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teacher's voice

今回訪問した千葉商科大学付属高等学校は
千葉県市川市にある共学の高校です。
クエストの授業は高校1年の総合学習の時間を使っており、
通常授業を終えた7時間目に行なっています。

同校では各クラスの担任が指導にあたっていますが、
インタビューに答えてくれた特進コース担任の長嶋先生は
前任校を合わせると8年以上もクエストに関わっているベテラン。
授業の随所に、きめ細やかな下準備がなされていました。

例えば、日本経済新聞社のミッションに取り組むチームには
大事なポイントに付箋やマーカーでラインを引いた新聞や
企画に役立ちそうな本をさり気なく手渡していたり、
ほかの企業に取り組んでいるチームにも、
先生が毎朝欠かさず読んでいる新聞数紙の中から
ミッションに関係のありそうな記事をすべて切り抜き、
毎回の授業で渡しているそうです。
また特に驚いたのは、長嶋先生お手製の
「ミッションを探求するための、色々な問いが書かれた模造紙」でした。
企画を固める上でポイントになりそうな「問い」はどれも的確で、
そこに生徒たちがアイディアを書き込んでいくことで
自然と企画案が見えてくる形になっていました。

長嶋先生自身が、このプログラムをいかに効果的に活用できるか
探求し続けているからこそ、生徒たちが楽しく、
知的好奇心を膨らませながら、学ぶことができているのだと感じました。

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先生インタビュー 【千葉商科大学付属高等学校 長嶋 茂雄先生】

Q.本日授業を見学してみて、授業の下準備が素晴らしいな
と感じたのですが、毎回あのようなことをされているのですか?

A.そうですね。彼らは特進コースなので月曜から勉強や部活、
そして塾のスケジュールでめいっぱい埋まっており、
とにかく時間がありません。

だから、あの模造紙の下準備も50分という限られた授業の中で
何とか形を残すための苦肉の策として始めたことなんです。

本来ならば、問いも含めて自ら考えながら書くべきなのでしょうが、
書くだけで1時間潰すことになってしまうのはもったいない。
そこはショートカットしてもよいだろう、という判断でやっています。
新聞の切り抜きも、私自身が毎朝新聞を読むのが習慣になっているので
彼らにそれを渡すのは、いたって自然に続けているだけです。

下準備とはちょっと話が逸れますが、
企画案を立てるのに本当はもっと効果的なやり方があって、
それは作った模造紙を教室の廊下に貼り出しておくことなんです。

今年は掲示物が多くて、どうしても貼ることができず断念しましたが、
つねに教室の壁に貼ってあったら、ちょっとした休み時間に
廊下で立ち話をしながら思いついたことを書き込んでいけるんですよね。
ほかのチームのミッションにまで口を挟んだりするから、
「もしかしたら、このミッションとあのミッションは
つながってるんじゃない?」とか、そんな発見もあったりして
考えに制限がかからず広がっていきます。
互いが意見を交わすことで、思いもよらぬアイディアが
浮かぶこともありましたね。

Q.これまで8年以上もクエストの授業を続けていますが、
その中でどんなことが印象に残っていますか?

A.過去教えてきた中で、特に印象に残っているのが
校内発表会一週間前に企画をゼロからすべて作り直したチームですね。
彼らは前年の先輩たちが企業賞までしか届かなかったので、
何としてでもグランプリを獲るんだ、という思いで頑張っていました。
でも、自分たちの企画が「いい線までいっても企業賞止まりだろう」
と気づいた瞬間、〆切が近づいているにも関わらず覆してきたんです。

そこからの一週間は凄まじかった。
ひとりの生徒の家に泊まり込みで準備していました。
さらにそのあとがドラマチックで、彼らは結局全国大会で
準グランプリまでしかいけませんでしたが、
そのチームのメンバーだった勉強嫌いの生徒が
全国大会をきっかけに勉強をするようになって、
AO入試で成城大学社会イノベーション学部に合格しました。
これには私も驚きましたね。

ほかにも全国大会に出場した連中は早稲田や、千葉大学、
学習院といった大学に合格し、高い実績を残してくれています。
元々勉強は出来る子たちでしたが全国大会に出場したことをきっかけに
深い部分で勉強に対する意識が変わっていったように感じています。

さらにクエストで経験したことは、就職にも影響を与えているようです。
今年、大学3年生となった教え子は高校時代に
大和ハウスのミッションに取り組んだのですが、そのことがきっかけで
街並みをデザインする仕事に携わりたいと考えるようになり、
現在、某大手不動産会社を目指して就職活動を始めています。

こういった歴代の先輩たちのエピソードを挙げればキリがありませんが、
クエストの授業は生徒たちにとって、大きな人生の転機を作っている
と感じています。

今年の授業で印象に残っているのは、何人かの生徒が
クエストの授業が終わったとき何気なく発した
「はぁ~、面白かった!」の一言ですね(笑)。

彼らは毎日、0時間目から授業を受けていて、
7時間目の授業は心身ともにヘトヘトになっているはずなのに
クエストの授業になると本当に生き生きとした表情をしていて、
普段と全然違うんです。「こんなこと、今までなかったよね」って。
私も最後の力を振り絞って教壇に立っているわけですが、
その一言ですべて救われます。

Q.先生にとって、このクエストの授業の一番の醍醐味は何ですか?

A.やはり社会との接点ができるところです。
現代社会のような教科だったらできるかもしれないけれど、
それは知識として入れるものであって、自分たちでクリエイティブに
新しいものを創り出していって、それが社会の接点になるっていう授業は
めったにないんじゃないかと思います。しかもこれが正解というのがないでしょ?

単に課題が出て、その答えを図書館やインターネットで調べて発表するとか、
そういうのとは全く違うじゃないですか。はなから答えがなくて、
どういう結末になるかも分かってなくて、先生も答えを持っていない。
その中で自分の創造性を育みながら、革新的なものを出してくる。
これってすごいことです。

生徒たちが社会との接点を感じている例でいうと、
このプログラムの中で街頭アンケートをするステップがあります。
当然、アンケートに答えてもらえず辛い思いもするわけですが、
生徒たちにとって、まさにその経験こそが社会とつながる意識を
芽生えさせるきっかけになっています。

街で出会った大人から「あんたたち、面白いことやってるのね!」
と励ましの言葉を掛けられアンケートに協力してもらったり、
社会の優しさに触れていく中で、自分たちの取り組みを
客観的に見られるようになるんですよね。
「自分たちはよいことをやっているんだ」という意識が芽生え、
それが社会との接点をつくるきっかけになっているように感じています。

Q.最後に、今後クエストの授業で取り入れていきたいことはありますか?

A.前任校で実際にやってみて、大きな実績を出していた
1・2年合同チームで授業をすることです。
異学年ミックスでチームを作ると、2年生が既に経験しているので
どういう風に進めていけばよいかわかるじゃないですか。
それを1年生が見て育っていく。
その繰り返しで、どんどんノウハウが凝縮されていくんですよ。

その結果、前任校では3チーム全国大会に出場して、
2チームが企業賞を取りましたからね。
しかも、そのうち1チームは準グランプリを取った。
それは完全にノウハウが伝播していった結果なので
是非、もう一度挑戦したいと思っています。


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