クエストエデュケーションは、実在の企業や先人を題材に「生きる力」を育む学習プログラムです。
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「教育と探求」Vol.9 2012/4/26 ”世界で最もクリエイティブな国とは?”

 

こんにちは。
教育と探求社の宮地です。

新学期がはじまりました。
先生方への事前研修も終わり、いよいよ全国の学校で
生徒たちの探求(クエスト)がはじまっていることと思います。

一方、企業のみなさんは、今月はミッションの月でした。
各企業のみなさんは、昨年一年間の歩みを振り返り、
また、今の社会の動向や自社の現状についての考察を深め、
今年はどんなミッションにするか、侃々諤々の議論を深めています。
これもまさに探求ですね(笑)。

おもしろいニュースがあったので紹介します。
ある米国のIT企業の調査によると、
「最もクリエイティブな国は日本、都市は東京」
という結果が出たそうです。
http://goo.gl/0OESi

「クエストエデュケーションプログラム」を通じて
育てたい力のひとつが、クリエイティビティ=創造性です。

私たちは、すべての人が創造性を持っていると考えています。
ただし、それを最大限に発揮するためには必要なプロセスがある。
この調査でも、肝心の日本人自身は自らのことをクリエイティブだと
思っていないという結果が出ているのは残念なことです。

私たちは、一人でも多くの人が、自らの創造性を大きく花開かせて
自分らしく生きて欲しいと思っています。
これからはじまる生徒たちの一年が、
実り多き探求となることを心より祈っています。

教育と探求社
宮地勘司
—-【目 次】 ————————————————–

1.教育と探求社からのお知らせ
2.クエスト実践事例紹介 [三重県立名張高等学校(三重)]
3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~

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1.教育と探求社からのお知らせ
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(1)教育と探求社が新オフィスに移転します。

5月7日より下記住所へ移転することになりました。
〒102-0081 東京都千代田区四番町4-9
東越伯鷹(とうえつはくよう)ビル6F
(有楽町線麹町駅または都営新宿線・総武線市ヶ谷駅 徒歩4分)
電話 03-6674-1234
FAX 03-6674-1596

そこで、日頃お世話になっている皆様に感謝の気持ちを込めて
5月18日(金)15時からオフィスを解放いたします。
お飲み物と軽食をご用意しておりますので、
是非お気軽にお立ち寄り下さい。

なお、お越しいただける場合は、下記アドレスに
●お名前  ●所属  ●お越しいただける時間帯
をお送り下さいますよう、宜しくお願いいたします。
admin@eduq.jp
(2)教育と探求社の社員を募集しています。

教育と探求社では現在、社員を募集しています。
ご興味のある方は、下記サイトにてエントリーをお願いいたします。
http://eduq.jp/recruit/jform.php
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2.クエスト実践事例紹介 [三重県立名張高等学校(三重)]
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このコーナーでは、「クエストエデュケーションプログラム」を導入している
学校の授業での様子や、ご担当の先生のインタビューを紹介します。

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今月から3回にわたって、クエストカップ2012全国大会で
グランプリ受賞を果たした学校のインタビューをお届けします。
その第一弾として「自分史」部門グランプリを獲得した
三重県立名張高等学校の山添先生にお話をうかがいました。

江戸川乱歩・生誕の地で、“伊賀忍者発祥の地”としても有名な
三重県名張市にある名張高等学校は、今年で創立96年を迎える
地域の伝統校です。

平成14年から、国際文化系列、スポーツ健康福祉系列、IT系列、
ベンチャービジネス系列、生活デザイン系列、芸術メディア系列の
6系列を展開する総合学科に改編し、新しい一歩を踏み出しています。

この学校は、クエストエデュケーションプログラムを
ベンチャービジネス系列の3年生選択科目で導入して、今年6年目。
昨年度から「『私の履歴書』コース」も同じ選択科目で取り組んでいます。

毎年、この授業を選択する生徒は20名前後と小規模ですが、少数精鋭。
少数が精鋭に育つように、さまざまな工夫をしています。

山添先生によると、毎週1回90分一本勝負で行われる授業では
アットホームな雰囲気を大切にしているとのこと。
教室にとどまらず、図書館やプレゼンテーションルーム、
会議室、ときには市役所、NPOセンターへと場所を移し、
一年間、常に動きながら話し合いを進めていきます。

また、一昨年には夏休みを利用して、コカ・コーラ久御山工場や
奈良にある大和ハウスの研究所へ訪問。
自分たちのインターン先企業へ実際に足を運び、自分の目で見ること、
人と出会うことの大切さを学んだそうです。
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先生インタビュー 【三重県立名張高等学校 山添 長輝先生】
Q.今回、「自分史」部門でグランプリと「企業プレゼンテーション」部門
において審査員特別賞を受賞しましたが、その後、その生徒たちや
校内の反応はいかがでしたか?

A.自分史部門でグランプリを受賞した生徒は、
「ぼんやり」とした夢が「はっきりとした」目標に変わったようで、
晴れやかな表情で卒業していきました。

一方、審査員特別賞を受賞したチームは複雑な心境だったようです。
大和ハウスから出されたミッションに対して、
本質的な問題提起をできたことは高く評価されたものの、
プレゼンが下手と指摘されたことや、彼ら自身が納得いくレベルまで
まとめきれなかったことなど不完全燃焼な部分があったようです。
悔しさは残ったものの、この悔しさをバネに大学での頑張りを約束して
卒業していきました。

彼らの様子を見ていた先生方の中には
「今後、クエストを選択する生徒が減るのでは?」と心配する
声もありましたが、逆にプログラムの内容に関心を示す先生も
新たに出始め、学校全体で「進学」と「深学」のバランスを重視する
組織的な取り組みが広がりつつあります。
Q.御校で今年は2チームが全国大会へ出場しましたが、
当然、予選を通過できなかったチームもいます。
そういった生徒たちも含め、全国大会はどのような意義があると
感じていますか。

A.全国大会という大きな目標があることによって、自身の努力不足や
力不足を真摯に受け止められるようになったことですね。

私たちの学校では、12月の校内発表から冬休み、1月最後の授業
ギリギリまで提出作品のブラッシュアップを続けます。
最後の仕上げに全力で取り組むからこそ、自分たちの至らなさにも
気づけるようになったのだと思います。

しかも全国大会に出場すると、あの場でもう一段上の勉強ができます。
生徒が他校の生徒たちから学び、気づく。凄いことだと思います。

あの場には普段の教室では決して味わえない感覚が満ちています。
私たちの学校では、高校三年生に対してクエストを実施しているので
全国大会に出場することは最高の卒業旅行でもあり、
新たな目的地への出発旅行でもあります。
Q.年々生徒たちの力がついてきていますが、授業をする際
どのようなところに意識を向けて、工夫されているのでしょうか。

A.意識していることは、生徒のやる気に火をつけること、
やる気のツボを見つけて押してあげることです。

クエストの授業は、4月の導入と企画が生まれそうな10月が
特に大切なのですが、そのための私自身の工夫として
「DEATA」と名付けたノート(コクヨのキャンパスノートを愛用)
を毎年作っています。

このノートにはさまざまな情報や格言、名言を書き込んでいて
ノートづくりが教材研究、自己研鑚となっています。

たとえば、「『食足世平』『食創為世』『美健賢食』『食為聖職』の読みと
意味について考えよ」という問題を出すと、生徒たちはキョトンとした表情で
相談しながら考えます。

その結果、出てくる答えは「食料を運ぼう 足を使って」など、珍解答や
納得解答の連発です。
そこで、すかさずノートに書き込んである日清食品に関する内容を見せると、
安藤百福の凄さや、企業理念の大切さに気づき、自分たちのインターンしている
企業理念を再確認してみよう、という意識に変化するのです。

一時期、パソコンで資料を作っていたこともあったのですが
いつでもさっと取り出せて、ぱっと見せられる瞬発力はノートが一番です。
Q.クエストの授業を行う中で、一番苦労するところはどこですか?
また、どのようにしてそこを乗り越えさせていますか?

A.一番苦労するのは、企画が生まれそうで生まれない10月です。
明らかにやる気がない日、やる気がある日と生徒たちのテンションの波に
振り回されます。

この時期は励ましたり、おだてたり、ときには脅したりしながら(笑)、
彼らのやる気を引き出す努力をしていますが、締め切りというゴールが
それを乗り越える原動力になっています。

焦りは薬。先行するチームがあると、もっと焦ります。
焦りの空気が出始めたら、私の仕事は終わりです。
あとはダメ出しに徹します。
「ダメ」といっても、彼らはきちんと聞く耳を持っていますから、
聞く、聴く、そして効く。
Q.最後に、先生にとってクエストを続けてきて良かったと思うことを
教えてください。

A.生徒も成長しますが、私自身も成長することです。
お互いが共に変化、成長、決意を持って一年間過ごせることが
最大の効果をもたらすのだと思います。

このプログラムを通じて、「教育」「共育」「強育」「競育」
4つのバランスの大切さを再認識しました。
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3.QUEST DAYS~ある学校の授業風景~
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このコーナーでは、ある高校でクエストに取り組む現場の教師が、
生徒と共に日々奮闘する姿をエッセイ風に書き綴っていきます。

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「心新たに。」

今年度からクエストの授業を1年生は必修で、2年生は選択授業で
導入することが決まった。

そこで来週、全校生徒に対して
この授業の内容と目的を説明することになった。

クエストエデュケーションプログラム・コーポレートアクセスコースとは、
実在する企業から出されたミッション(課題)に、一年かけて取り組む
プログラムだ。

これを授業で行う目的は、いったい何か?

「プレゼン能力や課題解決能力を身につけることが目的です」
それも一理あるが、どうも腑に落ちない。心に響かないのだ。

もし、これを生徒たちに伝えても、きっと同じことを感じるだろう。

どうしたら彼女たちに授業の目的をしっかり理解してもらい、
真剣に取り組みたいと思ってもらえるか。
ここ数日ずっと考えていた。

考えるうちに自然と、この授業では「働く中で味わう、あらゆる感覚」を
教室の中で疑似体験している、ということに気が付いた。

インターンする企業を選び、いくつかの仕事を経験したのち、
大きなミッション(課題)を受け取って、ひたすら試行錯誤を繰り返す。
その過程を経て、ようやく紡ぎ出した「自分だけの答え」に対して
第三者から評価を受ける。

この一連の取り組みの中には、社会で働く中で味わう
「先の見えない不安」や「アイデアの浮かばない苦しさ」、
「結果が出ない悔しさ」、「壁を乗り越える歓び」といった
たくさんの感覚が詰まっているのだ。

自分が所属する企業からミッションを出されたとき、
大きな仕事を任されたことに誰もがワクワクする。

でも、そのあとすぐに、アイデアが浮かばないという現実に直面する。

普段の授業では味わうことのない、マニュアルのない恐怖や不安、
答えが一つではないことの難しさ、アイデアを形にすることの厳しさを
嫌というほど味わう。

途方もなく遠い道のりに愕然とし、数か月の間、悩み苦しむ。
話し合っては暗礁に乗り上げ、ときには逃げる。
「生みの苦しみ」を、身をもって実感するのだ。

こうして企画が出来上がる頃には、どの生徒もそれぞれのレベルで
与えられたミッションと真剣に向き合うようになる。

そして、いよいよ自分たちの想いのつまった企画を
10分という限られた時間の中で発表する。

だが、ここでまた、厳しい現実に直面することになる。
自分が思っているよりも遥かに厳しい評価を受けるのだ。
全国大会は、1000作品の中から、50作品しか選ばれないという狭き門。
当然のことである。

とはいうものの、彼女たちにしてみれば、今まで経験したことのないような
苦労をして、ようやくたどりついた答え。
学校の中であれば、努力した分の結果がそれなりに返ってくる。
「ここまでやったのだから…」と、たかをくくっていた部分もあるだろう。

その結果、多くの生徒たちはこれまで味わったことのない
「悔しさ」を体験することになる。

実際、昨年の授業ではほとんどの生徒が悔しさを味わった。
でも、彼女たちはそれだけでは終わらなかった。

全国大会を参観し他のチームの発表を見たことで、
自分たちのこれまでの取り組みを冷静に見つめ直すことができた。

彼女たちは、選ばれなかったという事実よりも
自分の努力不足が悔しさの原因であることに気がついていたのだ。

結局、社会で働くということは「不安」「苦しさ」「悔しさ」、
という感情の繰り返しだ。
その感情をリアルに味わえたことはとても価値がある。

でも、敢えてもう一歩踏み込んで、彼女たちに
「悔いを残さずやり切ること」ということを体験させてあげたい。

一つのことに対して、今できる精一杯の努力をし、
悔いを残さずやり切ることができたら、必ず自分に誇りを持てるようになる。

その積み重ねこそが成長であり、働く中で味わう「歓び」だ。
授業を通して彼女たちに一番伝えたいのはこのことだ。

結果がすべてじゃない。
どれだけ真剣に物事に向き合ってきたかが大事なのだ。

いつか働く彼女たちへ、この授業で何を残してあげられるか
ようやく気持ちが固まり、こう宣言することに決めた。

「この授業の目的は、昨年味わった悔しさをバネに
すべての力を出し切る経験をし、自分に誇りを持てるようになることです」

心新たに、生徒の前に立つ準備は整った。
◆過去の記事はこちらから⇒ http://eduq.jp/quest/days/

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◎「Teacher Interview」クエスト導入校の実践事例報告
http://eduq.jp/quest/interview/

◎「クエストエデュケーションプログラム」ムービーサイト
http://www.eduq.jp/movie/

◎過去のバックナンバー
http://eduq.jp/mail/archive/


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