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teacher's voice

Q.クエストの授業の中で、何か工夫されていることはありますか?

A.実際にミッションを与えられる前から、
ブレストに慣れていた方が効果的だと思うので、
その練習を4月から継続してやっています。
みんなで意見を出し合うことで、思いもよらないアイディアが出る
という経験をたくさんさせたいんですよね。
そのことを通じて、斬新で独創的なアイディアを出すことは
一部のひらめきのある人だけができるのではなく、
やり方さえ知っていれば、だれでもできることだと
思ってもらいたいんです。

本物のミッションを受け取る6月の終わり頃までは
毎週1時間、必ずブレストの練習をする時間を設けています。
1時間目はブレストの練習、2 時間目に通常の授業
というような感じです。
ブレストのお題は毎週変えます。
例えば「史上最高の卒業旅行を計画する」とか
「1,000円を1週間で価値あるものにするには」というように
なるべくシンプルなものを出すようにしています。
クエストのワークブックでは、思いついたことを付箋に書き、
貼り付ける形でブレストを進めることを推奨していますが、
私の授業ではホワイトボードをチームの分だけ用意して、
マッピングみたいな形で書き込んでいきます。
こうすると、同じ課題を与えられているのに
「ほかのチームはこんなことを考えているのか!」
ということがわかって、刺激し合えて
高まるんじゃないかと思っています。

最初のうちは、ルールややり方を学なければいけませんので、
ごく簡単なお題でメンバーを変えたりしながら1時間まるまる使って
ブレストをしますが、慣れてきたらブレストを10分、
そのあと7分で、出てきたさまざまなアイディアの中から
自分たちの案をひとつに絞り込む作業をして、
全チームが企画案を発表します。
当然、私からの厳しいダメ出しもセットですが(笑)
この取り組みによって、企業からのミッションを受け取る頃には
すぐにミッションをどう解釈するかのブレストを
始められるようになっています。

Q.クエストの授業の中で、難しいと感じるところはどんなところですか?

A.練習のおかげで、ブレストまではすごく楽しくやっているんですが、
いざ企画を成案化する段階になると、小さくまとまった企画に
なってしまうんです。そこをどうやって
“高3らしい、奇想天外なアイディア”の企画に導くか。
私にとって、まだ越えられていない壁ですね。

前任者から引き継いで、私が担当するようになってから
今年で4年目なんですが、どうしても出てきた“アイディア”と
最終的な“企画”の間にギャップができてしまうような気がするんです。
例えば、現在の科学技術を無視してもいいから奇抜な発想を
というと、生徒たちはまず「どこでもドア」的な発想から始めます。
もちろん、それでよいと思っていますが、問題は
「どこでもドア」そのものは実現できないかもしれないけれど、
それに近い状況にするのはできるかもしれないぞ、という
頭の切り替えができるかどうかなんです。
せっかく考えたアイディアなのに、彼らの頭の中で企画に繋げられない
と思ったら、スーッと引いていく。そこが見ていてもどかしいんです。

私がそれをことばで説明するのは簡単なんです。
でも教師はファシリテーターだ、っていうじゃないですか(笑)
どうやったら彼らを上手く導いてあげられるのか、
そこは今もって試行錯誤を重ねていますね。

Q.生徒たちを指導する際、どのようなことを心がけていますか?

A.私の授業は、一応「ビジネス」という科目なので、
自分たちの立ち位置が一体どこにあるのか、
そこをつねに意識させるように心がけています。
つまり、「お前たちの企画は、だれのためのものなのか?」
「だれの笑顔が取れるのか?」というところですね。

生徒たちが必ず陥るパターンなんですが、
つい生産者目線の企画を作ってくるんです。
「私たちはこういうのを作りたい!」
という、生産者の都合だけが前面に出た
消費者目線になっていない企画。
まぁ、もともとは企業の目線で考えられたミッションだから
当たり前なのかもしれませんが(笑)
それから「こうしたらミッションを上手く解釈できているから、オッケー!」
みたいな、課題をクリアするのが目的になってしまっている企画とかね。
そういう企画は容赦なく「だれが喜んでいるんだよ!」
と突っ込むわけです。

企業って、もちろん利益をあげなきゃいけないものですが、
それは企業の最終目的ではないですよね。
人間が呼吸をすることを目的に生きてはいないのと一緒で、
企業も利益をあげることではなく、
社会に対するミッションをクリアすること
それこそが目的だったり、存在意義だったりするのではないかと。
本末転倒な企画というのは、大体呼吸する方が目的になってますね。
そんな時は、1学期の新人研修でやったときのことを
思い出させています。
自分たちがインターンしている企業の理念、社訓に戻らせる。

あとはとことんダメ出しすること。
中学生や高校の低学年、あとは全員に取り組ませているような
状況だったら、励ましたり、やる気を出させたりということの方が
必要なんでしょうけれど、私の授業は一応選択なので
自分でやりたいという気持ちで集まっているわけです。
ですから、励まし、後押しというよりは、
生徒たちにとっての適切な壁を作ってあげなきゃいけない
と思っています。あと1割頑張ると、乗り越えられるような壁。
高過ぎてもダメだし、低過ぎてもダメなんです。

また一方では、わかりやすい、論理的な指摘ではなく、
時には、理不尽で、意味わからない指摘も大事だと思っています。
教師としての壁、大人としての壁、企業としての壁・・・
あの手この手を使って、生徒たちにとっての壁となり、
君たちの考えのどこがダメなのか、どこに漏れがあるのか、
そういうダメ出しを適切に行うように心がけています。
そうすると、生徒たちは自分たちの頭をフル回転させ、
自分たちのチームが何をどう改善すべきかを考えるようになります。
こうした過程が結束力や問題解決力を高めていくことにも
つながっていると思っています。

Q.クエストをやってみて、生徒たちにどのような変化がありましたか?
導入してよかったと思う点はどんなところでしょうか?

A.間違いなく言えることは、クエストに取り組んだことによって
生徒たちが社会との関わりを持つ敷居が低くなっている
ということですね。その大きな要因となっているのが、
クエストに関わる大人たちの“生のことば”なんです。
プログラムにある、「はい、みなさん!お元気ですかぁ?」
という動画もみんな楽しみにしていますし、
何より、企業の方々が学校に訪問して下さって
直接声を掛けてくれることが学びの動機を高めてくれているんです。

昨年の全国大会の最後の方で、企業の方々や
ほかの学校の生徒たちと交流する企画がありましたよね。
全国大会に出場したチームの生徒たちから聞くと、
あれがものすごくよかったらしいんです。
「あの場で聞いた話がものすごく有意義だった」って。
昨年全国大会に出場した先輩たちが、
今の生徒たちに体験談を話すということをやったんですが、
全国大会に出場できたチームと、そうでないチームとでは
全然違う経験ができる、だからお前たちも全国大会に行けるように
頑張れ!ということを語ってくれたんです。
それを聞いた生徒たちが
「私たちも絶対に全国大会に出て、同じ体験したい!」
と考えるようになりました。

企業の方々のことばや、そこでの体験が
彼らのその後に、よい連鎖を与えてくれているのは間違いないです。
クエストを経験した大学生のOBたちが、全国大会のスタッフとして
毎年ボランティアで参加させていただいているようですし、
クエストみたいな体験をもっとやってみたいということで
社会とつながるような企画に参加しているOBが結構いるんです。

例えば、“Sカレ(Student Innovation Collegeの略)”という
全国28大学32ゼミが参加するビジネスコンテストに参加したり、
自分たちで大学生を対象とした授業を企画して、講師の交渉、
広報、授業の運営から何から全部やったりとか。
自分がやりたいこと、やるべきことを自分で探せるようになった
生徒が増えたんじゃないかなと思います。

Q.最後に、先生がこの授業を通して生徒たちに
どのようなことを学んでほしいでしょうか?

A.斬新で独創的なアイディアは自分で創り出せる、
ということですね。
アイディアが出るか出ないかの違いなんて、
出し方というものを知っているか知らないかだけだと思うんです。
自分ひとりじゃなくて、チームとして取り組むことによって、
自分ひとりだけでは思いもつかなかった発想が生み出されていく。
卒業生が言ってたことなんですが、大学のゼミなんかで
ほかの学生はできそうもないと思っているのに、
自分だけが必ずできると思って発想していることが
よくあるらしいんですよ。
大学に進学しても、社会に出たとしても、周りをうまく巻き込みながら
新しい発想を生み出し、それを実現できるんだという信念が
彼らにも持てるようになってほしいな、と思います。

それと、“一人ブレスト”できるようになるといいですね。
「自分」って、探すものじゃなく、創り出すものだと思うんですよ。
だから、自分で考えたキーワードやテーマを出発点に、
自分自身で自分の考えを否定せず、奇抜であるほどよく、
とにかく量を多くアイディアを積み重ねていくことによって、
はじめに自分が考えている自分よりも遥かに斬新で独創的な
自分というものを創り出せるのではないでしょうか。
それこそが、生きる力かな、なんて思います。
僕自身も一人ブレストを日頃からやっていて、
色々なことを日々創造しているので、
彼らにも一人ブレストを身につけてもらって、
自分を創り出すことを実践していってほしいですね。


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