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teacher's voice

今回インタビューを行ったのは、大阪府枚方市にある
常翔啓光学園中学校。
同校では「探求心と自学自習の力を育てる学習指導」を
教育方針として掲げており、週1時間、コミュニケーションの授業を
利用して「進路探究コース」に取り組んでいる。

訪問当日は、生徒たちがこれまでの14年間を振り返る
“自分史”の発表会を行うことになっていた。

「今日ようやく生徒たちが書き上げた作文を見られるので、
どんなものを聞かせてもらえるのか楽しみなんですよ」
とおっしゃるのは学年主任の森先生。
発表の準備をする生徒たちの輪にさり気なく入ると、
「これ、めっちゃ面白いやん!」
「○○、こんな文章書けるんか?!すごいなぁ」
「最後になればなるほど、面白さが増していくなあ」
「△△、作文のマス、全部埋まってる!しかもきれいに書いてるやん」
といった調子で、瞬時に生徒たちの文章の良いところをとらえ、
ストレートな言葉で感じたことを伝えていく。
生徒たちは少し照れながら、どこか誇らしげな表情だ。

クエストの授業に取り組んでいるのは中学2年生。
担任の外村先生をはじめとする4名と、学年主任の森先生が
協力しながら授業を進めているそうだ。

森先生は担任の先生方がスムーズに授業進行できるよう
配布教材の準備やクラス巡回の役割をしている。
「僕はプリント刷ったり、何となく生徒たちの様子を見ているだけですわ」
と謙遜しておっしゃっていたが、授業進行する先生や
授業に取り組む生徒たちをつねに温かく見守り、
どんな小さなことも見逃さず、愛情のこもった言葉で
「褒めて伸ばす」姿勢こそが生徒の学びを最大限引き出す場を
作っていると感じた。

クラス発表会の様子は関西の学校らしく、笑いの溢れる2時間だった。
「○○が発表のときは、登場の音楽を“徹子の部屋”風にしような!」
と話して先生と一緒に盛り上がる生徒たちがいるかと思えば、
鉄道が好きということを伝えるために、京阪電車の駅名すべてを
早口で披露する生徒がいたり、生徒たちが発表そのものを
楽しんでいることが伝わってきた。
発表後の質疑応答も漫才コントを見ているようなやり取りで、
途中から先生に「質問禁止!」と言われるほどの盛り上がりようだった。

作文のカラーが男女ではっきり分かれていたのも印象的だ。
女子生徒の作文は、部活や学校行事の中で体験したことを
心の変化とともに丁寧に描写する作品が多かったのに対し、
男子生徒の作品は笑いの中にどこか“哀しさ”や
“葛藤”の断片を感じさせるものが多かった。
自分のこれまでの人生と真正面から向き合ったからこそ、
辛い経験を一人で乗り越えるまでの葛藤や強さが
文章からにじみ出て、単なる笑いだけでは終わらない
切なくなるような深い味わいのある作品に仕上がっていた。

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先生インタビュー
【常翔啓光学園中学校 森 昌範 先生・外村 真也 先生】

Q.ここまでの授業で印象に残っていることは何ですか?

A.森:自分史を執筆するための準備として前半に
小さい頃のエピソードを話し合うステップがありましたが、
そこでのグループワークが非常に盛り上がっていたのが
印象に残っていますね。

家から持ってきた写真を見せあって、エピソードを聞くはずなのに
誰も人の話を聞いていない、自分の話をするのに一所懸命で
まるで大阪のおばちゃんみたいな状態になってましたね(笑)
アルバム一冊持ってきた生徒もいたぐらいですから。

結局、一時間近くかけて話し合いましたが、
あのワークがあったからこそ自分の原点に気付くことができたり、
クラスメートの背景を知って距離が縮まったのだと思います。

Q.自分史を執筆する際に、どのようなアドバイスをされましたか。
また工夫されたことはありますか?

A.外村:誰が見ても「○○の作品だ!」と分かるように
自分の個性がしっかり出るような文章やエピソードを書くよう
アドバイスしました。
書きあがった作品を見ると、どれもその生徒らしさが出ていて
読み応えがありましたね。

それと、これは工夫ではないかもしれませんが、
一人でやる作業については、できる限り授業ではやらずに
宿題にするようにしました。
学校ではどうしても周りがガヤガヤしたり、
友達のことが気になったりするので、自分の思ったことや
本心が書けないみたいです。
落ち着いて自分とじっくり向き合う時間が必要なんですよね。

両親から小さい頃のエピソードを聞くことで色々な記憶が蘇ってきて
書きたいことが膨らむというのもありますが、
一人の時間を持つことでさらに内容が深まるようです。

Q.最後に、この授業をやっていて良かったと思う部分を教えて下さい。

A.森:まず、前半の人物ドキュメンタリーを作ったことによって
「段取り力」がついたことです。

人物ドキュメンタリーを作るためには、その人物についてよく調べ、
彼らの人生を読み解いていかなければなりません。
一つの作品としてまとめるためにはインタビューしたり、
図書館で調べたり、段階を踏んで進めていかなければならない
ということをしっかり体験することになります。
その結果、普段の授業だけでなく学校生活の中でも
次に何をするべきか考えて行動するようになりましたよね。

一方、後半の自分史執筆をやって良かったところは
1年生で勉強してきたことを実践する場になっていることです。

クエストの授業は「コミュニケーション」という教科で行っています。
ここでは
①自分の意志や感情を表現し、相手に理解してもらえる能力
②相手の意思や感情を尊重し、聞き出す能力
③相手の表情や状況を見ながら自己表現できる能力

を育成することを目指して、3年間、独自のカリキュラムに
取り組んでいます。

1年生では作文の基本的な書き方を勉強し、
2年生1学期で外部講師のリレー授業を受けた後
クエストの授業に取り組むので、1年半かけて積み上げてきた勉強を
しっかり実践できる流れになっています。

その後、3年生では、卒業研究として自ら選んだ興味・関心のある
テーマについて調査し、まとめたものを10分間で発表します。
この卒業研究が、まさにクエストの人物ドキュメンタリー作成と
自分史執筆で養った力を試す集大成となっていると感じています。

今日ようやく自分史の発表を終えたので、この後の未来編の執筆で
さらに学びを深めていって、勉強したことを自然な流れで
卒業研究へ繋げてくれることを楽しみにしています。


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