クエストエデュケーションは、実在の企業や先人を題材に「生きる力」を育む学習プログラムです。
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「教育と探求」Vol.13 2012/8/7 ”日経エデュケーションチャレンジ2012 ”

こんにちは。
教育と探求社の宮地です。

さあ、いよいよ今日は日経エデュケーションチャレンジ当日です。
この日を迎えるために、6社(クラリオン、クレディセゾン、
第一三共、パスコ、富士通、LIXIL)の企業人講師が
たくさんの時間とエネルギーを費やし、
渾身の授業を作り上げました。
全国から集まった高校生がこれをどのように受け止め、
自らの学びとするのか、今から楽しみでなりません。

振り返れば、日経エデュケーションチャレンジも今回で12回目。
ちょうど干支が一回りしたことになります。
初期の卒業生たちは、政治、教育、ビジネス、農業、
ロボットなど社会の至る所で、すでに活躍し始めています。
ある夏の、ほんの数時間の体験が、ひとりの人間の人生を
これほどまでに変えてしまうのか、そんな場面を
これまで何度も見てきました。
場や小さなきっかけを与えることがどれほど大事なことか、
と思うとともに、ひとりの人間の中には
どれほどの可能性が秘められているのか
つくづく考えさせられます。

人が殻を脱ぎ捨て、自ら新しい可能性を開くとき、
本当に美しいきらめきを放ちます。
そして、私たち教育と探求社も、
この日経エデュケーションチャレンジをきっかけとして
生まれた会社です。

初心忘るべからず。
これからも、ひとりでも多くの人がいきいきと
自分らしく生きる社会の実現に向けて
力を尽くしていきたいと思います。

教育と探求社
宮地勘司

—-【目 次】 ————————————————–

1.教育と探求社からのお知らせ
2.クエスト実践事例紹介 [百合学院中学校・高等学校(兵庫)]
3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~

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1.教育と探求社からのお知らせ
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(1)「クエストエデュケーションプログラム」体験会のご案内

「クエストエデュケーション・企業探究プログラム」
の体験会を開催します。

楽しみながら実在の企業について学ぶ本プログラムを
現場の先生方にも実際に体験していただく試みです。

効果的なプロジェクト学習の進め方や
グループワークのファシリテーションについて学び、
さまざまな実践的スキルを身につけることができます。

ひとりでも多くの教育関係者の方に参加していただき、
日々の授業運営や教育活動の参考にしていただけたら幸いです。

日程は下記の通りです。

日時: ●平成24年10月20日(土) 13:00~17:00
●平成24年12月 8日(土) 13:00~17:00
会場: 連合会館(旧総評会館) 会議室
http://rengokaikan.jp/access/index.html
(東京都千代田区神田駿河台3-2-11)

参加ご希望の方は下記URLにて必要事項をご記入の上、
お申し込み下さい。
http://www.eduq.jp/event/index.html

なお、場合によっては場所を変更する可能性がありますので
あらかじめご了承ください。

(2)「ミッションミーティング」(西日本)が開催されます

「クエストエデュケーション・企業探究プログラム」に取り組む
西日本の中学・高校の生徒と、クエスト協力企業の社員の方々が
一堂に会し、交流を深める「ミッションミーティング」を開催します。

生徒が企業の方々と直接意見交換をすることで、事業内容や
企業理念に対する理解を深め、与えられた課題(ミッション)への
探求を深めていくことを目的としています。

また、同じプログラムに取り組む他校の生徒との交流を通して
刺激を受け合ったり、気づきを共有することも
大きな魅力のひとつです。

日時: 平成24年9月15日(土)13:30~16:30
会場: 京都市立西京高等学校

なお、本イベントは一般の方の受付は行っておりません。
このプログラムや取り組みに関心をお持ちになって
見学等を希望される方は、下記電話番号まで
お問い合わせください。

教育と探求社 ミッションミーティング事務局
TEL: 03-6674-1234

(3)「教育再生フォーラム・エキサイティングエデュケーション2012」
のご案内

「教育を変えて日本を変える!」をテーマに、
教育の諸問題に真っ向から取り組み、
叡智を集め、その具体的な解決策を模索するフォーラムです。
パネリストは教育のさまざまな分野で活躍されている方々。
来月のメルマガで詳しくお知らせしますので、乞うご期待。

日 時: 平成24年10月14日(日)13:30~16:30(予定)
会 場: 中央大学駿河台記念館 2F 285教室
(東京都千代田区神田駿河台3-11-5)
対象者: 教師・学校関係者・メディア関係者

なお、参加ご希望の方は下記メールまたはFAXに
●お名前 ●学校名/企業名または団体名 ●電話番号
をご記入の上、お問い合わせ下さい。
メール info@eduq.jp
FAX   03-6674-1596

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2.クエスト実践事例紹介 [百合学院中学校・高等学校(兵庫)]
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このコーナーでは、「クエストエデュケーションプログラム」
を導入している学校の授業での様子や、
ご担当の先生のインタビューを紹介します。

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今回訪問したのは、先日7月23日(月)に
早くも今年のプログラムを終え、校内発表会を行なった
兵庫県尼崎市にある百合学院中学校・高等学校です。

同校は「純潔と愛徳」を校訓としたカトリック系の女子校で、
品位ある人格を育成するとともに、
生徒一人ひとりの可能性を伸ばし、
世界で活躍する女性を育成することを目標としています。

クエストの授業に取り組んでいるのは
自己探究(IE)コースに所属する高校2年生の計40名。
このコースでは自分を深く知ることによって最も適した学部・
学科を見つけ、希望の大学への進学を目指すことを
主軸にしており、そのカリキュラムに組み込まれている
クエストの授業は地元の幼稚園や病院、旅行会社などで
インターン体験をするための事前学習として行なわれています。

毎年、夏の4日間で集中的に行なうクエストの授業は
今年で10年目。
校内発表会を終えたばかりの池本和歌子先生と
谷内圭介先生のお二人にお話をうかがってきました。

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先生インタビュー
【百合学院中学校・高等学校 池本和歌子先生 谷内圭介先生】

Q.御校では、担任のおふたり以外にも授業をサポートされている
先生方が何名もいらっしゃいましたが、どういった役割分担で
運営されているのですか?

A.谷内:私たち2年生の担任が授業を進め、
サポートに入る先生たちはブレインストーミングや
プレゼンテーションの準備を行なう際のファシリテイターとして
手伝っています。この先生たちは現高校1年生の担任で、
来年への準備も兼ねて積極的に関わってくれています。

池本:私たちふたりだけでは目が行き届かないところもあるので、
非常に助かっていますね。
いろんな先生方に入ってもらうことによって、
生徒へのちょっとした声かけもでき、
偏りなく見ることができています。
彼女たちの学ぼうとする意欲に対して
きめ細やかなサポートができていると思います。

Q.4日間でこのプログラムを行なうので、生徒たちにとって
非常に集中力が要求されると思うのですが、
今年の生徒たちはどんな反応を示していましたか?

A.池本:彼女たちは入学したときから全国大会に行く直前の
先輩たちの壮行会を見てきているので、この形式の授業自体には
抵抗を感じるよりもむしろ楽しみにしている生徒のほうが多いです。

谷内:中学から入学した生徒たちは、
壮行会を既に4回も見ていることになります。

池本:そんな背景もあって、校内ではこの授業をやることが
すっかり定着しており、みんな素直に取り組んでくれていますが、
見るのと実際にやってみるのとでは全然違うことを
痛感したようです。授業の途中で、
「こんな大変なことを先輩たちは4日間でやってきて、すごい!」
といっている生徒が結構いました。

谷内:ずっと先輩の背中を見てきているので、
今年の生徒たちもほぼ全員が「東京に行くぞ!」
と気合を入れて、取り組んでいたのではないかな(笑)

Q.これまで歴代の生徒たちを見てきた中で、
全国大会に出場するチームとそうでないチームの
違いはありますか?

A.池本:企業についてとことん調べ尽くし、
それでもあきらめないで「まだ何かあるんじゃないか」
と探し続けるチームが、結果的に全国大会へ
出場しているように感じます。
これまでの実績を振り返ってみると、
校内選考会で最優秀賞を取ったチームが
全国大会に出場するのは実際半々というところです。

その理由は、やはりプログラムが終わったあともあきらめず、
最後のギリギリまで探求し続けたからだと思います。
実際、以前全国大会に出場したチームも、
全チームの中で一番準備ができないまま発表会に臨み、
悔しい思いをして終わりましたが、その悔しさをバネに
見事、全国大会への切符をつかみました。
今年の生徒たちにとっても、この実績は励みになると思うので、
授業の最後でしっかりと伝えてあります。

Q.この授業を行なうにあたって、先生方はどのようなことを
心がけていましたか?

A.池本:生徒たちの意識を整える意味で、
ふたつのことをやっていました。
ひとつは、クエストを始める前に何度も
「仕事というのは知らない人と一緒に何かひとつのことを
仕上げることだから、だれとでも、どんな状況においても、
同じ目的に向かって取り組むことなんだよ」
ということを話してきたことです。

谷内:普段あまりしゃべらないような生徒同士が
自然と関われるように、ホームルームのグループワークでも
チームを何度もシャッフルして慣れさせたり、
本番のチーム分けをするときも生徒たちの希望には沿いつつも、
これをきっかけに新たな交友関係が広がるようなチーム編成に
しました。

池本:それともうひとつは、私たち教師自身が
普段と違う雰囲気を作るような工夫をしました。
例えば、いつもよりもかっちりとしたスーツで授業に入り、
企業にインターンしているという雰囲気を醸し出したり、
いつもとは違う話し方で接することで
「今日は先生ではなく、企業の先輩だよ」というモードで、
緊張感を維持できるようにしました。
もちろん、そういう表面的なことだけではなく、
私たちがいつも以上にテンションをあげて関わることによって、
生徒たちの気持ちを盛り上げられるようにも心がけました。

Q.クエストの授業を終えてみて、どんなところで
「やってよかったな」と感じましたか?

A.谷内:普段あまりしゃべったことのない生徒同士が、
グループワークを通してその子の新しい一面に
気づけたことが大きいなと感じました。
それは私たち教師にとっても同じことがいえるのですが、
普段の授業では見えないような、その生徒のよさを発見でき、
生徒も先生も感心することが多かったですね。

池本:この授業をしている4日間、
「あの子すごかったよね、あんなことできるんだ!」
の繰り返しで、毎日のように感動していました。
それから、これまでの生徒たちの姿を振り返ってみて、
答えのないものを一生懸命探求していく中で
自分のやりたいことを見つけ、進路に生かしたり、
これをきっかけに自分の人生を真剣に考えるようになった生徒が
多いな、ということを感じています。

Q.最後に、印象に残ったエピソードがあれば教えてください。

A.池本:この授業に関わる度にいつも刺激を受けるのですが、
答えのないものを追い続けているときの生徒たちの表情が
すごくよくて、それが一番印象に残っています。

谷内:毎日そのことは話していました(笑)
そのくらい普段見せないキラキラした表情と出合えるんですよ。

池本:授業2日目に暴風雨警報が出て、
作業の途中で下校させることになってしまったときも、
私たちが何度帰るように指示を出しても
「まだ帰りたくない、もっと作業したい!」といって
泣き出す生徒が出るくらい、本当に一生懸命
取り組んでくれていました。
それから、チームで協力して作品を仕上げていく中で、
思うように進まなかったり、100%の力を出し切れず
モヤモヤした経験をしながらも、最後までやり遂げた
達成感みたいなものを感じている生徒たちの姿が
印象に残っています。
こういった感覚は、教科書を使って勉強するだけでは
決して得られないものなので、教科学習にはない
集団で何かひとつのものを作り上げる
このプログラムだからからこそできる体験だと感じています。

 

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3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~
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このコーナーでは、ある高校でクエストに取り組む現場の教師が、
生徒と共に日々奮闘する姿をエッセイ風に書き綴っていきます。

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7月31日「昨日までの自分を乗り越えるために」

クエストの授業を実施するにあたって
今年度、自らに誓った目標がある。

それは、生徒全員が「人としての誇りを持てるようになること」。
そのために達成すべきことは
「全員が悔いを残さずやり切ること」である。

結果ばかりが求められる社会で生きている彼女たちは
それが社会の常識だと信じて、疑う余裕すら与えられず、
必死になって「目に見える結果」を出そうと努力する。
もちろん、それも必要だろう。

しかし、長い人生を考えたとき、本当に必要なことは
人として成熟することだ。
そして、そのためのヒントは
何か一つのことに真剣に取り組む過程で出遭う
「困難や葛藤」の中にちりばめられている。

「全員が悔いを残さずやり切ること」
そんな壮大な目標を自らに課した私は、
当然のことながら、毎回の授業で頭を抱えることになる。

目の前の生徒たちの姿は、自分の教育の善し悪しを映す鏡だ。
彼女たちの姿を見てネガティブなことを感じたときは
自分の教育がまだ至らない証拠である。
毎回の授業で自らの姿勢を厳しく問われ、試行錯誤を繰り返す。

「悔いを残さずやり切る」ということはどういうことだろうか。
私は「目の前に立ちはだかる問題から目を逸らさず、
立ち向かっていくこと」の積み重ねである、と捉えている。
これは、これからの人生で彼女たちも
何度も向き合わなければならないテーマとなるはずだ。
昨日までの弱い自分を乗り越えることを、この授業の中で
どうやって体験させればよいだろうか。

そんなことを考えていると、大きなヒントとなる出来事があった。
追試に合格できなかった生徒たちが再追試のため、
教室に残ったときの話である。

「もうできたから、テストを受けさせてください」
残ったふたりの生徒のうちのひとりが、明らかに
「早く帰りたい、この場を逃れたい」という気持ちで
私に声を掛けたことを感じたので、
「次のチャンスはないから、本当に完璧になったらやろうか」
という言葉を返した。

不服そうな表情をした彼女は、それでも私の言葉に従い、
再び自分の机に向かって、勉強を再開する。
しばらくすると、また「テストをやらせてほしい」
といってくるので、先ほどのやり取りを何度か繰り返した。

追試の終了時間まで残り1時間を切っていた。
心の中でいろいろな葛藤があった末、
「昨日まで乗り越えられなかったことを乗り越えさせること」
をさせたい、という思いが私の心を動かした。

追試に合格させるという「結果」ではなく、
追試という機会を通じて、彼女が授業で一度も果たせなかった
「苦手なことから目を逸らさず、自分の力で乗り越えること」
をこの場で絶対に実現しようと決めたのだ。

覚悟が決まると、先ほどまで気にしていた時間のことなど、
どうでもよくなった。
私はその生徒に向かって、極めて穏やかな口調で、
しかし厳しく、同じ言葉を繰り返し伝えた。

そのうち、彼女は「もう出来ないよ」と呟くと、
涙をこぼし、勉強どころではなくなってしまった。
それでも彼女は、涙を手で拭いながら必死で
ノートに向かって鉛筆を動かし始めた。

最初は「早く帰りたい」「やりたくない」という気持ちで
目を逸らしていたが、逃れられない状況に身を置かされ、
涙が止まらないほど追い込まれたのだ。

「辛いけれど、これを乗り越えようよ。
●●ちゃんだったらきっとできるから」
私にできることは、もはや彼女が問題と向き合うための
応援だけだ。その応援には、一足先に終えた
もう一人の生徒も加わり、長時間に及んだ。
張りつめた空気に満ちていた教室が、いつしか
3人で乗り越えてやるんだ、という前向きな空気に
変化していくのを感じた。

「本当によく頑張ったね、お疲れ様」
すでに2時間が経過していた。
解答用紙に大きな丸をつけて、
声を掛けたときの生徒の表情は、これまでの授業で
一度も見たことがない表情で、眩しいくらいに輝いていた。
その表情から彼女自身が壁を乗り越え、やり遂げた達成感を
味わったことを感じとった。

彼女は私に教えてくれた。
「大人の都合で生徒の行動を無理矢理変えようとするのではなく、
その子が自ら動き出すまで辛抱強く待つこと」を。
「純粋な気持ちで生徒の変化を願ったときに、
その気持ちは生徒に伝わること」を。

生徒に自分の理想を押し付けて、無理矢理行動を
強いるような教育をするようになったら、
きっと、私はこの教室に存在する価値はないだろう。

私が掲げた「全員が悔いを残さずやり切ること」という目標が、
生徒たちにどのような結果をもたらすか
それは5年後10年後にならないとわからない。
もしかしたら、私が間違いを犯しているのかもしれないし、
今後、私自身が目先の結果を求めて、逃げようとすることがあるかもしれない。

でも、彼女たちの未来を思い描くと、
たとえ自分を厳しい状況に追い込もうとも
避けては通れない道だ。

気の遠くなるような高い理想を掲げ、
そこへ向けてひたすら挑戦しようと心静かに決意した。


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