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teacher's voice

今回インタビューを行ったのは、昨年度からクエストを導入した
三重県四日市市にある海星中学校・高等学校です。

同校は1597年に聖ヨゼフ・カラサンスによって創立された
世界的なカトリック修道団体「エスコラピオス会」によって
設立されたミッションスクールで、
「健全な身体と高い教養を持つ円満な人物を養成すること」、
「神の掟に従い、人を導く良心の求めに適う健全な人物を養成すること」
という教育理念を掲げ、進学校というだけではなく
人格形成を重点方針としてさまざまな取り組みを行っています。
kaisei.ed.jp/

クエストの授業は中学3年と高校1年の総合学習の時間を使って
クラス担任が指導にあたっています。
2年目となる今年も大半の先生がクエスト初体験。

昨年度の授業経験者で今年はサポート役を務める瀬川先生は
「どのようにしたら先生たちが前向きに、楽しくクエストに関われるか」
ということに、特に力を注いでいるそうです。

今回、瀬川先生には昨年の授業を振り返っていただくとともに、
毎年、授業運営する教員が変わる体制の中で、いかにサポートして
校内へこのプログラムの理解を広めていけばよいかについて
お話をうかがってきました。

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先生インタビュー【海星中学校・高等学校 瀬川 智紀 先生】

Q.クエストを導入してよかったな、と思うところはどんなところですか?

A.保護者や教員以外の大人たちと生徒が触れ合えるというところですね。
実は、そのようなシチュエーションって、意外と少ないんです。
本校では大半の子どもたちが部活に入っているので、
放課後だけでなく休日も部活をしており、
学校外で社会の大人たちと触れ合う機会がほとんどありません。
だからこそ、クエストに関わる企業の方々や教育と探求社のみなさんと
非常に近い距離で、しかも一年という長期に渡って関係が続く
ということが貴重なことだと感じています。

ほかにも、外の大人と触れ合う機会もあることはあるんですが、
それとはちょっと違うんですよね。
例えば、外部講師を招いて講演会という場合、
クエストとの明らかな違いは
「大人と子どもとのインタラクティブなやり取りがあるかどうか」
という点だと思います。

講演会は大抵の場合、一方的に話を聴いて
最後に質疑応答で言葉を交わす程度ですよね。
大人であれば、講演を聴いた内容について
これまでの経験や、持っている知識とすり合わせながら
自分なりの言葉に翻訳して消化できますが、
子どもは大人よりも経験値や知識が少ないから
聴いた話を自分の中に十分落とし込むことができず、
“ただ聴くだけ”で終わってしまうわけです。
だから、子どもたちにとって、あまり残るものがないんですよね。

それに対して、クエストでは企業の方々や教育と探求社のみなさんが
学校に何度も足を運んでくれて、子どもたちの話合いに積極的に参加し、
同じ目線でコミュニケーションを取ってくれます。
子どもたちは自分の知らない世界の大人たちと触れ合う中で
いろんなことをじっくり感じ取っていますよね。
単に企画を考えるための気づきや発見だけではなくて、
働くとはどういうことなのか、とか。
その経験がものすごく子どもたちを成長させてくれたなと感じています。

それともう一つは、教科という視点でしか子どもたちと関われない教員に
一人ひとりの子どもたちの違った一面を見せてあげられたことですね。
通常の授業の中で見られる子どもたちの姿からは
ごく限られた側面しか知ることができません。
それは例えば、手を挙げる積極性だったり、授業態度だったり、
テストの点数だったり、どうしても数値化できる観点でしか
子どもたちを見ることができないんですよ。

それがクエストでは、一人ひとりの個性や強みが
はっきりと見えてくるんです。
授業では発言することができず目立たない子が
一生懸命スライドを作っていたり、大きな声で発表していたり。
クエストをしていなければ見えてこなかった子どもたちの姿を見ると、
担任の僕ですら驚くわけですから、ほかの先生なんか
もう感動ものですよ。「おー、あいつ、やるじゃないか!」って。
それが伝わって子どもたちが自信を持ったり、
先生方の関わり方が変化したり。
これだけでもクエストをやってよかった、って思えますね。

Q.体育祭や文化祭などの学校行事で、生徒たちがその企画を考えて
学校に提案するという状況があると思いますが、大人に提案するという
意味では似ていますよね。それとクエストって何が違うのでしょうか?

A.どちらも大人に向けて自分たちの考えを提案するという点では
同じですが、クエストは社会とリアルにつながっていることによる
“客観性の高さ”という点が明らかに違うと思います。

体育祭や文化祭のような校内でのイベントを企画立案した場合、
学校の教員や保護者といった大人、それから学校の生徒たちからの
反応によって評価をもらいますよね。
でもその評価って、結局、身内による評価だから
どうしても贔屓目に見てしまう甘さがあると思うんです。
だから、企画を考えた当人も「あー、ここがダメだったな」
という主観的な見方でしか反省できないわけです。
それを“主観的な失敗”というならば、クエストで体験する失敗は
“客観的な失敗”となるわけです。

つまり、学校を離れた社会にいる第三者からの厳しい評価に
さらされるということです。
クエストカップの予選審査や全国大会で下された結果というのは、
自分の主観的な評価はある意味メッタ斬りにされるわけで(笑)
客観的に自分の取り組みを見ざるを得ない状況に置かれるわけです。
両者の学びの量や深さは、明らかに後者の方が大きいと思いますね。
実際、クエストの授業を受けた生徒たちの勉強に対する取組み方や
考え方の変化は少なくないと感じています。

Q.生徒たちが企画を考えるときに、作業が上手く進むように
担当する先生たちで協力して、工夫していることがあるそうですね。

A.はい、そうですね。
一人の先生にできることは限られているから、
まずは担当する先生たちと、6つの企業を分担して、
その先生を中心にブレストを重ねて
ミッションについての情報や考えを共有しています。
暇さえあれば、みんなでブレストして
アイディアを出し合っていましたね。

なぜそんなことをしているかというと、
子どもたちができるだけたくさんの考えに出会い、
自分の琴線に触れる機会を作ってあげたいからです。
話し合いで行き詰ると、子どもたちは先生に質問しに来ますよね。
そのとき、教室で担任の先生だけがアドバイスしたり、
考えを話すだけでは、もったいないと思うんです。
学校の中にはいろんな考えや情報を持った
大人がいるわけですから、どんどん質問しに行けと。
その中で「どれを取捨選択するかは、最終的には
自分が決めるんだよ」ということをいって、
いろんな価値観に触れさせるわけです。

そのための準備として、学校全体で
6企業分のミッションを考えられるように
クエストに関わっていない先生も巻き込もうと努力をしました。
具体的には、先生たちとちょっとした雑談をしているときや、
すれ違いざまに「人が生きる原点ってなんだと思う?」
なんて、ミッションに関する質問をするんです。
そうすると、質問された方は「何なん?その哲学的な質問は」
と、最初は度肝を抜かれるわけですよ(笑)

でも、段々と先生たちも楽しくなってしまって、
しまいには座り込んでブレストすることがあったり。
そんな風にして何気ない会話から、少しずつみんなで
考えていく機会を作っていきました。

Q.御校では、担任の先生が授業をしていますが、
瀬川先生ご自身は、授業サポーターという立場として、
どういった点に気をつけて授業運営を行っていますか?

A.一番面倒な事務的な部分をすべて引き受けるところかな(笑)
それは例えば、契約書関係の手続きであったり、
教員の事前研修会の日程調整や運営、
クエスト関連の校内・校外でのイベントの取りまとめとか。
できる限り授業をされる先生たちの負担を減らして、
環境整備をするのが自分の役目だと認識しています。
先生たちに集中して生徒と向き合ってもらいたいですからね。

本音をいうと、昨年のクエストの授業で誰よりも楽しんでやっていたから、
ガッツリ関わりたいんですよね(笑)
でも、そうしてしまうと“僕の授業”になってしまうじゃないですか。
「瀬川にしかクエストの授業はできないよね」という雰囲気に
校内がなってしまうのは絶対にダメだと思うんです。
大勢の先生が関わるプログラムだから、協力体制ができていないと
絶対に成功しないプログラムだと思います。
だから僕は積極的に介入しないで、授業する先生たちにすべてお任せ。
困ったときだけサポートやアドバイスをするようにしています。
それが校内で上手くやっていく秘訣かもしれません(笑)

今年2年目となりますが、先生たちは非常に前向きに取り組んでいますね。
僕の関わり方が影響しているかどうかはわかりませんが、
少なくともいえるのは「一人ひとりの先生が明確な目標を持って
授業に関わってくれている」というところが
よい雰囲気で授業を進めるためのポイントだと感じています。

例えば、昨年僕と一緒にクエストの授業を担当していた先生は
「『瀬川だからできる』ではなく、『どの先生にもできる』授業
だということを周りに示す」ということを目標にして、
だれよりも熱く授業を進めてくれています。
それから「去年の生徒たちの悔しさを引き出して、
もっともっと成長させたい」ということを目標に
奮闘している先生もいますね。
自分事としてとらえて、このプログラムを実践してくれているので
今年の授業は昨年よりも順調に進んでいるように感じます。

このプログラムって、確かに綿密に考えられていて
素晴らしいんですが、プログラムが素晴らしいからといって
自動的に良い結果が出るわけではないと思うんです。
最後に命を吹き込むのは先生たちの思いの部分かな、と。
「クエストの授業を通して子どもたちに何を伝えたいか」
ということがあって、それを実現するために工夫しながら進めるから
子どもたちの変化や成長があるのだと思います。
だから2年目の先生は、自分の掲げた目標を逆算して
各ステップの授業で+αのことを自然と考えられるようになるんですよね。
先生たちがこんな風に協力し合って取り組んだ今年のゴールが
どんな風になるのか、とても楽しみです(笑)


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