NGXgGfP[V́Å݂ƂlނɁúvފwKvOłB
news
2013年11月9日

真実のことばを引き出すには

約一ヶ月後に迫った校内発表会。
そろそろまとめ始めなければならない時期だが、
相変わらず思うようには進んでいない。

その原因が何か、最初はわからなかったが
観察しているうちに段々と見えてきた。

「自分の考えを主張しない」。
自分の意見ばかりをぶつけて、チームがギクシャクするのは
過去いくつか見てきたが、今年は不思議なくらい
意見をぶつけ合うという場面に出くわさない。
お互いを探り合っているのか、意見をぶつけ合うことを
避けているのか…本心はわからない。

なぜだろう。
否定されるのが嫌なのか。
自由にブレインストーミングをしていたときの盛り上がりから一転し、
アイディアを本格的に固めていく段階になると
次第に賑やかに話し合う場面が少なくなっていった。
考えることに疲れてしまったのだろうか。

そういえば…と、あることを思い出した。
ここ数週間、ある生徒が不定期ではあるものの
思い浮かんだことがあると、メールで送ってくるようになった。
本来ならば、授業の話し合いの場で
みんなに伝えるはずのことを、間接的な“文章”を通じて
私に伝えてきてくれるようになっていた。
これは彼女にとって、非常に大きな変化だった。

というのも、日頃から授業の最中は自由に言葉を発するが、
何かまとまったアイディアを提案したり、意見を述べる状況になると
絶対に発言しなかった生徒だったからだ。
クエストの授業でも最初の頃に
「私はアイディアとか出すのが超苦手だから、いわない」
と宣言して、自分の考えをいうことをできる限り避けていた。

その彼女が書き留めて私に送ってきたアイディアの種には
毎回ドキッとするほど胸に突き刺さるものがあった。
「考えをすぐにことばにするのは苦手だけれど、
ほかの子の何気ない会話や自分の頭に浮かんだことを、
じっくり咀嚼する力があるのでは…」
普段の姿からは想像することができない、彼女の感性の鋭さを
初めて知った。

もしかしたら、ほかのメンバーも大なり小なり
彼女のように、自分の考えを他者に伝えることが
怖いのかもしれない。

自分に置き換えてみると、確かにそうだ。
大人の私ですら、自分のアイディアを誰かに伝えるときは
未だに恐怖であり、追い込まれた状況にならない限り、躊躇する。

アイディアをジャッジされる恐怖。
理解されないかもしれない、という不安。
何から話せばよいのか、話の取っ掛かりに躊躇する
あの緊張感。
いつも自分が社会の中で直面しているこの感情を
彼女たちも教室の中で、私以上に感じているのかもしれない。

目の前にいる生徒が、もし私だったら…
わからなくなったときは、彼女たちを自分に置き換えて
こんな風にされたら嬉しいな、と感じることを試してみる。

「大体テーマは固まったから、考えがまとまっているものから
自由に話して、みんなで共有してみようか」
そう促すと、リーダーが中心となって雑談のような発表が始まる。

その中で、興味をそそることばを発する生徒がいた。
「えっ、それってどういうことなの?」
と尋ねてみると、彼女は自信なさげに説明し始めた。
そのことばは、先生に褒められたくて意図的に発せられる
“いい子ちゃん”のそれとは違う、彼女の経験に裏付けられた
飾らない真実のことばだった。

「そうそう、それ!今いってくれたことって、すごく面白いんじゃない?」
彼女は「え、こんなことが面白いと思ってもらえるの?」
というような表情をしている。
前述した、メールで自分の考えを伝えてくるようになった彼女も
私が彼女の感性の鋭さに感動して、その素晴らしさを伝えたとき
「こんな反応が返ってくるの?」という戸惑いの表情を見せていた。

誰かが「いいね!」と感じることは
案外、自分自身では客観的に捉えられないことの方が多いものだ。

その後も、インタビュアーになったつもりで
何気ないことばを拾って聞き出してみると、
こんなことを思っていたのか、と驚くようなことばがたくさん出てきた。
実は色んなことを、彼女たちなりに一生懸命考えて
こんなにもワクワクするアイディアの種を
胸の内に持っていることを知り、嬉しかった。

真実のことばを引き出すカギは
純粋なる興味や素朴な問いかけを発すること。

普段、誰かと会話をしていると、
思わず相手に本音を打ち明けてしまうときがある。
そのときの心境を振り返ってみると、
相手が純粋な興味関心を持って
素朴な問いかけをしてくれるときだと気づく。
自分でも気づいていなかったようなことを
その相手から引き出されて、驚くことがある。

どうやら、その状況を作ることと同じかもしれない。
こんなにも素晴らしい感性を持ち、アイディアの種をくすぶらせている
彼女たちの一番よいところを引き出すのもファシリテーターである
自分に課せられた使命なんだなぁ、と実感した。

バラバラのアイディアの種を集約し、
昇華させるという課題が次に待ち受けているが、
また一歩前に進むことができたような気がする。


  • eduq_logo
  • ЊTv
  • ƗO
  • \A
  • ANZX
  • ₢킹
NGXgGfP[V@gbv
R^Ng
R^Ng
̌
QUESTCUP
ML
WORKBOOK