっくりと噛みしめた。

彼女たちのプレゼンを見たある人が
「彼女たちは自分や回りを深く振り返り、
生きることを探求し、生きる力を最も学んだ
一人だと思っています。それも自分らしく。
それが一番汲み取れたのが彼女たちだったから」
ということばを残してくれた。

彼女たちが自分のしてきたことに
誇りを持って前に進む姿を胸に
最後の言葉を、心を込めて贈りたい。

◆過去の記事はこちらから
eduq.jp/days/archives/1299


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