クエストエデュケーションは、実在の企業や先人を題材に「生きる力」を育む学習プログラムです。
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「教育と探求」Vol.19 2013/2/5”『クエストカップ2013全国大会』出場校決定”

おはようございます。
教育と探求社の宮地です。

クエストカップまでいよいよ一ヶ月を切りました。
今年、全国の中学・高校から大会に寄せられた作品の総数は
1,246点。
その中から51作品を選出し、まさに先週末、各校の先生に
お知らせしたところです。

この数週間、企業の皆さんも休日返上で審査に取り組み、
応募されたすべての作品、一つひとつに
丁寧な講評をいただきました。
例年のことながら、どの作品も本当に素晴らしく
この中から出場チームを選ぶ仕事はとても辛く厳しいものでした。

「なぜ、その作品を選ぶのか?」
「ほんとうにそれでいいのか?」

審査する私たちこそが問われているような気持ちになります。

思いつきをカタチにしてみようという勇気。
納得いくまでとことんこだわる力。
笑いに包んでメッセージを伝えようとする優しさ。
突き抜ける情熱。

大人になると、結果ばかりを気にして、計算したり、心配したり。
これほど純粋な探求をすることが
むずかしくなってしまうような気がします。

ただ無邪気に、目の前のことに渾身の力を注ぐことが
どれほど価値のあることか。

今を生きる――。

過去への後悔でもなく、未来への心配でもなく、
ただ精一杯今を生きる。

これこそが、現実を動かす力であり、
先人が教える人生の要諦です。

この、“今を生きる力”を、生徒が身をもって教えてくれる日、
それがクエストカップです。

2月23日土曜日、東京・市ヶ谷の法政大学にて、
クエストカップ2013全国大会が開催されます。

教育と探求社
宮地勘司

—-【目 次】————————————————–

1.教育と探求社からのお知らせ
2.クエスト先輩インタビュー[千葉明徳高等学校(千葉)]
3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~

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1.教育と探求社からのお知らせ
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(1)クエストカップ2013全国大会の出場校が決定しました!

来る2月23日(土)、「クエストカップ2013全国大会」が
法政大学市ヶ谷キャンパスにて開催されます。
毎年一万人の中高生が取り組む
「クエストエデュケーションプログラム」。

今年も激戦を勝ち抜いた全51チームが
企業の方々をはじめとする審査委員の前で
プレゼンテーションを繰り広げます。

◆予選結果はこちらから

http://questcup.jp/2013/result/index.html

なお、一般の方の参観は下記サイトからお申込みいただけます。
席数に限りがありますので、お早目にお申込みください。

◆詳細・お申し込みはこちらから

http://www.wazoo.jp/open/questcup2013/ (応募フォーム)

http://questcup.jp/2013/index.html (公式HP)

(2)「生徒が輝く体験学習」~先生のための勉強会~
のご案内

教育と探求社では、全国の学校へおうかがいし、
無料で先生のための勉強会を開催しています。

「キャリア教育に関心がある」、
「生徒のためになる面白い授業を行いたい」、
等、ご要望をお聞かせください。
目的に沿った勉強会をご提供させていただきます。

◆詳細・お申し込みはこちらから

http://eduq.jp/seminar/index.html

(3)キャリア教育アワードで奨励賞を受賞!

ソフトバンクグループとともに小学校へ提供している
「未来×エネルギー プロジェクト」が
第3回キャリア教育アワード(経済産業省主催)において
奨励賞を受賞しました。

◆詳細はこちらから
http://goo.gl/yISLd (キャリア教育総合情報サイト)

http://goo.gl/aSUHV(ダイジェスト動画)

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2.クエスト先輩インタビュー [千葉明徳高等学校(千葉)]
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このコーナーでは、「クエストエデュケーションプログラム」
に取り組んだ経験を持つ先輩たちにお話をうかがい、
当時感じたことやその体験が今にどうつながっているか
振り返ってもらいます。

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今回インタビューに答えてくれたのは、
2006年に日産自動車から与えられたミッション
「あなたをワクワクさせる『マイファーストカー』を提案せよ!」
に取り組んだ、千葉明徳高等学校の渡辺哲史くんです。

同校は「ひとりひとりの人間性を引き出し、輝かせる教育」
を理念に掲げる千葉県の伝統校。
2004年から開設された特別進学コースでは
1、2年の異学年でチームを組み、クエストに取り組んでいます。

課題解決のためのブレストやプレゼンの制作を
先輩と後輩が協力してやることで、
まるで部活動のように、互いに学び合い、
高め合う文化が醸成されています。

現在、都内の私立大学に通っている渡辺くんは
今春、卒業と同時に、母校である千葉明徳中学校・高等学校へ
英語教員として赴任するそうです。

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先輩インタビュー 
【千葉明徳高等学校 渡辺 哲史 くん】

Q.異学年による授業はどうでしたか?

A.とにかく刺激的でしたね。
僕が入学した年に特進コースが開設されたのですが
当時は、1年生と2年生それぞれ1クラスずつしかいなかったので、
「他コースよりも人数が少ない分、縦のつながりを大切にしよう!」
という思いが非常に強くありました。

その縦のつながりを作ってくれたのが、クエストの授業でした。
今は総合学習や情報の授業で取り組んでいるようですが、
僕がいた頃は「フリーモジュール」という総合学習の時間で
ある一週間、月曜から金曜までまるまるクエストの授業に
充てていました。

みんなの熱中ぶりもすごくて(笑)、この授業を終えると
一気に先輩と後輩の距離が縮まって、気軽に話ができる
関係になりました。

「同じ釜の飯を食う」って感じで、朝から晩まで
毎日のように一緒に過ごし、ときには議論を交わしながら
企画を作り上げていく過程は、普段の授業では決して味わえない
充実感と達成感がありましたね。

また、普段の授業は6時間目まで、月曜、水曜、金曜に至っては
8時間目まで受験に向けた授業がびっしり詰まっているので、
クエストの時期だけは完全に勉強から解放されるのです(笑)
普段と違った環境で、学年も関係なく話ができる機会は
とても新鮮でした。

あとは、普段の授業で学んだことが
実社会へつながっていくことが実感できたこと、
これが一番の大きな刺激となりました。

当時、指導してくださった恩師の長嶋先生が
おっしゃっていた言葉ですが、
「知の習得から知の統合、そして知の伝播となる」
それを肌で感じることができたのは
僕にとって非常に衝撃的で、そのあとの人生を
大きく変えてくれました。

卒業してからも2年ほどクエストの授業に
ファシリテーターとして参加していたのですが、
クエストを通じて生まれた“DNA”が代々受け継がれ、
後輩たちに伝播していく様を目の当たりにして、
長嶋先生のおっしゃっていた言葉を改めて実感しました。

後輩たちが目をキラキラさせてアイディアを出し合う姿や、
僕のアドバイスを真剣に聞く姿を見ていると、
自分たちの“DNA”が確実に受け継がれていることを感じて、
本当に感動しましたね。

ファシリテーターとして応援するために参加しているはずが、
逆に自分たちが後輩たちから刺激をもらって、
色々なことを学んだ気がします。

また、自分たちのやっている勉強が
決して大学受験のためだけではないということを学べたので、
授業へのモチベーションが格段に上がったことも覚えています。

Q.異学年混成チームを組んで、よかった点は?

A.三つありますね。
一つ目は、学年毎に取り組む姿勢や学び方が変わるところです。

1年生の頃は先輩たちがチームを引っ張ってくれるので、
パワーポイントの使い方や、人に伝わる話し方といった
技術的なことを学ぶことが多かった。
話し合いにしても、最初は先輩に気後れして
自分の意見が言えなかったけれど、
先輩たちが話しやすい環境を作ってくれたおかげで
徐々に自分の考えを伝えられるようになったり。
グループワークの“いろは”を学んだように思います。

それが2年生になると、今度は後輩たちを引っ張る役割となり、
その難しさをとことん学ぶわけです。
リーダーシップとは何か、ということを深く考えさせられましたね。
同じチームの同級生と
「どうしたら後輩がリラックスして話せるようになるかな?」
ということを、しょっちゅう話していたのを覚えています。

その中で学んだことは、安心して発言できるようになるには
まず信頼関係を作ることが必要だということでした。

そのために、例えばチームを組んだ後輩たちのために
自腹を切ってご飯に連れて行ったり(笑)、
後輩の教室まで遊びに行って、積極的に話しかけて
授業以外のところで雑談をする時間を持ったり、
クエストの授業が本格的に始まる前の段階で
じっくり後輩との距離を縮めることをしました。

一見、無駄なことのように見えた下準備が
そのあとの話し合いを円滑に進めることにどれだけ役立ったことか。
全国大会出場は逃したものの、チーム全員が納得する作品を
作ることができました。

二つ目は、先輩がチームにいることで
精神的な支えがあったことです。
企画を詰めていく作業はどうしても不安になったり、
迷ったりすることがありましたが、その度に励ましてくれたり、
安心させてくれるような言葉を掛けてくれたことが
大きな支えになりました。

分からないことや考えていることを気軽に相談できるところも
異学年混成チームでやってよかったところですね。
先生だと、どうしても言葉に重みがあり過ぎてしまって
考えがまとまっていない状態のときには
聞きづらいところがあるので。

そして三つ目は、2年間継続して取り組んだことで
何か課題を与えられたときに、まずは自分で考えてから
人に意見を聞くこと、自分の考えを人前で分かりやすく伝える
という下地がしっかりできたことです。

クエストを始めた頃は、つねに受け身の姿勢で、
課題を与えられても「何をやったらいいですか?」
という質問をぶつけてばかりでした。
ところが、2年目を迎える頃には、自分たちで考えてみて、
実際にやってみてから「○○について、どう思いますか?」
と先生に言えるようになっていました。

自分たちでまずは考えてみること、それを行動に移してみることが
いかに重要なことなのか、実感できたからこそ
能動的な姿勢に変化したのだと思います。

Q.最後に、取り組んでいる生徒たちにメッセージを。

A.どんなことも「楽しもう!」「~しよう」という
能動的な気持ちが大切です。
クエストは自分を輝かせる最高の舞台になると思うので、
自分のすべてを出し尽くして取り組んでほしいです。

それと、知識を何となくインプットするだけではなく、
目に見えないつながりを意識しながら調査していってほしいです。
数学で学んだ論理性、国語で学んだ文章力など、
普段何気なく学校で学んでいることだってミッションに生かせます。
クエストの授業では知識をアウトプットする場がたくさんあり、
それらをフル活用できることに気づくはずです。

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3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~
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このコーナーでは、ある高校でクエストに取り組む現場の教師が、
生徒と共に日々奮闘する姿をエッセイ風に書き綴っていきます。

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1月25日「作品提出を終えて」

去年の悔しさをバネに、嫌なことや
辛いこととしっかり向き合うこと ――。

今年度もクエストの授業を担当することが決まってから
ずっと頭の中にあったのが、この言葉だった。

いつか働く彼女たちへ
この授業で何を残してあげられるか。

社会に出て、今よりもずっと苛酷な場面に直面するであろう
彼女たちは、今は学校の先生や親たちから守られ、
わがままを通せばどうにかなってしまう世界で生きている。

そんな彼女たちがたくましく世の中を渡っていけるように
それぞれが抱える問題や心の弱さと向き合い、
それを自分の力で乗り越えていく強さを磨くことだった。

昨年は学年で必修だったこの授業も、
今年はリベンジしたい生徒たちだけが集まった。

一年余り取り組んできた授業では、もどかしいことばかりだった。
自分の弱さや問題に気づいていながらも言い訳をしたり、
目を逸らしたり、楽な方へ逃げる生徒の姿を見るたびに、
私の中で複雑な感情が渦巻いた。

叱ること、間違いを指摘することも大事だが、
“信じて待つ”ことの方が大事なときもある。
ことに、クエストの授業に関しては、生徒の可能性を信じて
成長を待つことが、特に要求されているように感じる。

弱さや甘さは誰もが、いくつになっても持っている。
それとしっかり向き合うには、誰かから指摘されただけでは
本当に実感することはできない、と私は思う。

心からショックを受ける経験をし、痛い思いをして、
どうしようもない自分を受け止めることで、
はじめて正しい道を探すことができるのだと思う。

今年も苦難に満ちた一年を過ごした彼女たちは
今、何を思っているのだろうか。

彼女たちの心の奥底にある葛藤の軌跡を見るため
感想を書いてもらうことにした。

そこに書かれた文章は、彼女たちの葛藤した過程が
ありありと書かれ、自分の弱さや直面した問題に
向き合ってきた深さが、そのまま表れていた。

「去年の授業では気づかなかったこと。
それは先頭に立って物事を進めることの難しさ。
知らないうちにリーダーに責任を押し付けていた自分の甘さ。
周りのチームが進んでいるのを見て感じる劣等感。
周りに流されたくない、と思う気持ち。
たった数ヶ月で、こんなにも色々な経験をした。

でも、最後に出てくる言葉はメンバーへの感謝の気持ちだった。
今、彼女たちは色々な事情で学校を休んでおり、
1月から授業に参加できていない。
でも、決して好き好んで学校に来ないわけではない。
学校を休み、チームで作業できなかったことを後ろめたく思い、
それが彼女たちを苦しめているに違いないと思う。

最後の方は、みんなで話し合いが出来る状態ではなかったけれど、
それでも最後まで頑張ってくれたチームのみんなには
感謝の言葉しか出ない。ありがとう」

「去年と大きく違ったのは、人間関係について
深く考えさせられたことでした。

普段一緒にいると気づかないけれど、
みんなそれぞれ意見が違うこと、
仲が良いからといって、そのギャップを埋められるとは
限らないことを思い知らされました。

むしろ、親しいからこそ、その違いを受け入れられなかったり、
何度も衝突したり…
相手を本当に理解することの大切さを学んだ一年でした。

一時期、この授業が嫌で仕方なくて
胃が痛くなることもありましたが、
たくさんの衝突があったからこそ、前よりもずっと
チームメイトのことを理解できるようになりました。

全国大会に出たい、という気持ちで臨んだ今年の授業でしたが、
その気持ちが実は少し変化しています。
この企画を見てくれた誰かの心に残り、
少しでも将来の何か役に立つことができたら…
結果よりもそんな気持ちの方が強くなりました。

こんな気持ちになったのは、きっと自分たちの納得できるものを
みんなで作り上げることができた、と言えるからだと思います」

「『面倒くさいからやりたくないけれど、全国へは行きたい』。
いつのまにかそんな空気がチーム内に流れるようになった。

自分たちが考えた問題が企画にしづらかったことも原因だが、
なかなか問題と解決案がつながらず本当に死にそうだった。
精神的にやられた。

でも、色々なことを調べていくうちに
自分たちが決めた社会的課題の悲惨な状況を
目の当たりにして、涙が止まらなくなった。
『この気持ちを形にしたい』
そう思うようになって、真剣に向き合う覚悟ができた。
なんとか完成した作品、それは私の分身そのものだ」

「最初は簡単な思いつきで始まった企画のテーマが、
自分たちをものすごく苦しめることになった。

具体的なことを考えれば考えるほど
さまざまな問題が道を塞ぎ、
授業時間なにも進展せず終わることは何度もあった。

この授業を、次第に面倒くさいと感じるようになっていた。

一方で、去年同じ経験をしたからこそ、
自分が自信を持てるくらいやりきれていない罪悪感もあった。

そんな私の気持ちを盛り上げてくれたのはチームメイトたちだった。
いつも、場の雰囲気を盛り上げてくれたA子とB美、
初めてのことだらけなのにリーダーとして奮闘してくれたC子、
言いたい放題言って、バラバラになったアイディアを
きれいな形に仕上げてくれたDちゃん。

彼女たちと一緒に組めて、本当によかった。
普段どんなにふざけ合っていても、いざというときは
みんなやっぱり頼れる仲間なんだな、と改めて感じることができた。

消化不良なところもあるけれど、それでも最後まで
みんなと協力できたことを誇りに思う。

この授業で得たもの。
それは自分の創造力を広げることができたこと、
でもそれ以上に、チームメイト一人ひとりの重要性、
必要性を感じたことだと思う」

自分の問題と向き合う深さは、さまざまだ。
決して同じ物差しで見ることはできない。
一人ひとりの言葉と授業で私が目にしてきた
「格闘の軌跡」を重ね合わせると、
彼女たちがそれぞれの歩幅で、しっかりと
自分と向き合ったことを感じることができた。

その数週間後、予選結果の知らせが届いた。

全国大会に出場が決まったのは1チーム。
選ばれなかったチームも、選ばれたチームも
あらたに自分と向き合う課題を与えられた。

なぜ、自分たちが選ばれなかったのか。
与えられたチャンスを悔いなく、やりきることができるか。

全国大会まで1か月を切った。
これを乗り越えた先には、彼女たちの前に
どんな気づきが待っているのだろうか。


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