クエストエデュケーションは、実在の企業や先人を題材に「生きる力」を育む学習プログラムです。
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「教育と探求」Vol.17 2012/12/4”体験型環境教育プログラム『未来×エネルギープロジェクト』群馬実施”

おはようございます。
教育と探求社の宮地です。

去る11月26日、教育と探求社は8周年を迎えました。
これもひとえにみなさまの温かいご指導とご支援のおかげと
心より御礼を申し上げます。

当日は、オフィスでささやかな宴を催しましたが、
たくさんの方にお越しいただき、お祝いしていただきました。

学校の先生はもちろんのこと、企業の方、メディアの方、
国や自治体で働く方、NPOで働く方、大学生、ミュージシャン、
アニメーター、女優さん、声優さん、コピーライター、デザイナー、
カメラマン。
実に多様な方々が集まってくれました。
そして、この「多様性」こそが、教育と探求社の
価値創造の源泉であることを
あらためてこの日、感じることができました。

「多様性」とは、人工的につくるものではなく、
ありのまま、そのままを受け入れることだと私は思っています。
“自然”とは、そもそも「多様性」に満ちていて、
そこから生まれた“命”は、本来多様なものであると思うのです。
それ故、人が“命”を育む教育の場が「多様であること」は
あまりにも当然のことです。

戦後の焼け野原から大急ぎで復興するために、
「画一性」という補助輪をつけて疾走してきた私たちは、
そろそろその補助輪をはずす時期に来ているのでは
ないでしょうか?

人間が本来持っている力を呼び覚まし、すべての人が自律的に、
主体的に、自らが生きるこの世界を創造していく。
そんな世の中を、この日会社にお集まりいただいたみなさんと、
そして、このメルマガを読んでいただいているみなさんと、
一緒につくっていけたら、これに勝る幸せはないと思っています。

教育と探求社はようやく8歳です。
これまで、病気もけがもありましたが、
ようやく準備が整いました。
ここからは全力で走り出したいと思っています。

あらためてみなさん、どうぞよろしくお願い致します。

教育と探求社
宮地勘司

—-【目 次】————————————————–

1.教育と探求社からのお知らせ
2.クエスト実践事例紹介[常翔啓光学園中学校(大阪)]
3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~

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1.教育と探求社からのお知らせ
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(1)経団連教育支援フォーラムで事例紹介をします

今月12月14日(金)「経団連教育支援フォーラム」にて
弊社代表の宮地が探求型教育の事例紹介と
パネルディスカッションに参加します。

基調講演は、一橋大学の米倉誠一郎教授。
その他、若き教育改革の旗手たちが登壇し
教育の未来について熱く語ります。

まだ席にゆとりがありますので、
お早目にお申込みください。

◆詳細・お申し込みはこちらから

http://goo.gl/SQxzP

(2)「生徒が輝く体験学習」~先生のための勉強会~
のご案内

教育と探求社では、全国の学校へお伺いし、
無料で先生のための勉強会を開催しています。

「キャリア教育に関心がある」、「生徒のためになる面白い
授業を行いたい」、等、ご要望をお聞かせ下さい。
目的に沿った勉強会をご提供させていただきます。

ご興味のある方は、下記サイトからお申込みください。
◆詳細・お申し込みはこちらから

http://eduq.jp/seminar/index.html

(3)「クエストエデュケーションプログラム」体験会、今週末開催!

「クエストエデュケーション・企業探究プログラム」
の体験会を今週末、12月8日(土)に開催します。

楽しみながら企業や働くということについて学ぶ本プログラムを、
現場の先生方にも実際に体験していただく試みです。
残席わずかとなっておりますので、お早目にお申込みください。

日  時 :平成24年12月 8日(土) 13:00~17:00
会  場 :連合会館(旧総評会館) 会議室

http://rengokaikan.jp/access/index.html

(東京都千代田区神田駿河台3-2-11)

◆詳細・お申し込みはこちらから

http://www.eduq.jp/event/index.html

(4)小学生向け体験型環境教育プログラム
「未来×エネルギープロジェクト」の授業を群馬で実施しました

教育と探求社は、ソフトバンクグループの
SBエナジー社とエデュアス社と連携し、
iPadを活用した小学生向け体験型環境教育プログラム
「未来×エネルギープロジェクト」に取り組んでいます。

前回の京都市で行われた授業に引き続き、
11月28日(水)、29日(木)の2日間、群馬県にある
榛東村立北小学校の5年生に授業を行いました。

◆当日の様子はこちらから

http://eduq.jp/news/archives/4055

(5)第2回ティーチャーズミーティングが開催されました

去る11月17日(土)大阪にある常翔学園高等学校にて
「第2回ティーチャーズミーティング」が行われました。

当日は愛知、大阪、京都、奈良、三重から24名の先生方と
クエストの協力企業であるスカパーJSATの方に参加してもらい、
相互に交流を深めるミーティングを行いました。
普段なかなか話をすることのできない学校の先生方が
教育のさまざまなテーマについて話し合うことで、
たくさんの気づきを共有しました。

◆当日の様子はこちらから

http://eduq.jp/news/archives/4041

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2.クエスト実践事例紹介 [常翔啓光学園中学校(大阪)]
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このコーナーでは「クエストエデュケーションプログラム」
を導入している学校の授業での様子や、
ご担当の先生のインタビューを紹介します。

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今回インタビューを行ったのは、大阪府枚方市にある
常翔啓光学園中学校。
同校では「探求心と自学自習の力を育てる学習指導」を
教育方針として掲げており、週1時間、コミュニケーションの授業を
利用して「進路探究コース」に取り組んでいる。

訪問当日は、生徒たちがこれまでの14年間を振り返る
“自分史”の発表会を行うことになっていた。

「今日ようやく生徒たちが書き上げた作文を見られるので、
どんなものを聞かせてもらえるのか楽しみなんですよ」
とおっしゃるのは学年主任の森先生。
発表の準備をする生徒たちの輪にさり気なく入ると、
「これ、めっちゃ面白いやん!」
「○○、こんな文章書けるんか?!すごいなぁ」
「最後になればなるほど、面白さが増していくなあ」
「△△、作文のマス全部埋まってる!きれいに書いてるやん」
といった調子で、瞬時に生徒たちの文章の良いところをとらえ、
ストレートな言葉で感じたことを伝えていく。
生徒たちは少し照れながら、どこか誇らしげな表情だ。

クエストの授業に取り組んでいるのは中学2年生。
担任の外村先生をはじめとする4名と、学年主任の森先生が
協力しながら授業を進めているそうだ。

森先生は担任の先生方がスムーズに授業進行できるよう
配布教材の準備やクラス巡回の役割をしている。
「僕はプリント刷ったり、生徒たちの様子を見ているだけですわ」
と謙遜しておっしゃっていたが、授業進行する先生や
授業に取り組む生徒たちをつねに温かく見守り、
どんな小さなことも見逃さず、愛情のこもった言葉で
「褒めて伸ばす」姿勢こそが生徒の学びを
最大限引き出す場を作っていると感じた。

クラス発表会は関西の学校らしく、笑いの溢れる2時間だった。
「○○が発表のときは、登場の音楽を“徹子の部屋”風にしような!」
と話して先生と一緒に盛り上がる生徒たちがいるかと思えば、
鉄道が好きということを伝えるために、京阪電車の駅名すべてを
早口で披露する生徒がいたり、生徒たちが発表そのものを
楽しんでいることが伝わってきた。
発表後の質疑応答も漫才コントを見ているようなやり取りで、
途中から先生に「質問禁止!」と言われるほどの
盛り上がりようだった。

作文のカラーが男女ではっきり分かれていたのも印象的だ。
女子生徒の作文は、部活や学校行事の中で体験したことを
心の変化とともに丁寧に描写する作品が多かったのに対し、
男子生徒の作品は笑いの中にどこか“哀しさ”や
“葛藤”の断片を感じさせるものが多かった。
自分のこれまでの人生と真正面から向き合ったからこそ、
辛い経験を一人で乗り越えるまでの葛藤や強さが
文章からにじみ出て、単なる笑いだけでは終わらない
切なくなるような深い味わいのある作品に仕上がっていた。

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先生インタビュー
【常翔啓光学園中学校 森 昌範 先生・外村 真也 先生】

Q.ここまでの授業で印象に残っていることは何ですか?

A.森:自分史を執筆するための準備として前半に
小さい頃のエピソードを話し合うステップがありましたが、
そこでのグループワークが非常に盛り上がっていたのが
印象に残っていますね。

家から持ってきた写真を見せあって、エピソードを聞くはずなのに
誰も人の話を聞いていない、自分の話をするのに一所懸命で
まるで大阪のおばちゃんみたいな状態になってましたね(笑)
アルバム一冊持ってきた生徒もいたぐらいですから。

結局、一時間近くかけて話し合いましたが、
あのワークがあったからこそ自分の原点に気付くことができたり、
クラスメートの背景を知って距離が縮まったのだと思います。

Q.自分史を執筆する際に、どのようなアドバイスをされましたか。
また工夫されたことはありますか?

A.外村:誰が見ても「○○の作品だ!」と分かるように
自分の個性がしっかり出るような文章やエピソードを書くよう
アドバイスしました。
書きあがった作品を見ると、どれもその生徒らしさが出ていて
読み応えがありましたね。

それと、これは工夫ではないかもしれませんが、
一人でやる作業については、できる限り授業ではやらずに
宿題にするようにしました。
学校ではどうしても周りがガヤガヤしたり、
友達のことが気になったりするので、
自分の思ったことや本心が書けないみたいです。
落ち着いて自分とじっくり向き合う時間が必要なんですよね。

両親から小さい頃のエピソードを聞くことで色々な記憶が蘇って
書きたいことが膨らむというのもありますが、
一人の時間を持つことでさらに内容が深まるようです。

Q.最後に、この授業をやっていて良かったと思う部分を
教えて下さい。

A.森:まず、前半の人物ドキュメンタリーを作ったことによって
「段取り力」がついたことです。

人物ドキュメンタリーを作るためには、その人物について調べ、
彼らの人生を読み解いていかなければなりません。
一つの作品としてまとめるためにはインタビューしたり、
図書館で調べたり、段階を踏んで進めていかなければならない
ということをしっかり体験することになります。
その結果、普段の授業だけでなく学校生活の中でも
次に何をするべきか考えて行動するようになりましたよね。

一方、後半の自分史執筆をやって良かったところは
1年生で勉強してきたことを実践する場になっていることです。

クエストの授業は「コミュニケーション」
という教科で行っていますが、ここでは
①自分の意志や感情を表現し、相手に理解してもらえる能力
②相手の意思や感情を尊重し、聞き出す能力
③相手の表情や状況を見ながら自己表現できる能力
を育成することを目指して、3年間、独自のカリキュラムを組んで
取り組んでいます。

1年生では作文の基本的な書き方を勉強し、
2年生1学期で外部講師のリレー授業を受けた後
クエストの授業に取り組むので、
1年半かけて積み上げてきた勉強を
しっかり実践できる流れになっています。

その後、3年生では、卒業研究として自ら選んだ興味・関心のある
テーマについて調査し、まとめたものを10分間で発表します。
この卒業研究が、まさにクエストの人物ドキュメンタリー作成と
自分史執筆で養った力を試す集大成となっていると感じます。

ようやく自分史の発表を終えたので、この後の未来編の執筆で
さらに学びを深めていって、勉強したことを自然な流れで
卒業研究へ繋げてくれることを楽しみにしています。

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3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~
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このコーナーでは、ある高校でクエストに取り組む現場の教師が、
生徒と共に日々奮闘する姿をエッセイ風に書き綴っていきます。

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11月16日「チームの試練(前編)」

今日はクエストに取り組んでいる生徒たちが
半年近くかけてつくりあげた企画を発表する大事な日。

その大事な日に待ち構えていたのは“最悪の事態”だった。

「先生、A子が熱を出して欠席みたいです」
不安そうな表情をしたその生徒は、私の姿を見つけると
ほんの数分前、A子の担任が電話口で話していたことを
教えてくれた。

「このタイミングでやったか ―」
A子がどこかでつまずくことは予想していたが、
まさかこのタイミングで発表に穴を開けるとは
想像もしていなかった。

「具合が悪くて休みか・・・ そうか」
反射的に出た言葉は自分の気持ちを落ち着けるためだったが、
動揺した気持ちを生徒に隠すための精一杯の強がりでもあった。

A子は今日の発表で使う資料のすべてを持っていた。
彼女が来なければ発表はできないかもしれない。
残りのメンバーの状況を確認するために、教室へと向かった。

教室に入ると、ほかのチームが発表の最終確認をする中で
B子が教室の片隅に、ひとりポツンと立っていた。
B子から話を聞くと、本当ならばこれから3人で
原稿の最終確認をすることになっていたらしい。
もう一人のメンバーであるC子はまだ来ていなかった。

幸いなことに、修正していた原稿はB子が持っていた。
発表はどうにかできそうだ。
残りは発表用のパワーポイントと、A子が修正した内容の確認。
早速、A子の自宅に電話してみると、母親が電話に出た。
A子と話がしたい旨を伝えたが、結局、彼女から連絡はなかった。

「自分はこんなに頑張ってやっているのに」
そんなことをA子が訴えているように感じた。
A子が休んだのは熱が出たからという理由だけではない。
B子とC子に対する不信感と、チームの中でひとり奮闘する
孤立感が引き金となっているのは明らかだった。

3日前、A子がこんな言葉を漏らしていた。
「『○日までに原稿を送って』と何度メールしても返事が来ない」
「『わからないことがあったら何でも相談して』
とメールしても、一度も反応が返ってきたことがない」

A子は何としても全国大会に出場したい、という気持ちで
一生懸命頑張っていたが、残りふたりのメンバーが
何を考えているか分からず苦戦していた。
彼女がふたりと何とか距離を縮めようと努力する気持ちを
理解する一方で、メールばかりに頼って
コミュニケーションを取ろうとする3人の距離感に
ずっと違和感を覚えていた。

この微妙な距離感は決してA子だけの原因ではなかった。
B子は日頃から自分の気持ちや考えを口に出して伝えるのが
人一倍苦手な生徒だった。
そのため、A子に対しても自分の仕事の進捗状況や
自分がどうしたいのか、まったく伝えられていなかった。

ここ数週間、寝る時間を削って発表の原稿を修正していたことは
B子の母親から電話があって、私も初めて知った。
しかし、A子からしてみれば、何も話してくれないB子は
「期限も守ってくれないし、相談もしてくれない」
何を考えているかわからない存在にしか映っていなかった。

C子の態度もA子に不信感を与えていた。
C子は基本的にはA子から指示を受けたことしかやらず、
複雑なことになると「わからない」といって、
すぐに逃げ出す傾向があった。
ふたりが話し合っているときでも、ひとりだけ絵を描いて
話に参加しないことも度々見受けられた。

3人それぞれが原因を作って
今、最悪の事態を生んでしまっている。
それをいくら嘆いても仕方ない。
彼女たちの発表は1時間後に迫っていた。

手元にあるのはB子が修正してきた原稿のみ。
あとはふたりでどうにかするように指示を出し、
すべてを任せることにした。

A子はこれまでいつもひとりで先回りして考え、
一方的な指示を出すことが多かった。
B子とC子は積極的に動いてくれるA子の行動力に甘え、
自分たちからA子と話し合う場を作ることは一切しなかった。

A子不在の中での発表、という突然舞い込んだ試練は
3人が“協力して一つの作品を作る意義”に、
もう一度向き合うきっかけになるかもしれない。

ふたりは見事に修羅場を乗り越えた ――。
込み上げてくる感動を抑えながら
彼女たちの姿を静かに見守った。

B子はいつもと違う、はっきりとした声で
堂々と自分たちの企画を発表した。
A子が書いた原稿を「ただ読まされている」のとは
明らかに違っていた。

それはこの数週間、A子が書いた元原稿を
何度も何度も読み直し、自分の言葉で表現できるよう
修正してきた積み重ねがあったからだろう。
B子の試行錯誤のプロセスが
彼女に自分の言葉でしっかりと話すための自信を与えた。

C子の発表はかなりおぼつかないものだったが、
当事者としてしっかり参加していることを証明してくれた。
発表後、何人ものクラスメートから
「あの時のCちゃんの受け答えはすごかった」
と褒められるほど、口下手なB子をサポートしていたからだ。

何とか最悪の事態は乗り切ったが、
あらたな問題が私の頭をかすめていた。
A子の「自分だけが…」という気持ちを
どうやって気づかせたらよいだろうか ――。

何の答えもないまま、再びA子の家に電話を掛けた。


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