クエストエデュケーションは、実在の企業や先人を題材に「生きる力」を育む学習プログラムです。
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「教育と探求」Vol.20 2013/3/5 ”『クエストカップ2013全国大会』終了”

おはようございます。
教育と探求社の宮地です。

「明日、死ぬと思って生きなさい。
永遠に生きると思って学びなさい」

これは、あの有名なマハトマ・ガンジーの言葉です。

限りある命を燃やして精一杯“今”を生き切ること、
そして、自ら限界をもうけることなく学び続けることの
大切さを説いた言葉です。

今年のクエストカップの場にいてこの言葉を思い出しました。

生徒たちはどれほどの努力を重ねて今日のこの日を迎えたのか。
そして今、この瞬間にどれだけのエネルギーで私たちに
何かを伝えようとしているのか。
彼らの存在からまぶしいほどの光が迸っていました。

この日、たくさんの大人たちが、彼らの発表に涙しました。

それは、彼らが「子どもなのに」「未だ社会のこともよく知らないのに」
頑張ったからでは、決してないと思います。

そこに「生きること」の本質があったから、
これほど多くの大人たちが心揺さぶられたのだと思います。

ガンジーの言葉はこう続きます。

「重要なのは行為そのものであって、結果ではない」

近頃の私たちは、結果ばかりを気にして、
本質からどんどん遠くなっていくような気がしています。
自ら正しいと信じることをただ愚直にやること。
その行為の純粋性こそが、世界を変えてくれるのだと思います。

この日、開会式で、初出場の中学2年生が
高らかにこう宣誓をしました。

「私たちが日本を変える!」

このややこしくも、おもしろい時代にあって、彼らと共に、
未来をつくっていくことを、あらためて堅く心に刻んだ1日でした。

教育と探求社
宮地勘司

—-【目 次】————————————————–

1.教育と探求社からのお知らせ
2.クエスト実践事例紹介 [常翔学園高等学校(大阪)]
4.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~

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1.教育と探求社からのお知らせ
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(1)クエストカップ2013全国大会を開催しました

去る2月23日(土)、「クエストカップ2013全国大会」が行われ、
大盛況のうちに終了しました。

毎年一万人の中高生が取り組む
「クエストエデュケーションプログラム」。
今年も本プログラムに取り組んだ全国の生徒から
1,246作品が寄せられ、事前の書類選考を勝ち抜いた全51チームが
力漲るプレゼンテーションを繰り広げました。

◆各部門の審査結果はこちらから

http://questcup.jp/2013/award/index.html

(動画で当日の様子を見ることが出来ます)
◆当日の発表の様子と審査講評はこちらから

http://questcup.jp/2013/report/index.html

(2)オルタナSにクエストカップ全国大会の様子が掲載されました

若者による社会変革を応援するソーシャルメディア
「オルタナ」が運営するサイト「オルタナS」で、
クエストカップ2013全国大会の様子が掲載されました。

◆詳細はこちらから

http://alternas.jp/study/news/35668

(3)「卒業生へのインタビュー」のサイトがオープンしました

クエストエデュケーションプログラムに取り組んだ経験を持つ先輩たちに
当時感じたことや、その体験が今にどうつながっているかについて
語ってもらっています。
ご興味のある方は是非ご覧ください。

◆詳細はこちらから

http://eduq.jp/ob_interview/

(4)「生徒が輝く体験学習」~先生のための勉強会~
のご案内

教育と探求社では、全国の学校へお伺いし、
無料で先生のための勉強会を開催しています。

「キャリア教育に関心がある」、
「生徒のためになる面白い授業を行いたい」
など、ご要望をお聞かせ下さい。
目的に沿った勉強会をご提供させていただきます。

◆詳細・お申し込みはこちらから

http://eduq.jp/seminar/index.html

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2.クエスト実践事例紹介 [常翔学園高等学校(大阪)]
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このコーナーでは、「クエストエデュケーションプログラム」
を導入している学校の授業での様子や、
ご担当の先生のインタビューを紹介します。

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今月から3回にわたり、クエストカップ2013全国大会で
グランプリ受賞を果たした学校のインタビューをお届けします。
第一弾は「企業プレゼンテーション」部門グランプリを獲得した
常翔学園高等学校の倉田先生にお話をうかがいました。

クエストエデュケーションプログラム導入6年目となる同校は、
今年も15クラス699名もの生徒たちが取り組み、大和ハウスと
テーブルマークの2チームが全国大会へと進みました。

昨年は3チームが全国大会へ出場、全チームが企業賞を取ったものの、
惜しくもグランプリは逃してしまいました。
今年は、その雪辱を晴らすべく圧倒的な表現力と構成力で
会場にいるすべての人を惹きつける素晴らしい発表をしました。

また、昨年は新たな試みとして倉田先生が発起人となり、
愛知県の東邦高等学校と三重県の海星中学校、名張高等学校、
京都府の立命館宇治高等学校、奈良県の西大和学園中学校と合同で
「西日本合同発表会」を開催。
校内にとどまらずクエストを通じて知り合った先生方と一丸となって、
生徒たちの学びを深める場を作ることにも成功しました。

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先生インタビュー 【常翔学園高等学校 倉田 真先先生】

Q.「企業プレゼンテーション」部門でグランプリを受賞して
生徒たちの反応はどうでしたか?

A.相当驚いていましたね。
まさか自分たちが選ばれるとは思っていなかったみたいです。

常翔では毎年恒例?となって来ていますが、
全国大会に出場するチームは前泊したホテルで
生徒たちが納得するまで最後の練習をするのです。
そこに来るまでに準備をしっかり出来ていないのが原因とも思いますが、
グランプリを意識して、最後まで練習を続けたいと
生徒たちから言ってきます。
今年は昨年の結果を越えたいという気持ちを持って
取り組んでいたように感じました。

ところが、今回グランプリを取った「じぇAむず」チームは
最後までチームとしてまとまれずに、指導していた教員たちから
「そんな気持ちでやるならば、やめれば(出場辞退すれば)?」
と言われるほど苦戦していました。

結局、集中力が切れてどうにもならなくなったので
仮眠をとって早朝6時から練習することになったのですが、
全員が集合したのは7時。
ギクシャクした状態のまま、本番を迎えることになってしまいました。

彼らとしては「もっと自分たちはやれたのに」
という悔しさを残した中での結果だったようですが、
そばで見ていた私たちとしては気持ちがバラバラになりそうになっても
最後まであきらめず、本番ではこれまでで一番息の合った
プレゼンを見せてくれ、素晴らしい結果を残してくれたと思います。
ただ、なぜあの状況で心が一つになれたのか分からないですが(笑)、
とにかく最後の追い上げは「すごかった!」、の一言に尽きます。

Q.生徒たちのモチベーションを維持するのに、
どのような要素が大きかったですか?

A.「歴代の先輩たちの存在」と校内での「ライバルの存在」ですね。

これも毎年恒例となっているのですが、授業一回目に学年全体で
全国大会の動画を鑑賞して、キラキラ輝いている先輩たちの姿を
見せるんです。
そうすると「絶対に先輩たちを超える」「こんな風になりたい」
という意識が自然と芽生えて、明確なゴール設定ができます。
途中、中だるみすることはもちろんありますが、
最後は先輩たちの輝く姿を思い出すので
適当なところで妥協する企画は出てこなくなりましたよね。

発表会を何度も行うのも大きいと思います。
クラスでの中間発表をした後に本番発表会で各クラス1位を決め、
校内発表会で15クラスから1位を決め、
今回は西日本合同発表会での他流試合もありました。
そして全国大会の1st、2ndと・・・

何度も発表する機会を作ることによって、
どうしたら人に伝わるプレゼンができるか
考えざるを得ない状況になるのです。
毎回伝える対象者も変わりますので
プレゼンテーションが自然に進化していきましたね。
会を重ねる度に生徒たちの尻に火がついて、
飛躍的に成長していきます。

また、負けず嫌いな生徒が多いのか、
よそのクラスの情報を聞いて奮起するチームも結構ありますね。
「あそこは○○をテーマにやっているから、俺たちは違うのにしよ!」
といった感じで、担任の先生たちもうまい具合に
他クラスの情報を教えるので、それが刺激となっているようです。
「スライド枚数が他のチームは100枚超えたよ」
「他のチームは漫才でプレゼンするらしいよ」とか・・・もありましたね。

学校全体で「先輩たちを超えるぞ、日本をよくするぞ」
という明確なゴールを持っているからこそ、生徒同士、
先生同士が切磋琢磨し合って取り組めているのだと思います。

Q.生徒を指導するうえで、どのような工夫をされていましたか?

A.昨年まで私は、とことん生徒とかかわるスタンスだったのですが、
今年はあえて突き放した指導に変えました。
つい、何か言いたくなってしまうことが今年はなくなりましたね。

生徒から求められるときだけ必要最低限のことだけ言って、
ときには厳しい言葉をかける。
たとえば、「そこにどんな意味があるのか」とか、
「伝えたいものがあるのに、それが伝わってない」「まったく面白くない」
など、生徒たちが考えるきっかけを与えて、あとは生徒たちに委ねました。

それから企画のアイディアを決めるときに
どんなものを選んでも形になるということを伝えるようにしています。
ブレストのとき、本校では大きめの用紙3枚使って
どのチームも付箋で埋め尽くすのですが、埋め尽くしたのはいいけれど、
その後、どれを軸としておくべきか迷う傾向があります。
当然ですよね、多過ぎですから(笑)

僕個人の考えとしては、どれでもいいと思うんです。
どんなものを選んだとしても、伝え方次第で必ず人を惹きつける
プレゼンができると思うんですよね。

今年はバナナを例に生徒たちに話をしました。
今年のミッションになぞらえて「バナナを使って地球を救おう!」
「バナナは生きる原点だろ!バナナを使った新商品を作ろう!」
「バナナを自販機で売って社会を変えよう!」という企画を考えて、
僕が即興でプレゼンして見せます。
そうすると、生徒たちは一瞬、訳が分からないという表情をするのですが、
プレゼンを見ると「へー、すごい。面白い!」となるわけです。
「それ、良い!!」と生徒が思ったところでプレゼンをやめ、
「はい、先生の勝ち!納得した君たちの負け」と言ったりします。

つまり、興味を持たせたもん勝ちなんですよね。
生徒たちも納得すると、話し合いが一気にブレークスルーします。
逆に、何でも良いってなると余計悩む子たちもいますが(笑)

ちなみに、今年はそんな子たちのために
ブレストした付箋から目をつぶって、
3つ選んだもので企画を考えさせましたが(笑)
結果的にどのチームもきちんと形になっていました。

Q.最後に、新しい試みとして「西日本合同発表会」を企画されましたが、
やってみていかがでしたか?

A.この発表会をやったことで生徒たちの姿勢がガラリと変わりました。
今回グランプリをとったチームは西日本合同発表会でも選抜されて
発表したのですが、他校のプレゼンを見て
「こんなんじゃダメだ」と心底悔しがったし、
どうすれば全国に行けるか、勝つための努力を
本気で考えるようになったと思います。

その場で企業の方に講評をもらえた事も大きかったですね。
アドバイスを活かしてすぐにプレゼンテーションの修正に
かかっていましたよ。
グランプリ受賞後に、テーブルマークの企業の方から
「西日本合同発表会で講評した部分が見事に改善されていて感動した」
という言葉をいただいて生徒たちは喜んでいましたね。

合同発表会をやろうと思った目的はもう一つあって、
それはクエストを通じて出会った先生たちや
企業の方々を結びつけることでした。

去年6月にクエスト導入校の先生方が集まった
「ティーチャーズミーティング」で自分と同じような志を持って
クエスト授業を行っている先生たちと話し、
一緒にもっと出来ることがあるのではないか、
と考えたのがきっかけでした。

所属する学校も立場もまるで違う人たちが
「クエスト」という共通の話題でつながり、
企業の方々も巻き込んで、より良い教育を目指すことは
まさに教育の理想の形であるように感じています。

この活動をもっと広げて、高い志を持った教員を
世界中に広げたいですね・・・
まずはどの学校も校内発表会をUstreamで世界配信するところから!
と、さらに夢が広がっているところです(笑)

ありがとうございました。

◆過去の記事はこちらから

http://eduq.jp/interview/?p=575

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3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~
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このコーナーでは、ある高校でクエストに取り組む現場の教師が、
生徒と共に日々奮闘する姿をエッセイ風に書き綴っていきます。

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2月23日「クエストカップ全国大会」

全国大会本番の昼休み。
会場である法政大学の中庭を舞台に見立て、
大声で練習をする生徒たちをながめながら
「本当にこれが彼女たちなのか」
と夢を見ているような気持ちだった。

全国大会出場が決まってから本番まで
毎日が綱渡りをしているような心境だった。
3週間前の彼女たちから今の姿は
誰一人として想像できなかっただろう。

大舞台に立てることは必ずしも喜びであるとは限らない。
選ばれた生徒たちの多くは、喜びよりもむしろ
「選ばれなかったみんなの分まで頑張らなければ」
という責任の重さの方を感じていたことを、あとになって知った。

「せっかく選ばれたのだから全国の頂点を目指そう!」
と高らかに宣言したものの、掲げた目標と
自分たちの作品の質の低さのギャップを理解すると、
あらためて宣言したことの重大さに気づき、
日に日に焦りを募らせていった。

毎日遅くまで残っているのに一向に先が見えないことへの不安、
みんなの期待にこたえなければならないプレッシャーから
生徒たちの様子に異変が生じ始めた。

学校を休み出す生徒、朝遅刻して作業に参加しない生徒、
大事な場面でふざけてしまう生徒、アルバイトで帰ってしまう生徒。
それぞれの事情や本当の気持ちを理解し合えず、
つい攻撃的になって心無い言葉を発するようになっていった。

チーム内でいざこざを起こしている間にも
他の学校のチームは発表の練習をしていると思うと、
焦る気持ちばかりが募った。
情けなくて涙が出た。

やりたいことはたくさんあるのに
彼女たちの作業はどんどん遅れていき、
負担は残された生徒だけにのし掛かる。
最悪な状態が何日も続いた。

不満はついに爆発し、「このチームでやる意味がない」
「全国大会に出たくない」ということまで口にするようになっていた。
それが全国大会出場1週間前のことだ。

今まで味わったことのないような緊張を強いられた彼女たちは、
疲れとストレスでお互いを傷つけあうような言葉を発し、
毎日のように誰かが涙を流す。

そんなバラバラになった気持ちをどうにかつなぎとめてくれたのは、
ようやく形になりつつあった作品への「執着」だった。
バラバラになりながらも、残った生徒たちが
バトンをつなぐようにして企画をまとめ、
パワーポイントの修正を行っていった。

ここまでの苦労を無駄にしたくない。
きちんとした形で大勢の人に見てもらいたい。
心の底から芽生えた感情が作品への愛着へと変化し、
最後の3日間で劇的な変化を見せた。

台本を読むだけで精いっぱいだった彼女たちが
何度も何度も台詞を書き直し、
どうすれば人に伝わるか考えるようになるまで成長した。
作品に魂を吹き込むということは、まさにこういうことだ
というのを目の前で見せてもらった。
もういいだろう、とこちらが思っても、
まだ直したい、と言い出すほどこだわりにこだわりぬいて
最後まで練習した。

精神的にギリギリな状態になりながらも
「こうしたい」という思いを一つずつ形にし、
つぎはぎを貼り合せるようにして出来上がった作品。
たくさんの涙といざこざがあったからこそ、
この作品を通じて伝えたいメッセージが
彼女たちの心の奥にまで浸みこんでいった。

午前の発表終了後の講評で、審査委員の一人が
「ここまで来るのに、相当頑張ったよね」
という言葉をかけてくれた。
その人は、たまたま校内発表会で生徒たちの発表を
見てくれていたので、どれだけ成長したのかを理解してくれたのだ。
その言葉が一番胸にこたえ、泣きそうになるのを
必死でこらえた、と生徒たちが話していた。

どれだけ努力を積み重ねてきたか決して目には見えないけれど、
どんな言葉よりもその言葉が生徒たちの胸に響いたのは
彼女たちが精一杯問題と向き合い、努力したことの証だ。

去年の全国大会で米倉先生がおっしゃった
「成功ではなく成長が大事」という言葉を、
彼女たちは参観したすべての人たちに示してくれたのだと思う。
発表を参観した生徒たち、そして保護者の方の大半が涙を流し、
感動したことを聞き、彼女たちは賞を取ることよりも
ずっと価値のあるものを手にしたことを感じた。

◆過去の記事はこちらから

http://eduq.jp/days/archives/1175


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